趣旨:
レーザーの短パルス化・高強度化は、レーザーの出現以来応用上最も重要な要請の一つであり続けてきました。短パルス化・高強度化により実現される超強電磁場は、今までにない非線形光学現象や相対論的現象など様々な新奇物理現象の観測を可能にするとともに、レーザー加速器などへの広範囲な応用が期待されております。さらに光パルスの幅がフェムト秒からアト秒へ移りつつある現状で、原子分子内電子の運動など今まで不可能だった時間領域での現象観測・制御の可能性が見えてきました。このようにアト秒・高強度レーザーは、物理的に全く新しい領域の科学分野を創造する可能性を秘めていると言えます。
研究会では、アト秒・高強度レーザー分野の第一線で活躍されている講師の先生方に、アト秒・高強度レーザーの発生・検出・応用に関する最新の研究成果を発表していただくと共に、産業界も含めた幅広い分野の専門家の方からアト秒・高強度レーザーにどのような期待をするのかをお話していただき、多角的な発表・議論からアト秒・高強度レーザーの将来に向けた更なる発展を探っていきたいと考えております。基礎的な部分からの講演も含まれるので、本分野を専門としない研究者・技術者・学生の方も議論に参加できる研究会になると思われます。また参加者全員による簡単な自己紹介の場を設けるなど、参加者間の交流を深める企画も用意しております。多くの研究者・技術者・学生の皆様の参加を歓迎いたします。
1月8日(木) | ||
14:00-14:10 | 開会挨拶 | |
14:15-15:00 | 森下亨(電通大) | 「高強度超短レーザーパルスによる原子分子の超高分解能実時間イメージング」 |
15:00-15:45 | 上田潔(東北大多元研) | 「電子はどこにいる?−2原子分子を用いたヤングの2重スリット実験」 |
15:45-15:55 | ―休憩― | |
15:55-16:40 | 大森賢治(分子研) | 「アト秒ピコメートル精度の時空間コヒーレント制御」 |
16:40-17:25 | 中村一隆(東工大応用セラミックス研) | 「凝縮系のコヒーレント制御を目指して:コヒーレントフォノンと超高速時間分解X線回折からのアプローチ」 |
17:25-17:35 | ―休憩― | |
17:35-18:20 | 高部英明(阪大レーザー研) | 「高強度レーザー科学としての実験室宇宙物理学の創生と挑戦」 |
―夕食― | ||
1月9日(金) | ||
9:00- 9:45 | 渡部俊太郎(東大物性研) | 「高次高調波の展望−短波長化と短パルス化」 |
9:45- 10:30 | 鍋川康夫(理研) | 「高強度アト秒パルス列の発生と応用」 |
10:30-10:40 | ―休憩― | |
10:40- 11:25 | 山内薫(東大) | 「フェムト秒化学からアト秒化学へ」 |
11:25- 12:10 | 中野秀俊(NTT物性基礎研) | 「キャリアエンベロープ位相制御極短パルスレーザの異次数高調波間干渉効果」 |
―昼食― | ||
14:00-14:45 | 大道博行(原子力機構) | 「超高強度レーザーの拓くレーザー加速の世界」 |
14:45-15:30 | Paul Bolton(Japan Atomic Energy Agency) | 「Toward Integrated, Laser-Driven, Ion Accelerator Systems for Hadron Therapy at PMRC (Photo-Medical Research Center)」 |
15:30-15:40 | ―休憩― | |
15:40-16:40 | 霜田光一(東大名誉教授、文化功労者) | 「光パルスの粒子性と波動性」 |
自由討論 | ||
―懇親会― | ||
1月10日(土) | ||
9:00- 9:45 | 兒玉了祐(阪大) | 「レーザーによる高エネルギー密度新物質材料・新デバイス創生へ向けて」 |
9:45-10:30 | 玉作賢治(理研SPring-8) | 「X線非線形光学の現在・過去・未来」 |
10:30-10:40 | ―休憩― | |
10:40-11:25 | 中迫雅由(慶応大) | 「X線自由電子レーザーを用いた生体試料イメージングの可能性について」 |
11:25-11:40 | 閉会の辞 | |
―昼食後解散― |
連絡先:
〒182-8285 調布市調布ヶ丘1-5-1
電気通信大学レーザー新世代研究センター内
量子エレクトロニクス研究会事務局
奥平
Tel: 042-443-5711 Fax: 042-485-8960
内容問い合わせ先:
電気通信大学先端領域教育研究センター 早瀬潤子
Tel/Fax: 042-443-5920