講演題目 |
電子ビーム描画によるナノ金型の作製と極微細形状転写技術 |
講師 | 海野 徳幸(東京理科大) |
要旨 | 三次元形状(深さ階調)を有する金属ナノ構造体を用いた次世代デバイスに注目が集まっている。半導体デバイスはもちろん、プラズモンカラーフィルタなどの光学素子、あるいは生化学向けの表面増強ラマン散乱(SERS)センサーなど分野を問わず様々な場面での応用が期待されている。一方で、プラスチック基板上に電子デバイスを形成するプリンティッドエレクトロニクス(PE)と呼ばれる分野も低コスト・低環境負荷という点から、フレキシブルディスプレイや薄膜有機太陽電池などの需要の高まりと共に盛んに研究が進んでいる。従来、金属ナノ構造体を作製する手法は半導体プロセス(特にリソグラフィ及びリフトオフ技術)の応用が主であった。しかし、三次元形状を有する金属ナノ構造体の作製には幾度も同プロセスを繰り返す必要がある。これは、リフトオフ技術が1回で1レイヤー分(1段の高さ)の形成しかできないからである。そのため、パターンの重ね合わせ機構が必要になり、さらにスループットの低下を招いていた。また、従来の半導体プロセスはシリコンウェハを基板として用いることを想定しているため、プラスチック基板の熱的・化学的制約のためPE向けパターニング手法として適用が難しかった。これらの課題を解決しうる技術として本講演では、ナノインプリントリソグラフィ及びナノトランスファープリンティングを応用した極微細形状転写技術を紹介する。講演は次の3つの主題より構成される。(1)電子ビームリソグラフィによる三次元ナノ形状金型作製技術(2)酸化金属離型膜を用いたプラスチック基板上への新規金属パターニング技術(3)高スループット化のためのシームレスなロールナノ金型の作製技術とその応用。
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