DVDを代表とする光ストレージは、赤色レーザーから青色レーザー仕様へと進展し、現在25GB容量をもつブルーレイディスクが市場に投入されている。ブルーレイディスクまでの光ディスクの大容量化は、回折限界と呼ばれる光学原理に基づいて設計され、記録読み出しレーザー波長の短波長化と高解像度レンズの組み合わせによって成し遂げられてきた。しかし、青色レーザー以後の短波長レーザーではディスク基板やレンズの光吸収の影響等が問題となり、回折原理に基づく開発指針ではこれ以上の高密度化は望めない状況にある。この状況を打破する目的として、集光レンズと記録薄膜との間に光機能膜を設置し、この機能膜を熱的に作動させることで、レーザービーム径をさらに1/10以下に絞り込み、その絞りから発生する近接場光を利用して超高密度光記録再生を行うことを目的とした光ディスクが1998年に開発された。開発当時は、信号強度もずっと低く「科学」の領域にあったが、共同研究企業との共同開発によって現在、75ナノメートルピットからなるランダム信号を実用レベルの信号強度で、しかも高速に記録読み出しすることが可能な「技術」となった。これを「スーパーレンズ - SUPER-RENS」と呼ぶが、スーパーレンズの機能はたった10ナノメートルの薄膜であり、ディスクの高速回転と共に光を絞るための機能部分が移動してゆく。このようなダイナミックな薄膜特性の応用は、光ディスクではすでに一般的なものとなっているが、「科学」の領域では未だに材料が固定されたままでの研究が主流のままである。セミナーではダイナミックな薄膜の織りなす光の集光現象についての話題を提供する。