幹事長就任にあたって

首都大学東京 杤久保 文嘉

この4月より2年間、プラズマエレクトロニクス分科会の幹事長を務めさせていただきます首都大学東京の杤久保文嘉でございます。私が初めて学会に接したのは1987年1月に慶応大学矢上キャンパスにて開催された第4回プラズマプロセシング研究会でした。幾多の発表に対してとても活発に議論されていたことを強く覚えております。以来、プラズマエレクトロニクス分科会に育てて頂いたと言っても過言ではありません。このたび、分科会幹事長という大役を仰せつかり、微力ではございますが、分科会、及び、分科会会員の皆様のために、誠心誠意努力いたす所存ですので、よろしくお願い申し上げます。
 分科会会報No.55(2011年12月発行)にプラズマエレクトロニクス創設25周年、分科会発足20周年の特集企画があり、後藤俊夫先生、及び、歴代幹事長が分科会発足までの経緯や理念、発足以降の取り組み等を記録されています。これらを改めて読むと、学術基盤、及び、見据えた応用分野を含む"プラズマエレクトロニクス"の理念に関する思慮深さに驚嘆します。また、これを具現化するために、活発な研究会活動の場(プラズマプロセシング研究会と春秋の応用物理学会学術講演会)、人材育成(講習会とサマースクール/インキュベーションホール)、国際化(国際会議)が分科会発足以前よりデザインされています。更に、新領域の探索(新領域研究会)や会員間の交流促進などが加わり、体制が強化されてきました。これらの取り組みを適切に維持しながら、プラズマエレクトロニクスの発展に向けて努めて参ります。
 プラズマエレクトロニクスの更なる進化と深化に向けて重要なことは、研究発表の場に活気があることだと考えております。即ち、プラズマプロセシング研究会や応用物理学会学術講演会のセッションに魅力的な多くの研究発表がなされること、活発で本質的な議論がさせることによって人が集まり、多様性も生まれます。魅力的なプログラム編成、シンポジウム等の企画の助けも借りながら、地道に研究発表の場の維持・発展に努めて参ります。分科会の原点でもあるプラズマプロセシング研究会はSPP34(実行委員長:北大・佐々木浩一先生)が2017年1月に北大で、SPP35が2017年11月にPlasma Conference 2017(運営委員長:名城大・平松美根男先生)として姫路で開催されます。SPP34は学振153委員会のプラズマ材料科学シンポジウム(SPSM29)との合同開催となります。SPPのアイデンティティを維持しながら、SPSMとの相乗効果を出していきます。また、Plasma Conference 2017は当分科会が幹事団体です。分科会として積極的に関与して平松委員長を中心に会を盛り上げるとともに、今後のPlasma Conferenceのあり方についても議論を深めていきたいと考えております。
 プラズマエレクトロニクスは反応性プラズマを理解した上で多様なプラズマ応用へと展開を図って参りました。プラズマ応用はプラズマプロセスから医療、農業、環境へと拡大してきましたが、反応性プラズマのサイエンスを積み重ねてきたからこそ、これが可能でありました。この姿勢を堅持しながら分科会の発展に取り組みますので、会員の皆様にはお力添えを頂きますとともに、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。