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幹事長挨拶

幹事長就任のご挨拶

工学院大学 先進工学部 応用物理学科 尾沼 猛儀

 この度、結晶工学分科会の幹事を務めさせていただくことになりました。私自身、2016年から分科会の幹事として務めさせていただいており、今年で7年目となります。分科会の幹事の皆様の中には、私よりも長く幹事を務めてらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますが、その中で幹事長を務めさせていただくことに不安もありますが、とても名誉なことと感じております。長年にわたる結晶工学分科会の伝統をできるかぎり継承し、必要なところは改善できるよう努めていきたいと考えております。これから2年間、会員の皆様にはご理解とご協力をいただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私と結晶工学分科会との関わりは、2015年に工学院大学に赴任し2年目の2016年からとなります。それまでは、窒化物半導体をはじめとするワイドギャップ半導体材料の光物性を中心とした研究に携わっており、結晶成長に関しては、学会等で見聞きする他は、学生時代から所属した研究室で行われていた窒化物半導体の分子線エピタキシーや有機金属化学気相エピタキシーに触れる程度でした。その後、工学院大学に赴任した当初にリベール社製のRFプラズマ援用分子線エピタキシー装置を譲り受け、PIとして窒化物半導体の結晶成長研究をスタートしました。基板の設置方法やフラックス、プラズマの発生条件等の基礎データ取りを学生と一緒にコツコツと積み重ね、最近ようやく装置特性が理解できるようになってきたように思えます。特に、III族と窒素の供給比だけでなく、トータルの供給量によっても成長様式が変化するところに結晶成長の奥深さを感じると同時に、結晶成長の面白さに大いに引き込まれました。さらに最近では、酸化物半導体のミスト化学気相堆積も行っており、こちらもまた、全く異なる成長様式に驚かされ、また魅了される日々を学生と一緒に送っています。近年では、大学の研究であっても成果主義の潮流からは逃れられず、最初から目的がはっきりとしている課題、あるいはすぐに成果に結びつく研究を意識せざるを得ない状況が続いています。そんな中、自分の育てた結晶を観ていると、本来の研究とは何かを改めて考えたくなる、そんな不思議な気持ちが湧いてきます。これまで学会を支えて下さった諸先輩方の域には到底及びませんが、少しでも近づきたいと考えています。
2022年5月
 

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