幹事長就任にあたって
九州大学 古閑 一憲
このたび2024年4月から2年間、プラズマエレクトロニクス分科会の幹事長を拝命いたしました。オンラインに残る分科会誌を紐解きますと、過去30年間において、以下の先生方が歴任されております。
1994、1995年度 慶応大 真壁利明先生 1996、1997年度 大阪大 三宅正司先生 1998、1999年度 名大 菅井秀郎先生 2000、2001年度 長崎大 藤山寛先生 2002、2003年度 京大 斧高一先生 2004、2005年度 名大 河野明廣先生 2006、2007年度 東北大 畠山力三先生 2008、2009年度 九大 白谷正治先生 2010、2011年度 名大 堀勝先生 2012、2013年度 東大 寺嶋和夫先生 2014、2015年度 名大 豊田浩孝先生 2016、2017年度 首都大東京 杤久保文嘉先生 2018、2019年度 名城大 平松美根男先生 2020、2021年度 阪大 節原裕一先生 2022、2023年度 大阪公立大 白藤立先生
上記した著名な先生方の中に名を連ねる光栄と、果たして連なってもよいのか甚だ不安になる非才の身ながら、分科会の皆様からの期待に応えることができるよう、副幹事長、庶務、その他分科会幹事と共に努力してまいります。
ここ近年のプラズマ科学周辺の状況を見てみますに、デジタルトランスフォーメーションとグリーントランスフォーメーションが示すように、現況からの転換・変換が必要とされているように思います。それも、単に性能の良いものを生み出すといった発展の方向性のみならず、環境やエネルギーなど新しい価値観との共存が求められているようです。その中で単なる技術開発に留まらない新しい価値観に基づいた学理構築が分科会にも求められているように思います。
プラズマエレクトロニクス分科会では、半導体デバイスプロセスに関連する研究を筆頭に、プラズマバイオ、プラズマ触媒、プラズマナノテクノロジーなど、従来分野の発展維持とともに新しい分野を創出する役割を担っています。講習会やインキュベーションホール、プラズマプロセシング研究会、新領域研究会、International Conference on Reactive Plasmasの企画運営の他に、応用物理学会におけるシンポジウム企画などの従来サービスを踏襲しつつ新しい状況に合わせた会員サービスを実施したいと思います。
半導体デバイスプロセス分野では、Rapidus株式会社の設立やTSMCの工場建設など、国内での半導体分野の動きに柔軟に対応し、新しい学術シーズの母体として、若手研究者のプラズマプロセスの学理を涵養する場として貢献したいと思います。加えて、ドライプロセスシンポジウムとの連携を強化してゆきます。加えてプラズマエレクトロニクス分科会30周年事業の一貫として始まったロードマップの改訂が着々と進み新しいプラズマエレクトロニクスの姿が描かれていくものと考えます。描かれたロードマップを現実にするためには、皆様のご協力・ご参画あってのものと思います。
皆様と共に、あらゆる状況を楽しむことをモットーに2年間を過ごしたいと思います。以上どうぞよろしくお願いいたします。