基礎講座:計算機ナノマテリアルデザイン入門 ~新物質ナノ超構造・新機能材料薄膜合成の指針を求めて~

第37回 薄膜・表面物理 基礎講座(2008)概要

共催

応用物理学会薄膜・表面物理分科会、CMD(R)&大阪大学物性グローバルCOE

協賛

日本物理学会、日本化学会、日本金属学会、日本表面科学会、電子情報通信学会、電気学会、触媒学会、日本真空協会、電気化学会、表面技術協会、日本顕微鏡学会、高分子学会、精密工学会、日本結晶学会、日本結晶成長学会、日本磁気学会、日本セラミックス協会、日本放射光学会(依頼中)

概要

量子力学に基づいた計算機によるマテリアルデザイン(CMD(R))が注目され、このCMD(R)を用いた新しい材料の設計・創成が期待されています。ここでは、第一原理計算の基礎、第一原理計算に基づいた各種ソフトウェアとその使用法について解説します。またそのソフトウェアを用いた新物質や新デバイス、新プロセス、知的財産の創出への事例を紹介し、そのパワフルな効用について示します。聴講者は会場で用意された計算機に実際にプログラムをインストールして、簡単な計算を行うことにより、計算機によるマテリアルデザインを体験することができます。本講座は本格的なCMDワークショップ(http://www.dyn.ap.eng.osaka-u.ac.jp/cmd/)への序論となります。

日時

平成20年11月21日(金) 9:40-18:30
平成20年11月22日(土) 9:30-17:00

場所

早稲田大学理工学術院(大久保キャンパス/理工メディアセンター63号館3階C教室)
〒169-8555東京都新宿区大久保3-4-1
http://www.mse.waseda.ac.jp/

地下鉄副都心線 西早稲田駅下車 出口3がキャンパスに直結
JR高田馬場駅 戸山口下車 徒歩10分
JR新大久保駅 下車 徒歩10分
地下鉄東西線-高田馬場駅 下車 徒歩12分
西武新宿線-高田馬場駅 下車 徒歩12分

 

プログラム(題目をクリックすると要旨がご覧になれます)

11月21日(金)
日時 講演題目 講師
9:40-10:00 計算機実習のための説明とトレーニング 渡邉孝信(早大)
10:00-11:00 計算機ナノマテリアルデザインの基礎と応用物理へ成功事例:デザイン・実証から権利化まで 吉田 博(阪大)
11:00-13:00 HiLAPWの使い方と応用事例(実習付き) 小口多美夫(広大)
13:00-14:00 昼食
14:00-16:00 グリーン関数法による量子シミュレーション・デザイン手法: machikaneyamaによる量子シミュレーションの実際(実習付き) 赤井久純(阪大)
16:00-16:30 休憩
16:30-18:30 STATE-senriの使い方と応用事例:触媒、燃料電池、有機分子エレクトロニクスへの応用(実習付き) 森川良忠(阪大)

 

11月22日(土)
日時 講演題目 講師
9:30-11:30 Osakaの使い方と応用事例: 不純物制御への応用(実習付き) 白井光雲(阪大)
11:30-12:30 昼食
12:30-14:30 量子ダイナミクスシミュレーションNANIWAとその燃料電池開発への応用事例 笠井秀明(阪大)
14:30-15:00 休憩
15:00-17:00 ABCAPを用いた熱起電力の計算(実習付き) 浜田典昭(東京理科大)

 

 

参加費

テキスト代、消費税含む

薄膜・表面物理分科会会員 * 応用物理学会会員 **
協賛学協会会員
学生 その他
15,000円 20,000円 10,000円 25,000円

*薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は、分科会会員扱いといたします。現在非会員の方でも参加申込時に薄・表分科会(年会費 A:3,000円,B:2,200円)にご入会いただければ、本講座より会員扱いとさせて頂きます。下記応物ホームページより入会登録を行い、仮会員番号取得後、本講座に参加お申し込み下さい。入会決定後、年会費請求書をお送りいたします。本講座参加費と同時に振込しないで下さい。
http://www.jsap.or.jp/
**応用物理学会賛助会社の方は、応用物理学会会員扱いといたします。
***学生の場合、会員・非会員とも参加費は同額です。

受講者に望まれる計算機スキル

UNIXベースのラインコマンドでファイル操作等ができ、viあるいはemacsを用いてファイルの編集ができること。

定員

50名

参加申込方法

ここから参加登録して下さい。
参加登録完了後、下記銀行口座に参加費をご連絡いただいた期日までにお振込ください。原則として参加費の払い戻し,請求書の発行は致しません。
*領収書は当日受付にてお渡しいたします。

参加費振込先

三井住友銀行 本店営業部(本店も可)
普通預金 9474715
(社)応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
(シャ) オウヨウブツリガッカイハクマク・ヒョウメンブツリブンカカイ

参加申込締切

2008年11月18日(火)

内容問合せ先

森本章治(金沢大学)
TEL:076-234-4876
FAX:076-234-4870
E-mail:amorimot@ec.t.kanazawa-u.ac.jp

坂間 弘(上智大学)
TEL: 03-3238-3435
FAX: 03-3238-3341
E-mail:h-sakama@sophia.ac.jp

渡邉孝信(早稲田大学)
TEL&FAX: 03-5286-1621
E-mail:watanabe-t@waseda.jp

参加問合せ先

〒102-0073 東京都千代田区九段北 1-12-3
井門九段北ビル5F
応用物理学会 分科会担当  伊丹
TEL:03-3238-1043
FAX:03-3221-6245
E-mail:divisions@jsap.or.jp

講演詳細

講演題目

計算機実習のための説明とトレーニング

講師

渡邉孝信(早稲田大学理工学術院)

要旨

本基礎講座で使用する計算機環境ならびにUNIX端末の基本的な操作方法を説明する。

実習

計算機実習

講演題目

計算機ナノマテリアルデザインの基礎と応用物理へ成功事例:
デザイン・実証から権利化まで

講師

吉田博(大阪大学基礎工学研究科)

要旨

産業構造の変化とともに、次世代ナノエレクトロニクス材料、創エネルギー材料、環境調和材料、生体調和材料、安心安全保障材料、などの応用物理分野で不可欠となってくると計算機ナノマテリアルデザインと実証、および、それらを用いたマテリアルやデバイスの応用開発への成功事例をもとに、計算機ナノマテリアルデザインの基礎、応用、権利化に関する講義を実証例を基に行う。

実習

なし

講演題目

HiLAPWの使い方と応用事例

講師

小口多美夫(広島大学大学院先端物質科学研究科)

要旨

全電子フルポテンシャル線形補強平面波(FLAPW)法とこれに基づく第一原理計算コードHiLAPWに関して概説する。強誘電体材料や薄膜・表面系等への適用例を紹介し、応用分野での有用性を示す。実習では簡単な系に対する電子状態計算の基本を体験する。

実習

計算機実習

講演題目

グリーン関数法による量子シミュレーション・デザイン手法:
machikaneyamaによる量子シミュレーションの実際

講師

赤井久純(大阪大学大学院理学研究科)

要旨

Machikaneyamaはグリーン関数法を用いた量子シミュレータである。この量子シミュレータを用いることによって、普通の電子状態計算では取り扱いが難しい、不規則系や混晶、不純物系の電子状態をシミュレートしたり、電気伝導等の散乱問題を直接解いたりすることができる。

実習

計算機実習

講演題目

STATE-senriの使い方と応用事例: 触媒、燃料電池、有機分子エレクトロニクスへの応用

講師

森川良忠(大阪大学産業科学研究所)

要旨

STATE-senriの特徴と使い方について簡単に説明し、これらを用いた応用事例として排気ガス分解のナノ触媒機構とデザイン、燃料電池における水の電気分解ナノダイナミックス、および、有機分子エレクトロニクスへの応用について講義し、ソフトウェアの簡単な使い方の実習もおこなう。

実習

計算機実習

講演題目

Osakaの使い方と応用事例: 不純物制御への応用

講師

白井光雲(大阪大学産業科学研究所)

要旨

擬ポテンシャル法の基本的な使い方を説明する。同時に、物質合成プロセスに応用を意識して、有限温度、有限圧力への拡張を強調する。具体例として近年超伝導として話題となっている半導体への高ドーピング法を取り上げ、第一原理計算がいかに物質合成プロセスへ適用できるかを示す。

実習

計算機実習

講演題目

量子ダイナミクスシミュレーションNANIWAとその燃料電池開発への応用事例

講師

笠井秀明(大阪大学大学院 工学研究科 精密科学・応用物理学専攻)

要旨

水素等の軽元素では量子効果が著しく、それらが関与する反応においては、イオンコアの運動に対しても量子力学を適用する必要がある。NANIWAシリーズは、その量子反応シミュレーションを実行するコードである。ここでは、NANIWAの概要とこれを用いた固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発に関する講義を行う。原子スケールで進行する反応素過程の解析から、反応阻害要因の特定、反応活性を改善するデザインまでの一連の研究過程を紹介する。

実習

無し

講演題目

ABCAPを用いた熱起電力の計算

講師

浜田典昭(東京理科大学 理工学部 物理学科)

要旨

全電子FLAPW法バンド計算パッケージ(ABCAP)を用いて半導体のバンド構造を計算し、さらにボルツマン方程式に基づき熱起電力を評価する。熱起電力を高温で大きく保つためにはある程度のバンドギャップと大きなキャリア密度が必要となる。実習を通して、このことを実感する。

実習

計算機実習

更新:2008/1/1