◇第39回シリサイド系半導体研究会のご案内 日時: 2022年9月24日(土曜日) 14:00~16:00 開催場所:オンライン開催Web会議システム:Zoomまたはwebex(後日,申込者にリンクとともにメールでお知らせいたします.)
主旨:様々な寸法スケールの物質構造により物性は影響されます.結晶構造自体は10万気圧オーダーの加圧で変えることができます。遷移金属シリサイドは固いので、10万気圧以下の高圧での相転移が難しいですが、遷移金属ゲルマナイドではそれが可能になります。また、欠陥を導入することによりその熱電特性を向上させることができます。今回の研究会では,遷移金属ゲルマナイド、シリサイドの高圧合成、Mg2Si関連物質の結晶構造・組織・欠陥が熱電特性に及ぼす影響について,第一線でご活躍の先生方に最新のご研究をご紹介いただきます。
題目:格子欠陥エンジニアリングによるMg2Si関連物質の熱電性能の向上(東北大学・准教授 林 慶)要旨: Mg2Si関連物質は高性能の熱電材料として注目されている。これまで、熱電性能を向上するために、元素部分置換した多結晶を作製することで、キャリア密度の最適化や格子熱伝導率の低減が行われてきた。これに対し、単結晶は多結晶より高いキャリア移動度を有する一方で、格子熱伝導率も高いことから、Mg2Si関連物質の単結晶の熱電性能を調査した研究は少ない。本発表では、物理的圧力や化学的圧力を加えて単結晶を作製すると格子欠陥が導入されること、これにより熱伝導率が低くなるものの、高いキャリア移動度は維持され、多結晶よりも高い性能が得られるという我々の最近の成果について報告する。
題目:新規遷移金属ゲルマナイドおよびシリサイドの超高圧合成および結晶化学(名古屋大学・助教 佐々木 拓也) 要旨:数万気圧以上の超高圧力環境は常圧下とは全く異なる現象を起こす特異な反応場である.本研究では,この超高圧力環境を利用した新規遷移金属ゲルマナイドおよびシリサイドの合成を行い,多数の新規高圧相の合成に成功した.特に,Cr-Ge系CrGeγ(γ=1 .72―1.78)では合成圧力の増加とともに組成の変調と磁気転移温度の上昇を示し.Cr-Si系では常圧相よりもSiに富む新規相の生成とその相安定性を明らかにした。
プログラム(講演者 敬称略)
参加費:
申し込み方法:
問合せ先: 山口憲司(量研機構)、今井基晴(物材機構)(メールアドレスは(1)に記載)