最近,グラファイトの単原子層からなるグラフェン作製され, 電気伝導や量子ホール効果が観測された. その後,量子ホール効果の詳しい実験,磁気抵抗効果の測定,バンド間磁気光学吸収やサイクロトロン共鳴の観測,ARPES, 局所状態密度や電子密度分布の測定など,新しい実験研究が続々と報告されはじめている.さらに,2層あるいは3層グラフェンなども作られ,同様の実験が行われている.グラフェンは6角形の蜂の巣格子をもち,フェルミエネルギー付近のバンドは,第一ブリルアン域の端にあるK点とK'点付近で,波数の1次に比例する分散をもつ.その付近での電子の運動は有効質量近似では相対論的なディラック方程式で静止質量をゼロとした場合の2行2列のワイル方程式で記述される.そのため,普通の2次元電子とは異なるさまざまな興味深い性質を示すことが期待される.