一様性の破れた界面では、特徴的な原子構造や電子状態が実現される。界面分析の基礎は、これら界面の特徴を知り、それを選択的に信号として抽出する原理を理解することにある。本講義では、(1)界面の原子構造として「界面の形成過程と熱的安定性」、(2)界面の電子状態として「エネルギー準位の整列」にテーマを絞り、まず界面の原子構造と電子状態の特徴について理論の立場からなるべくわかりやすく説明する。次に、これら特徴がどのような仕組みで取り出されるか実験例を示しながら解説する。 界面の形態(原子秩序、組成、乱れ等)は、格子定数・原子結合等のintrinsicな構造的・化学的整合度や成長プロセスなど非常に多くの要因で決定され、その形態は界面物性を支配する。そこで、歪みが重要な働きをするGaAs上でのInAsぬれ層形成やSiO2/Si界面でのSi酸化を例にとり、反射率差分光で界面形成過程の情報がreal timeに観測される仕組みについて解説する。また、形成された界面の安定性を決める因子を解説し、その観測について議論する。 一方、A/B界面には、界面での並進対称性の破れや不純物等の界面欠陥構造に起因して、界面に局在した電子状態が現れる。この界面状態は、界面での電荷移動を誘起し、A,B間のエネルギー準位の整列(band offset, Schottky barrier)を決定し、界面を介しての電気伝導・光学特性を支配する。そこで、奇妙に振る舞う最近の金属/high-k酸化物界面を従来の金属/半導体界面と比較しながら、offsetが決定されるメカニズムを一般的に説明する。さらに、このoffsetがXPS等の分光やIV、CV測定で観測される仕組みについて解説する。 |