透過電子顕微鏡は21世紀に入り、大きな革命期を迎えている。一つは、通常の透過型(TEM)の他に走査透過型(STEM)装置が普及し、1原子レベルの超高分解能観察とサブナノレベルの局所分析が可能になったこと、2つ目は電子レンズの収差補正技術の実用化により、TEM、STEMとも0.1nm以下の分解能が通常の部屋に入る装置でも容易に可能になったこと。そして3つ目は収束イオンビーム加工(FIB)の普及で半導体素子の断面観察が格段に容易かつ短時間で可能になったことである。本講演では、新しい方法としてのSTEM法の説明からはじめ、新しい技術としての電子レンズの球面収差補正技術と入射電子線単色化技術(モノクロメーター)、各種分析技法(EELSとEDX)の進歩の解説を行ない、ついでシリコン系半導体およびIII-V系半導体の界面構造の0.1nmレベルでの観察や分析結果、さらには最近活発に研究が進んでいるhigh-κ材料や将来の究極の配線材料と考えられるナノチューブの超高分解能観察の結果についても説明する。そしてTEMやSTEMの他の分析手法との違いや特徴についても議論して、聴講者に役立つ内容にしたい。 |