不揮発性メモリとして近年多様な材料と方式が検討されているが、強誘電体メモリ(FeRAM: Ferroelectric Random Access Memory)は、高速、高耐久性、高密度、低消費電力を実現する不揮発性RAMとして比較的早くから開発が進められ、1Mb程度の小規模なものはすでに製品化されている。また乗車券等のスマートカード等に用いる低消費電力の不揮発性メモリとしてすでに実績がある。本講演では、FeRAMの2つのタイプ(キャパシタ型とトランジスタ型)について、その動作原理を解説するとともに最近の進展を紹介し、さらに有機強誘電体やBiFeO3等の最近の話題を紹介する。 最初にFeRAMに使用されている強誘電体材料の物性と薄膜の形成例を紹介し、キャパシタ型FeRAM、トランジスタ型FeRAMそれぞれについて、強誘電体材料に要求される特性を述べる。また、キャパシタ型FeRAM製品の例、学会レベルでの研究・開発の現状を紹介する。次にトランジスタ型FeRAMについて、その動作原理を紹介して問題点を明らかにし、最近の開発状況を概観する。特にトランジスタ型では近年長い記憶保持時間が得られるようになってきており、今後の展開が期待される。最後に新しい潮流として、巨大な分極量を有するBiFeO3薄膜の作製例と物性、酸化物半導体をチャネルに用いた強誘電体ゲート薄膜トランジスタ、低温で形成可能であり近年薄膜化も達成された有機強誘電体の作成例とメモリデバイスへの応用、走査型プローブ顕微鏡技術を用いたナノドメインの形成等について、最近の報告例を紹介する。 |