NAND型フラッシュメモリは、ファイルメモリとして携帯電話、デジタルカメラ、メモリカード、USBメモリなど、近年身近で使われている半導体不揮発性メモリである。このNAND型フラッシュメモリは、既存の半導体デバイスと同様に、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどの既存の不揮発性記憶装置と比較して、回転モータなどの機械部品を必要としないため、軽く且つコンパクトにシステムを構成することを可能にする。さらに、NAND型フラッシュメモリは、1個のMOSデバイスでメモリセルを構成する事ができ、且つそのメモリセルをコンタクトレスアレイ方式で集積化しているため、既存の半導体不揮発性メモリよりも、高集積化に優れ、安く製造することができる。これらの特徴を生かして、NAND型フラッシュメモリは、その集積度の向上と共に、文書ファイル等のファイルストレージから始まり、静止画像データを取り扱うデジタルカメラ、音楽データを取り扱うMP3プレーヤー、さらには動画データを取り扱うデジタルムービーにまで幅広く活用されるようになって来た。
本論文では、上記のような発展を実現してきたNAND型フラッシュメモリのデバイス構造からその動作原理等を、その他の半導体不揮発性メモリと比較しながら示す。そして、NAND型フラッシュメモリの半導体デバイスとしての優位性のみならず、システムから見たその特徴を明らかにすることで、NAND型フラッシュメモリの現状を示す。
最後に、NAND型フラッシュメモリの課題をデバイス的観点とシステム的観点から考察し、NAND型フラッシュメモリの将来を展望し、まとめとする。