講演題目 |
ガラス基板上薄膜Si結晶成長過程の分子動力学シミュレーション |
講師 | 九州大学大学院工学研究院 |
要旨 | ガラス基板上への多結晶シリコン(Si)薄膜形成技術の高度化は、太陽電池や薄膜トランジスターの高性能化に重要である。本講座では、分子動力学(Molecular Dynamics, MD)シミュレーションを用いて、ガラス基板上薄膜Siの結晶化を計算機の中で模擬的に行う方法について解説する。分子動力学法は、物質の振る舞いを、その物質を作っている原子や分子の古典力学的運動に基づいて調べる方法で、結晶成長過程の原子スケールダイナミックスの可視化や成長メカニズムの解明に有用である。実験的には、ガラス基板上に50-100nmの非晶質Si薄膜を形成した後にパルスレーザー光照射により短時間(〜100ns)で非晶質Siを溶融・再結晶化する技法が広く用いられている。本講演では、MD法の基礎とともに、具体的な応用例として、光源に紫外領域の波長を持つエキシマーレーザーを用いたExcimer Laser Annealing (ELA)による非晶質Siの結晶化過程のMDシミュレーションについて解説する。多結晶Siの高品質化には、核形成サイトや結晶粒径および結晶面方位の制御技術が重要となるが、その指針を得ることを目的として我々のグループがこれまでに行ってきたMDシミュレーションの主な結果:(1)非晶質Si薄膜表面へのエキシマーレーザーパルス照射による加熱・溶融・冷却過程の可視化、(2)ELAにより得られる多結晶粒径のレーザー強度依存性、(3)レーザー光強度変調ELAによる表面結晶方位制御技法等を、動画も交えて紹介したい。また、シミュレーションにより得られた原子配置と、高分解能電子顕微鏡による原子像観察結果との比較についても述べる。 |