応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会 協賛
第2回熱刺激電流測定法に関する研究会(TSC研究会)

■趣旨:

 熱刺激電流(Thermally stimulated current, TSC)測定は、薄膜・粉末試料を冷却した後に加熱した際に生じる電流を測定することで、試料内の基礎物性を評価する熱分析手法の一種である。歴史は古く、1970年代から誘電体に関するTSCが盛んに研究されており、近年その応用範囲は絶縁体や半導体へと広がりを見せている。例えば、電荷トラップの評価はトラップ電荷の空間分布やトラップ準位の起源、バンドテイル構造などを調べることができるため、太陽電池やトランジスタなどの半導体デバイス解析に応用されている。測定試料の微細化にともない要求される測定感度が高くなっているが、電気計測機器も進歩を続けており、最近ではフェムトアンペアの信号を捉えることが可能になってきた。

 この様に開発以来長い歴史が有る本手法は、電子デバイスの研究開発における有用性・汎用性が高いにも関わらず、研究開発への利用は限定的であり、その認知度も低いものである。そこで、評価・解析技術の向上、ユーザー間の技術的情報交換、評価法への理解を広く普及する意味で、ユーザー間の交流の場としての本研究会を立ち上げるものである。

 今回、半導体、強誘電体、有機材料等の様々な分野から研究者にお集まり頂き、分野横断的な研究会として開催し、本評価技術の最新動向、研究開発の最前線を紹介して頂く予定である。



■日時:
2013年7月30日(火)

■場所:東京工業大学(大岡山 西9号館2Fコラボレーションホール)
           東京都目黒区大岡山2-12-1
      http://www.titech.ac.jp/about/campus/index.html

■参加費:無料 定員50名 (懇親会費:\1,000) 定員に達しました

■事前登録先:
TSC研究会事務局  吉田郵司(産総研)、平山泰生(リガク)
          E-mail:tsckenkyu2@gmail.com
     (所属機関/会社部署名、住所、連絡先、懇親会への参加の有無)

■プログラム:
           
13:30〜13:40 事務局より本日の予定説明
13:40〜14:40 岩本光正(東工大)基礎講座A
14:40〜15:20 工藤一浩(千葉大)有機半導体デバイスの課題と薄膜作製評価技術
15:20〜15:40 休憩
15:40〜16:10 河野謙司(九州大)TSCを用いた有機太陽電池の初期劣化解析
16:10〜16:50 栗山一男(法政大)熱刺激電流法によるワイドギャップ半導体中の欠陥準位の評価
16:50〜17:10 吉田郵司(産総研)TSC研究会の今後について

17:30〜19:30 懇親会(大学生協第一食堂2階)