過去10年間に分光エリプソメトリーの測定・解析技術は飛躍的に発達し、分光エリプソメトリーは従来の基礎的な光学評価だけでなく、薄膜成長の実時間観測やより複雑な異方性有機薄膜の解析に用いられるようになっている。分光エリプソメトリーは、偏光した光を試料に照射し、光反射による偏光状態の変化から試料の光学定数および構造を評価する技術であるが、特に非破壊・高速測定が可能であり、非常に高い測定感度(膜厚感度:0.1Å)を持つことが特徴である。しかし、分光エリプソメトリーは基本的に間接評価手法であり、試料解析には屈折率および膜厚で定義される光学モデルが必要となる。また、エリプソメトリー測定では偏光状態の変化を測定するため、測定結果が直感的に分かりにくいなどの欠点がある。本講演では分光エリプソメトリー測定・解析技術を基礎から解説し、応用として実時間観測による半導体界面の評価および光学異方性評価による有機薄膜の配向性評価を紹介する。分光エリプソメトリーの実時間観測からは、界面形成時の薄膜成長機構を原子レベルで明らかにすることができ、有機薄膜の光学異方性評価からは有機分子が基板に対してどのように配向し、どのような電子状態を示すかを調べることが可能である。本講演では、半導体および有機薄膜材料に関するエリプソメトリー分野の最新の研究成果を紹介する。 |