カーボンナノチューブ(CNT)はそれを構成するグラファイトシートの巻き方(キラリティ)によって、金属にも半導体にもなるという特異な性質を持つ物質である。さらに、ナノメータの極微細な直径でありながら、長さはミクロンからミリメータになる擬一次元のナノ構造体であり、リソグラフィ(トップダウンテクノロジー)を用いて微細デバイスを形成することができる。このため、微細デバイスのビルディングブロックとして、ボトムアップ・トップダウンテクノロジーの融合を実現する材料として期待されている。しかし、その実現にはCNTの高度な合成制御技術の確立が不可欠である。本講演では、デバイス応用に向けた基板上でのCNT合成技術と、それを支える計測・評価技術に焦点を絞り、最近の研究の進展を概観する。また、合成制御の基礎となるCNTの成長機構に関して、ナノ触媒研究の進展に基づいた最新の理解を紹介する。 |