ハードディスク装置の高密度化の際問題となる熱揺らぎ限界を解決し,1Tb/in2以上の記録密度を実現する方法として,熱アシスト磁気記録方式が注目されている。磁気記録において,熱揺らぎの影響を小さくするには媒体の保磁力を大きくする必要があるが,従来の記録ヘッドで発生できる磁界は限界に近づきつつあり,このような高保磁力媒体への記録は困難となる。そこで,熱アシスト磁気記録方式では記録の瞬間に光を照射することにより媒体を加熱し,媒体の保磁力を瞬間的に小さくする。これにより,高保磁力媒体への記録が可能になる。
 この記録方式において,隣接トラックの加熱を防ぐためには,数10nm以下の微小領域を光加熱する必要がある。そのためには近接場光の利用が必要であるが,従来の微小開口を用いた近接場光発生素子では,近接場光発生効率の低さが問題であった。そこで,我々は,金属プレートを利用した新しい近接場光発生素子を開発した。先鋭化された頂点を持つ金属プレートに光を照射すると,プレート中にプラズモンが励起され,頂点に強い近接場光が発生する。計算の結果,20nm以下の光スポットを15%以上の効率で発生させることが出来ることが分かり,また実際に相変化媒体を利用した記録実験を行ったところ,径40nmのマークを書き込むことが出来た。