■代表あいさつ

■幹事メンバー



応用物理学会 「トータルバイオミメティクス領域グループ」立ち上げの趣旨


 バイオミメティクスの歴史は古く生体構造・機能から着想を得て様々な製品が生み出され科学技術を発展させてきました。現在においても人工知能や人工筋肉、嗅覚・触覚センサなど生体を模倣した技術の発展は目覚ましものがあります。
 実際の生体システムでは検出-情報処理-応答という異なる機能がシームレスに統合し、超低消費電力で動作しています。その根底にはゆらぎ活用(確率共鳴)と多様な階層構造のインターフェイスレスな異機能調和があります。異機能間をどのように情報伝達をしているのか?小さく見るとイオンの移動とパルス信号の伝達が基礎になっています。しかし、生体の小さな動作原理を追うだけでは生体の柔軟で複雑な機能は解明できません。では、大きく見るとどうでしょう?様々な実験がなされていますが、生体というブラックボックスに入力を入れ、その出力を観察するといった現象を追い仮定の中から学術研究がなされています。
 トータルバイオミメティクスは、個々の生体機能を総合的に俯瞰し、シームレスな情報受け渡し、ゆらぎの中のリズム、異機能間・同種機能間での再帰循環をキーワードに現象論では留まらない生体システムの具現化を目指します。そのような中、閉領域での自己書き換えオートポイエーシス的な考えを材料・デバイス・システムに取り入れる時が来ているのではないでしょうか。
 爆発的に膨大する情報と消費エネルギーの根本解決を目指し、真に自然や人・生物にやさしい技術・社会を生体に学びながら創っていく。この概念を学理として構築し、社会で活用するためにはトータルバイオミメティックスという新たな研究基軸が不可欠でしょう。
 このような考えのもと、大学・研究機関・企業と様々な分野にご賛同いただいた31名で本グループは2020年1月発足しました。