講演題目

半導体イオン注入技術-クラスタービーム装置と応用技術-

講師 丹上 正安(日新イオン機器)

要旨

45nm以降の次世代半導体ICトランジスターは、従来のサイズ縮小のみによる微細化がいよいよ限界に達してきたので、新しい材料(High-k絶縁膜とMetalゲート電極)と構造(FinFETに代表される3次元トランジスター)によって実現されると予想されています。それらのトランジスターを作るにはイオン注入にも、従来以上のあるいは従来と異なった技術・装置性能が要求されています。それは、1)低エネルギービーム量アップ、2)ビーム角度の低減と再現性、3)低温高活性化対応、4)歪形成技術、等々です。
クラスターイオン注入は多数の原子をまとめて1個の電荷を載せて注入するため、従来のイオン注入に比べて低エネルギーで大電流ビーム注入ができ、ビームの広がり角度を下げて注入することができます。また、シリコン基板に注入した場合シリコン結晶との相互作用が大きく注入層が容易に非晶質化し、きれいな結晶-非晶質界面が形成されます。これによって、アニールした時に低温で活性化率の高い再結晶化が可能です。さらに、現在開発中ですがn-MOSへのカーボン注入によるSi:C形成技術でも、クラスターカーボンを用いるとSi:C形成率の高い歪形成が可能になります。これらのことから次世代半導体ICの製造にクラスターイオン注入は不可欠の技術であると思われます。
講演では、上記プロセス技術について紹介し、半導体生産用クラスターイオン注入装置の開発状況を報告します。