~応用電子物性分科会 幹事長就任にあたって~

金沢工業大学 工学部 電気電子工学科
山口 敦史  

 応用電子物性(応電)分科会は、1942年発足の「電子放射研究会」を母体とし、1963年に「応用電子物性分科会」となり現在の形となっております。このような80年余りの長い歴史と伝統がある応電分科会の幹事長を2024年4月から務めさせていただくこととなり、責任の重さに身の引き締まる思いですが、応電分科会をより一層活性化させるため精一杯努めてまいりたいと存じます。分科会員、賛助会委員の皆様、ご指導・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 応電分科会は、応用電子物性に関する知識・技術の向上・発展に寄与し、会員相互の連絡をはかることを目的としております。そして、応電分科会の活動の中心は年5回開催している「研究例会」になります。応用物理学会には12の分科会がありますが、その多くは学術講演会の大分類分科に対応づけられており、特定の分野をより深く掘り下げるという形で研究例会が開催されていることと思いますが、応電分科会には対応する大分類分科がありません。その分、特定の分野に縛られることなく、応用電子物性に関する広い分野を扱えるという大きな特徴があります。したがって「研究例会」で扱われるテーマは多岐にわたり、この「研究例会」にひととおり参加することで、広い分野の最新の研究・開発について学ぶことができます。先日(2024年3月23日)開催された「応用電子物性分科会設立80周年記念シンポジウム」においては、歴代の幹事長の方々からこれまでの「応電」の歴史が語られ、この分科会の「研究例会」の中で、後に大ブレークしてホットになったテーマを先駆的に扱っていた、という例が数々あることを私も初めて知りました。今後も分野に捉われない「応電」の特徴を活かし、今、注目を集めている分野をいち早く扱い、また他の分科会では扱わないユニークなテーマも取り上げられるような研究例会を企画してまいります。研究例会のプログラムは、分科会会員、賛助会員の皆様方には、応電分科会からのメール配信でご案内いたしております。また、応用物理学会会員、一般、学生の皆様方におかれましても応電分科会ホームページから参加登録いただくことにより、随時ご参加いただくことが可能です。
 応電分科会会員の皆様が新しい分野を知るきっかけとして、また、異分野の研究者・技術者の皆様が交流を深め、議論を行う場として研究例会がお役に立てればと思っております。そのような研究例会を提供できるよう、本分科会幹事の皆様とともに努めていります。皆様の応電分科会へのご協力と、研究例会への積極的なご参加をお願い申し上げます。

2024年4月  


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