去る平成10年11月17日(火)午前10時より午後5時まで、応用電子物性分科会研究会11月例会「ナイトライド半導体の物性制御・欠陥制御」が化学会館ホールにて開催されました。当日は94名もの聴講者の方々にご参加いただき、ナイトライド半導体への関心の高さを5月の例会に引続きあらためて再認識させられました。
先の5月に開催された例会「GaN系青色レーザの新展開」では、現在のナイトライド半導体のレーザ応用がどこまで進んでいるかを、最先端の方々にご講演いただきました。これを踏まえて今回の例会は、ナイトライド半導体の基礎の部分に焦点を当て、デバイスの問題点をナイトライド半導体の物性、結晶欠陥、結晶成長の側面からとらえ直してみようとの趣旨で企画されました。さらに、今回の例会では通常の招待講演に加え、公募により講演を募集しました。その結果、以下のように公募による発表が4件、招待講演による発表が5件となりました。
講演は、3つに分類され、最初の1から3までの発表のキーワードは、「転位,InGaN,再結合過程」であり、4から6までが「欠陥、結晶成長、欠陥制御」、7から9までが「選択成長、ELO、転位、光電物性」でありました。GaN中の転位の種類、転位と光電物性との関連、転位の過剰キャリアへの影響、ELO中の転位の動的挙動など、随分と理解が深まってきました。また、InGaN量子井戸中の貫通転位と組成不均一の問題、エキシトン動的過程についても新しい知見が得られ、高輝度短波長デバイスへの展望も示されました。しかし、まだまだ未知の点が多く、ナイトライド半導体の更なる物性研究が必要であることを痛感しました。応用電子物性分科会では別の機会に討論の場を提供していきたいと考えています。来年も公募型で例会を開催する予定ですので、関心のある研究グループの方々、若い研究者の方々が、積極的に講演テーマを提案し、実りある討論の場を作っていただくようお願い申し上げます。
最後に、お忙しい中大変なご協力をいただいた講師の方々、及び熱心に聴講・討論をいただいた参加者の皆様に紙面をお借りしてお礼申し上げます。