趣旨

近年のデータ・情報科学(インフォマティクス)技術の発展は現代社会に大きな変革をもたらそうとしています。 データ・情報科学を援用した新しい研究が数多く創出され、機械学習、深層学習など人工知能の技術を使った目覚ましい成果があげられています。 材料分野では新しい潮流として、データ・情報科学を使った材料科学マテリアルズインフォマティクスが注目されています。 また計測にデータ・情報科学を援用する計測インフォマティクスも大きな広がりを見せています。 このようなデータ・情報科学の技術活用の広がりは、応用物理学分野も例外ではありません。学術講演会でのインフォマティクス関連講演の数は年々増加しています。 さらに、従来のマテリアルズインフォマティクスや計測インフォマティクスの枠組みに納まらない新しい研究も多く生まれてきています。 このように、インフォマティクス応用分野は成長が大きく期待されています。 しかし、インフォマティクスに関する基礎的な理解や利用可能なデータの不足、実践的な応用での問題も指摘されており、標準的なツールとして普及するまでにはまだまだ多くの課題が山積しています。
これらの問題や課題を受け、有志により2019年春に学術講演会に常設セッションとして、合同セッションN「インフォマティクス応用」が開設されました。 さらに、世界の潮流を産業界と学界で議論し、情報を共有する場として、2020年春に「インフォマティクス応用研究グループ」が設置されました。そして、同研究グループは2022年に「インフォマティクス応用研究会」に昇格しました。 これからも、インフォマティクス応用に関する研究の推進、技術の普及、研究者の交流を目的として活動をしてまいります。