ポスター講演プログラム
P-1 | アルミニウム・窒素コドーピングを用いた昇華法によるp型4H-SiC結晶成長の多形安定性 Polytype of p-type SiC crystals grown by the physical vapor transport method with using aluminum and nitrogen co-doping |
江藤数馬1、周防 裕政1,2、加藤智久1、奥村 元1 (1産業技術総合研究所、2昭和電工株式会社、) | |
我々は昇華法での高濃度p型4H-SiC結晶成長がAlとNのコドーピング成長によって可能であることを前回に報告したが、大口径での 低抵抗p型4H-SiC結晶成長ではファセット内外での多形安定性の違いも考慮した成長条件の検討が必要である。それら多形安定化に関する成長条件および 結晶の品質について議論する。 |
P-2 | 高温ガス成長法によるSiC単結晶形状の制御 Control of Shapes of SiC Crystals in High-temperature Gas Source Method |
神田 貴裕1、牧野 英美1、杉山 尚宏1、徳田 雄一郎1、久野 裕也1、小島 淳1、星乃 紀博2、鎌田 功穂2、土田 秀一2 (1株式会社 デンソー、2一般財団法人 電力中央研究所) | |
高温ガス成長法によるSiC単結晶成長の結晶形状制御は、結晶製造のコスト、品質の両面から重要な課題である。 今回、結晶成長条件に対する結晶成長速度(成長結晶の形状)の関係を検討した。 その結果、同一分圧下でのガス流速による成長速度の変化や、結晶周辺の温度環境による結晶形状変化を明らかにした。 |
P-3 | 4H-SiC へのCr、Ni の固溶と拡散 Solubility and Diffusivity of Cr and Ni in 4H-SiC |
旦野克典1、齋藤信1、関章憲1、佐藤和明1、斎藤広明1、別所毅1、木本恒暢2 (1.トヨタ自動車株式会社、2.京都大学) | |
P-4 | SiおよびSi-Cr溶媒と炭素の反応および炭素溶解度測定 Measurement of Carbon Content and Reaction between Carbon and Si or Si-Cr Solvent |
玄 光龍1、高橋 大1、太子 敏則1,2、小林 聡3、小松 豊3、手嶋 勝弥1,2 (1信州大工、2信州大環エネ研、3長野県工業技術総合センター) | |
溶液法による高品質のSiC結晶成長は可能であるが、炭素溶解度が低いため、成長速度が遅い。各溶媒における炭素溶解度に関しては、 CALPHAD法による計算の報告はあるが、実測値の報告は少ない。本研究では、溶媒とるつぼに用いる炭素材との反応の検討、ならびに燃焼赤外吸収法によ る炭素溶解度の実測を目的とした。 |
P-5 | Cr溶媒を用いたSiC溶液成長における成長表面とポリタイプ Surface morphology and polytype for SiC grown from Cr solvent |
鈴木皓己1、太子敏則1,2 (1信州大学大学院理工学系研究科、2信州大学環境・エネルギー材料科学研究所) | |
我々はこれまでに、Siを含まないCrのみを溶媒としたSiC溶液成長を検討してきた。これまでに、結晶育成が可能であることや、成長温度や溶液の液面高さが成長結晶に与える影響を報告している。今回は、温度勾配の変化による育成結晶への影響を検討し、報告する。 |
P-6 | SiC溶液成長法における坩堝からの炭素溶解速度の検討 Dissolution rate of carbon in solution growth of SiC |
高橋大1、鈴木皓己1、玄光龍1、小林聡2、太子敏則1 (1信州大学、2長野県工業技術センター) | |
SiC溶液成長法において、炭素の溶解速度はSiCの結晶成長速度に左右するだけでなく、溶液内の炭素濃度が飽和に達する時間の推定や 溶液内の炭素濃度分布など、高品質な結晶成長を目指すうえで重要なパラメータとなる。本研究では、報告事例のない坩堝からの炭素溶解速度の導出を試み、温 度との関係について検討した。 |
P-7 | 4H-SiC {1-10m}面を用いた溶液成長における成長面平坦性 Morphological stability in solution growth of 4H-SiC on {1-10m} surfaces |
三谷武志、塚田恭平、小松直佳、林雄一郎、加藤智久、奥村元 (産業技術総合研究所) | |
4H-SiC溶液成長に関し、種々の結晶方位に対する成長面平坦性について評価した。{000-1}面及び{1-10m}(m≦2)面 成長では平坦な成長面を得やすいが、{1-10m}(m≧4)面成長では(000-1)と(1-102)面によって成長面が再構成され、凹凸の激しい荒れ た面になることが分かった。 |
P-8 | SiC溶液成長における融液の坩堝への濡れ性を考慮した数値解析 Numerical analysis considering the wettability between of the crucible and the melt in solution growth of SiC |
沓掛穂高1、土本直道1、高橋大1、鈴木皓己1、玄光龍1、太子敏則1,2 (1信州大学工学部、2信州大学環境・エネルギー材料科学研究所) | |
TSSG法によるSiC単結晶育成では多くの数値解析の報告がなされているが、溶液表面の形状は結晶成長部のメニスカス形成のみに留 まっている物が多く、坩堝との濡れを考慮した解析結果は少ない。より正確な解析を行うため、溶液と坩堝との濡れを考慮した数値解析を行い、実際の結晶育成 との比較、検討を行った。 |
P-9 | 溶液成長法二段階成長によるSiC結晶内の欠陥密度の低減 Reduction of dislocations in SiC crystal by two-step solution growth method |
▲村山健太1、堀司紗2、原田俊太1,2、田川美穂1,2、宇治原徹1,2 (1名古屋大学未来材料・システム研究所未来エレクトロニクス集積研究センター、2名古屋大学大学院工学研究科) | |
溶液法においてはSi面成長ではマクロステップの進展による欠陥変換により貫通転位密度の低減が可能だが安定成長が難しい。C面成長で は貫通転位の変換は生じにくいが安定成長が可能である。本研究では双方の利点を組み合わせたSiC溶液成長法二段階成長により全ての転位密度の低減に成功 した。 |
P-10 | SiC溶液成長においてルツボ口径が多結晶析出に及ぼす影響 Effect of crucible diameter on the precipitation of polycrystalline SiC during SiC solution growth |
岡島鎮記1、村井良多1、村山健太2、原田俊太1,2、田川美穂1,2、宇治原徹1,2 (1名古屋大学大学院工学研究科、2名古屋大学 未来材料・システム研究所) | |
SiC溶液成長において、異なる口径のルツボを用いて成長を行った結果、ルツボ口径を小さくすると、成長速度が増加しシード軸における 多結晶SiCの形成が抑制された。シミュレーションと比較すると、ルツボ口径を小さくすると、溶液内の温度差を小さくなり、その結果、多結晶の形成が抑制 されたと考えられる。 |
P-11 | SiC溶液成長法を用いた転位フリー加工基板上への選択成長と接合機能 4H-SiC solution epitaxial growth on dislocation-free mesa-structures |
▲樋口雅之、渡辺諒、芦田晃嗣、久津間保徳、金子忠昭 (関西学院 理工学研究科) | |
4H-SiC溶液成長における二次元核発生時の4H多形の安定性および横方向成長による接合過程での結晶欠陥発生の有無ついて知見を得 るため、対流などの成長不安定性を抑制可能な薄いSi溶媒層(150μm厚)を用いる準安定溶媒エピタキシャル法を用いて、転位や潜傷を除去した凸加工基 板への選択成長を行った。 |
P-12 | 溶液内温度分布制御により多結晶付着抑制した溶液法n型4H-SiC成長 Suppression of the adhesion of polycrystalline grains in solution growth of n-type 4H-SiC |
林雄一郎1,2、三谷武志1、加藤智久1、小松直佳1、堂本千秋2 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2京セラ株式会社) | |
溶液法による4H-SiC単結晶成長において、溶液内での多結晶核の発生および結晶成長面への付着を回避する方法を探るために、溶液内 温度分布に着目して実験を行った。溶液内温度分布を制御することで多結晶核の発生状況が変化し、成長結晶に多結晶核が付着せず単結晶成長が可能となる条件 を見出した。 |
P-13 | EFG法による柱状β-Ga2O3結晶成長 Columnar-shaped β-Ga2O3 Crystal Growth by Edge-difined, Film-fed Growth Technique |
田中天童1、長岡美津也1、干川圭吾2 (1日新技研(株)、2信州大学) | |
我々は、EFG法結晶育成装置の開発およびそれによるβ-Ga2O3結晶育成条件等を検討している。本発表では、HF加熱法、Irるつぼ・ダイを適用して、CO2ガス雰囲気炉中で、円柱状β-Ga2O3結晶成長を行ったので紹介する。 |
P-14 | 育成方法が異なるβ-Ga2O3単結晶の光吸収および電気的特性の比較 Comparison of optical absorption and carrier concentration for β-Ga2O3 single crystals grown by three different techniques |
中村貴浩、太子敏則、干川圭吾 (信州大学) | |
P-15 | 垂直ブリッジマン法β-Ga2O3単結晶の成長と特性 Growth and Characterization of β-Ga2O3 Crystals Grown by VB Technique |
干川圭吾1、大葉悦子2、小林拓実2、加渡幹尚3 (信州大学(1)、不二越機械工業(株)(2)、トヨタ自動車(株)(3)) | |
大気中で、Pt-Rh合金るつぼを用いて,垂直ブリッジマン(VB)法による結晶育成技術を提案・開発し,新規方法による結晶成長および成長結晶の特徴,直径1-inch β-Ga2O3結晶基板の結晶性および半導体特性を紹介する。 |
P-16 | バッファ層最適化による4H炭化珪素エピタキシャルウエハのキャロット欠陥低減 Investigation of Carrot Reduction Effect on 4H- Silicon Carbide Epitaxial Wafers with Optimized Buffer Layer |
馬渕雄一郎、 増田竜也、 武藤大祐、 百瀬賢治、 大澤弘 (昭和電工株式会社) | |
キャロット欠陥は基板の転位に起因する表面欠陥であり、MOSFETでキラーになることが懸念されている。基板の改善により、転位数は 減少傾向にあるが、チップの大面積化が進んでいるため、さらなる欠陥低減が必要である。本研究では成長開始時のバッファ層成長条件を最適化することで、 キャロット欠陥低減に成功した。 |
P-17 | 基板カーボンインクリュージョン起因によるエピ表面欠陥の評価と改善 Evaluation and reduction of epitaxial wafer defects resulting from carbon-inclusion defects in 4H-SiC substrate |
▲郭 玲、亀井 宏二、百瀬 賢治、大澤 弘 (昭和電工株式会社) | |
4H-SiC基板にはカーボンインクリュージョンが存在し、形状とサイズは様々ある。それらは共焦点顕微鏡で観察できるため、マイクロパイプと区別することができる。本研究では、基板カーボンインクリュージョンを起因としたエピ表面欠陥についての調査結果を報告する。 |
P-18 | 4H-SiC厚膜エピタキシャル層の改善 Improvement of Quality of Thick 4H-SiC Epilayers |
宮坂 晶1,2、児島一聡1、百瀬賢治2、大澤 弘2、奥村 元1 (1産業技術総合研究所、2昭和電工株式会社) | |
20 kV級の超高耐圧デバイスには250 μm程度の高品質な厚膜エピタキシャル層が求められる。今回その品質改善として、ウェハ外周での成長速度を制御することにより外周成長異常抑制を実現した。また深さ方向のキャリア濃度分布について、表面粗さ変化の影響およびN2ドープ条件下メモリー効果の影響を確認した。 |
P-19 | 13 kV SiC JBSダイオード向け高品質エピタキシャル厚膜 High-Grade 4H-SiC Epitaxial Thick Film for 13-kV SiC-JBS Diodes |
北井秀憲1、原島正幸2、佐野志生2、穂積康雄1、塩見弘1、古米正樹3、福田憲司1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2東京エレクトロン株式会社、3住友電気工業株式会社) | |
耐圧が10 kV以上のデバイスを高い歩留りで製作するためには、ドリフト層の厚膜化によって拡大化する三角欠陥を低減する必要がある。そこで、エピ欠陥密度を低減し た高品質エピウエハを開発し、13 kV SiC-JBSダイオードを製作した結果、耐圧歩留りは74%と高い歩留りであった。 |
P-20 | ガス法による高速4H-SiC結晶成長における高密度窒素、アルミニウムドーピング High Nitrogen- and Aluminum-doping during Fast Crystal Growth of 4H-SiC by Gas Source Method |
星乃 紀博1、鎌田 功穂1、徳田 雄一郎2,3、杉山 尚宏2,3、小島 淳3、土田 秀一1 (1一般財団法人 電力中央研究所、2国立研究開発法人 産業技術総合研究所、3株式会社 デンソー) | |
ガス法による高速成長において、低い抵抗率を有するn、p型結晶を得ることを目的として、結晶成長条件とN、Al密度の関係を調べた。 n型結晶では、N密度とC/Si比、成長速度の関係を明らかにした。p型結晶では、成長速度とドーパントガス分圧の関係を明らかにし、2 mm/h以上の高速成長で高いAl密度を得た。 |
P-21 | 高耐圧バイポーラデバイス向け高品質100/150 mm p型4H-SiCエピタキシャルウェハの開発 High-Quality 100/150 mm p-type 4H-SiC Epitaxial Wafer for High-voltage Bipolar Devices |
石橋直人1、深田啓介1、坂東章1、百瀬賢治1、大澤弘1 (1昭和電工株式会社) | |
P-22 | 厚膜低ドーピング濃度(> 100 μm, < 4×1014 cm-3)4H-SiCエピタキシャル膜の深さ方向ドーピング濃度プロファイル Depth Profile of Doping Concentration in Thick (> 100 μm) and Low-Doped (< 4×1014 cm-3) 4H-SiC Epilayers |
深田 啓介、石橋 直人、宮坂 佳彦、坂東 章、百瀬 賢治、大澤 弘 (昭和電工株式会社) | |
厚膜(> 100 μm)、低ドーピング濃度の4H-SiCエピに関する報告はいくつか成されているが、深さ方向ドーピング濃度分布に関する議論は十分でなかった。我々は ドーピング濃度の深さ方向分布について調査し、濃度変化の要因を排除することで、深さ方向でドーピング濃度が均一な厚膜エピを実現することができた。 |
P-23 | C面成長NドープSiC 成膜のための数値解析 Numerical analysis of N incorporation in chemical vapor deposition of C-face SiC |
浅水啓州1,2、西尾譲司2,3、升本恵子2、櫛部光弘2,3、児島一聡2 (1ローム(株)、2国立研究開発法人産業技術総合研究所、3(株)東芝) | |
パワーデバイス用SiCのエピ成長におけるドーピング制御は重要であるが、成長装置内で発生する物理現象の正確な把握は困難であり、成 長条件や装置設計の最適化に際し数値解析が担う役割は大きい。本研究ではC面SiCエピ成長における窒素ドーピングの実験結果について、数値解析による再 現を試みたので報告する |
P-24 | ソフトプラズマにより室温で形成される非晶質炭化珪素薄膜の成膜速度と三フッ化塩素耐腐食性 Deposition Rate and Anti-Corrosion of Amorphous SiC Film Formed at Room Temperature under Soft Plasma |
田中茉莉亜、マイホンミン、塩田耕平、羽深等 (横国大院工) | |
P-25 | Si(110)上3C-SiC(111)薄膜の結晶方位回転成長機構と最適化 Mechanism and Optimization of Crystallographically Rotated Growth of 3C-SiC(111) on Si(110) |
▲高橋謙介1、横山大1、Sergey N. Filimonov2、長澤弘幸1、吹留博一1、末光眞希1 (1東北大通研、2トムスク大学) | |
ガスソースMBE法を用いてSi(110)基板上に結晶方位の回転した3C-SiC(111)面を成長させることで,結晶歪の抑制され たSiC薄膜が形成可能である。バッファ層とSiCエピ層それぞれの形成条件を分離して回転エピ成長機構を解明すると共に、これらの最適化により高品質 3C-SiC薄膜の成長を行った. |
P-26 | トレンチ埋戻しエピ成長によるSiCスーパージャンクション(SJ)デバイスの開発 Development of SiC super-junction (SJ) devices by trench-filling epitaxial growth |
小杉亮治1、紀世陽1、望月和浩1、纐纈英典1、児島一聡1、米澤善幸1、奥村元1 (1産業技術総合研究所) | |
4°off(0001)4H-SiC基板を用いた埋戻しエピ成長において、トレンチ方向とステップフロー方向の角度ずれがメサトップ上 成長膜の傾斜角度に及ぼす影響を調査し、両者の線形関係を確認した。成長条件の最適化に加え、トレンチ方向ずれを小さくすることでボイドのない25um深 さの埋戻しエピ成長に成功した。 |
P-27 | HClガス添加HW-CVD法による高アスペクト比深い4H-SiCトレンチの埋め戻し成長 Filling high aspect ratio 4H-SiC deep trenches by hot-wall CVD with the addition of hydrogen chloride gas |
紀 世陽、小杉 亮治、児島 一聡、纐纈 英典、望月 和浩、 長田 晃代、齊藤 新吾、松川 康子、米澤 喜幸、吉田 貞史、奥村 元 (特定国立研究開発法人 産業技術総合研究所) | |
4H-SiC trenches deeper than 20 μm in the highest AR~10 thus far, were successfully filled at ~4 μm/h. |
P-28 | φ150mm 4H-SiC埋め込みエピ層の均一p型Alドーピング Uniform p-type Doping φ150mm 4H-SiC Selective Embedded Epitaxial Growth Technology |
藤林裕明、原一都、竹内有一 (株式会社デンソー) | |
トレンチ埋め込みエピ成長によるSiCデバイスを実現するためのエピ成長技術の開発を実施した。高温成長、HCl添加成長、及びウエハ 高速回転(1000rpm)を用いることで、φ150mmトレンチ付ウエハへの高速かつ均一なp型キャリア濃度の埋め込みエピ成長を実現した。 |
P-29 | 高温ガス法による高速4H-SiC成長結晶のX線トポグラフィ解析 X-ray Topography Analysis of Fast 4H-SiC Crystal Growth using a High-Temperature Gas Source Method |
鎌田 功穂1、星乃 紀博1、徳田 雄一郎2,3、牧野 英美3、杉山 尚宏2,3、神田 貴裕3、小島 淳3、土田 秀一1 (1一般財団法人 電力中央研究所、2国立研究開発法人 産業技術総合研究所、3株式会社 デンソー) | |
高温ガス法を用いて高速成長させた4H-SiC結晶の品質を光学顕微鏡と放射光トポグラフィを用いて調査した。 |
P-30 | Si(111)基板上に歪層超格子を介して成長したGaN薄膜内の転位構造 Dislocation structures in GaN film grown on Si(111) substrate with strained layer superlattice |
菅原義弘1、石川由加里1、三好実人2、江川孝志2 (1一般財団法人ファインセラミックスセンター、2名古屋工業大学) | |
Si基板上に歪層超格子を介して成長したGaN薄膜内の転位密度は、膜厚の増加に伴って約1/5に減少する。これらの転位は、混合転位 および刃状転位であり、純粋ならせん転位は検出されなかった。また、2本の混合転位の部分的な対消滅を伴う転位反応が観察された。これは、転位減少メカニ ズムの一つであると考えられる。 |
P-31 | ウェハ研削起因の加工変質層:微細構造と局所歪み分布の相関 Microstructure and local strain distribution of grinding-induced damage layers in SiC wafer |
着本 享1,2、伊勢立彦1,3、丸山玄太2、橋本 哲2、櫻田委大2、先崎純寿1、加藤智久1、児島一聡1、奥村 元1 (1産業技術総合研究所、2JFEテクノリサーチ株式会社、3旭ダイヤモンド工業株式会社) | |
ウェハ加工で導入される加工変質層の評価は高品位エピウェハ作製にとって重要である. 本報告では電子後方散乱回折法と透過電子顕微鏡法を駆使して, 平面研削加工によって形成される加工変質層の微細構造(欠陥構造)や歪み分布を解析し, サブミクロンスケールで加工変質層の構造やその形成機構について明らかにする. |
P-32 | 多方向走査透過電子顕微鏡法を用いた貫通混合転位の三次元転位解析 Three dimensional dislocation analysis of threading mixed dislocation using multi directional scanning transmission electron microscopy |
佐藤高広1、鈴木裕也1、伊藤寛征1、一色俊之2、中村邦康1 (1株式会社日立ハイテクノロジーズ、2京都工芸繊維大学) | |
我々は、多方向走査透過電子顕微鏡(MD-STEM)を用いた4H-SiC転位解析法を開発し、基底面転位や転位変換部の直交する二方 向のSTEM解析を実施した。今回、同一転位を直交する三方向から観察する手法を開発し、貫通混合転位の解析に適用することでバーガースおよび転位ベクト ルを決定した。 |
P-33 | 4H-SiCにおけるらせん転位と混合転位の観察:等価な11-28面からの回折による放射光X線トポグラフィとエッチピット法の比較 c+a mixed-type dislocations and 1c screw dislocations in 4H-SiC observed by X-ray topography taken with six equivalent 11-28 reflections and chemical etching method |
姚永昭1、石川由加里1、菅原義弘1、高橋由美子2、平野馨一2 (1ファインセラミックスセンター(JFCC)、2高エネルギー加速器研究機構(KEK)) | |
本研究では、らせんと混合転位との識別に着目し、6つの等価な11-28面回折によるXRT及びエッチピット法でSiC転位評価を行っ た。NaOH蒸気エッチング或いはKOH+Na2O2エッチングで形成されたエッチピットの形状から、TSD/TMDを判別する可能性を検討した。 |
P-34 | 透過X線トポグラフィーにおけるSiC転位イメージの違い Difference of SiC dislocation images observed by transmission X-ray topography |
石地耕太朗1、川戸清爾1、平井康晴1、長町信治2 (1九州シンクロトロン光研究センター、2(株)長町サイエンスラボ) | |
SiC結晶中の転位をイメージとして観察するのにX線トポグラフィーは有効である。今回、SiC試料を薄くし、透過X線トポグラフィー で12の異なる回折条件で観察したところ、特徴的な転位イメージが得られた。本発表では、12枚の透過X線トポグラフの転位イメージを示し、それらから分 かる転位構造について述べる。 |
P-35 | 偏光顕微鏡を用いた複屈折観察による半導体単結晶基板の結晶転位の評価 Detection of crystalline dislocations of semiconductor single crystal substrate by birefringent image of optical polarization microscopy |
竹中研介1、加藤智久2、水谷誠二3、松永達也2、武井 学1、米澤喜幸2、奥村 元2 (1富士電機株式会社、2国立研究開発法人産業技術総合研究所、3有限会社ビジョンサイテック) | |
半導体単結晶基板に含まれる結晶転位は、パワー半導体デバイスのキラー欠陥となる可能性があるため、様々な評価方法が検討されている。 より簡便かつ非破壊での検査方法として、光源の光の拡散性を制御することで高感度とした偏光顕微鏡を用いた複屈折観察による評価を検討した結果を報告す る。 |
P-36 | 分子動力学法によるSiC欠陥構造の温度依存性解析 Molecular dynamics study on the temperature dependence of defect structure in SiC |
西村憲治1、三宅晃司1、山本勇一2、齋藤賢一2 (1産業技術総合研究所、2関西大学) | |
P-37 | 高密度窒素ドープ4H-SiC中のダブルショックレー型積層欠陥拡大に伴うSiコア部分転位の運動速度の評価 Evaluation of Glide Velocity of Si-core Partials for Expansion of Double Shockley Stacking Fault in Heavily-nitrogen-doped 4H-SiC |
▲徳田雄一郎1,2,3、鎌田功穂4、山下任1,5、内城貴則1,6、宮澤哲哉4、星乃紀博4、加藤智久1、奥村元1、木本恒暢3、土田秀一4 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2株式会社デンソー、3京都大学大学院、4一般財団法人電力中央研究所、5昭和電工株式会社、6株式会社東レリサーチセンター) | |
高密度窒素ドープ4H-SiC中のダブルショックレー型積層欠陥(DSF)の動的挙動を評価した。高密度ドープエピ膜に対し熱処理を行 い、生成したDSFの構造を放射光トポ等により同定した。更にフォトルミネッセンス(PL)でのイメージング測定により熱処理前後の変化を観察し、転位速 度を評価した。 |
P-38 | 透過電子顕微鏡による窒素添加SiC積層欠陥の高温その場観察 In situ transmission electron microscope observation of stacking faults in N-doped SiC at high temperature |
陳鵬磊1、原田俊太1,2、荒井重勇2、藤榮文博1、肖世玉1、加藤智久3、田川美穂1,2、宇治原徹1,2 (1名古屋大学大学院 工学研究科、2名古屋大学 未来材料・システム研究所、3産業技術総合研究所先進パワーエレクトロニクス研究センター) | |
溶液法により高濃度に窒素をドーピングした4H-SiCを成長し、透過電子顕微鏡法により観察を行ったところ、結晶中にはDouble Shockley型の積層欠陥が形成していた。この結晶を透過電子顕微鏡中で1000℃まで昇温し高温その場観察を行った。 |
P-39 | 窒素ドープ、窒素・ボロンコドープされたn型4H-SiCにおけるダブルショックレー型積層欠陥の拡大速度 Expansion velocity of double Shockley type stacking faults in highly nitrogen doped and nitrogen-boron co-doped n-type 4H-SiC crystals |
▲周防裕政1,2、江藤数馬1、伊勢立彦1,3、徳田雄一郎1,4、大澤弘2、土田秀一5、加藤智久1、奥村元1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、つくば市小野川16-1、2昭和電工株式会社、滋賀県彦根市清崎町60番地、3旭ダイヤモンド工業株式会社、千葉県市原市田尾787番地、4株式会社デンソー、愛知県日進市米野木町南山500-1、5一般財団法人電力中央研究所、神奈川県横須賀市長坂2-6-1) | |
高窒素濃度の低抵抗n型4H-SiC結晶では、結晶成長中に積層欠陥が発生することがある。われわれはアクセプターとドナーのコドーピ ングでこの積層欠陥が抑制できることを報告した。本研究では窒素ドープ結晶とN-Bコドープ結晶の表面に意図的に導入した積層欠陥のアニール処理時におけ る拡大速度について報告する。 |
P-40 | A面n型4H-SiC エピタキシャル層中の基底面転位の電子線励起により発生した積層欠陥の構造解析 Structural Analysis of the stacking fault formed with the expansion of basal plane dislocation by the electron beam excitation in A-face n-type 4H-SiC epitaxial layer |
須藤 正喜1、姚 永昭2、菅原 義弘2、石川 由加里1、2、加藤 正史1 (1.名古屋工業大学、2.ファインセラミックスセンター) | |
SiCバイポーラデバイスにおける基底面転位の拡張とそれにともなうデバイスへの影響が指摘されている。本研究では(11-20)A面の4H-SiCにおいて電子線誘起電流法、カソードルミネッセンス測定を行い透過型電子顕微鏡により拡張した積層欠陥の構造解析を行った。 |
P-41 | 窒素添加した4H-SiCにおける積層欠陥拡張・収縮挙動の高温その場観察 In situ observation of stacking fault expansion and contraction in nitrogen-doped 4H-SiC |
▲藤榮文博1、原田俊太1,2、村山健太2、花田賢志2、陳鵬磊1、田川美穂1,2、加藤智久3、宇治原徹1,2 (1名古屋大学大学院工学研究科、2名古屋大学 未来材料・システム研究所、3産業技術総合研究所先進パワーエレクトロニクス研究センター) | |
我々は、高温環境下においてX線トポグラフィー測定を可能にするシステムを構築し、窒素添加した4H-SiCにおける、高温環境下での積層欠陥挙動をその場観察した。その結果、保持温度を変化させることによって積層欠陥が拡張・収縮する様子が観察された。 |
P-42 | ミラー電子顕微鏡による積層欠陥コントラスト観察 Observation of contrasts due to stacking faults in 4H-SiC wafer by mirror projection electron microscopy |
一色俊之1、長谷川正樹2、宮木充史2、佐藤高広2、伊與木誠人2、山岡武博2 (1京都工芸繊維大学、2(株)日立ハイテクノロジーズ) | |
RAF法で成長した4H-SiCバルク基板中の積層欠陥をミラー電子顕微鏡(MPJ)で観察し,低エネルギー(LE)SEM,SPM観 察像と対比した。積層欠陥に蓄積された電荷によるMPJ コントラストは,積層欠陥の構造に応じて異なり,MPJ 観察による積層欠陥の構造及び電気特性評価の可能性が示された。 |
P-43 | 低濃度ドープ4H-SiCエピタキシャル膜中に形成された ダブルショックレー型積層欠陥の起点の構造解析 Origin analysis of double Shockley-type stacking-faults formed on lightly-doped 4H-SiC epitaxial wafers |
山下任1,2、内城貴則1,3、百瀬賢治1,2、大澤弘1,2、先崎純寿1、児島一聡1、加藤智久1、奥村元1 (1(国)産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター、2昭和電工(株)、3(株)東レリサーチセンター) | |
我々は、市販の低濃度(1E16/cm3)ドープ4H-SiCエピタキシャル膜中にダブルショックレー型積層欠陥(2SSFs)が形成されている場合があることを確認したので、これらの2SSFsについて起点の構造解析を行った。 |
P-44 | エピ層内のBPD拡張による順方向特性劣化への寄与 Contribution of voltage forward degradation due to basal plane dislocations in epitaxial layer |
西原禎孝、亀井宏二、百瀬賢治、大澤弘 (昭和電工株式会社) | |
今後の需要拡大が見込まれるSiC MOSFETだが、ボディダイオードへの順方向通電時に、欠陥の拡張によって特性劣化が生じることから、これまでその現象の理解と抑制手段が検討されてき た。今回、この特性劣化とエピ層内の基底面転位の関係性を詳細に調査し、拡張した欠陥による抵抗について検討した結果を報告する。 |
P-45 | SiCバイポーラデバイスにおける紫外線照射によるエピ膜中の積層欠陥の拡張・縮小現象 Expansion and Contraction of Stacking Faults in SiC Epitaxial Layer under Ultraviolet Irradiation for Bipolar Devices |
▲田中貴規1、塩見弘1、川畑直之2、米澤善幸1、加藤智久1、奥村元1 (1国立研究開発法人 産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター、2三菱電機株式会社 先端技術総合研究所) | |
バイポーラデバイスの劣化に寄与するエピ膜中の積層欠陥(SF)に対して、紫外線(UV)照射が与える影響を調査した。UV照射におい ても、通電時と同様にSFが拡張することが確認でき、高温時の微弱UV照射によって、SFが縮小することも明らかにした。更に、SFの拡張・縮小現象と照 射強度、温度の関係をまとめた。 |
P-46 | 4H-SiC PiNダイオードにおける通電ストレス誘起積層欠陥の起点解析 Analysis of starting point of stacking faults induced by current stress in 4H-SiC PiN diodes |
林 将平1,2、内城 貴則1,2、山下 任1,3、宮里 真樹1,4、呂 民雅1,4、宮島 將昭1,4、先崎 純寿1、米澤 喜幸1、児島 一聡1、加藤 智久1、奥村 元1 (1国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2株式会社東レリサーチセンター、3昭和電工株式会社、4富士電機株式会社) | |
4H-SiCバイポーラデバイス順方向通電時において、エピタキシャルウェハ内の基底面転位を起源とした積層欠陥の拡張により順方向電 圧上昇を引き起こす。本研究では、通電試験により形成された積層欠陥の拡張起点付近の透過型電子顕微鏡観察を実施し、その通電劣化要因について検討した。 |
P-47 | 4H-SiC PiN diodeにおける積層欠陥の拡張/縮小現象に温度・電流密度が及ぼす影響 Temperature and Current Density Dependence on Expansion / Contraction of Stacking Faults in 4H-SiC PiN diodes |
岡田葵1、太田千春1、西尾譲司1、牛流章弘1、宮里真樹2,3、呂民雅2,3、俵武志2,3、四戸孝1、宮島將昭2,3、加藤智久3、米澤喜幸3、奥村元3 (1株式会社東芝 研究開発センター、2富士電機株式会社、3産業技術総合研究所) | |
4H-SiC PiN diodeにおける積層欠陥の拡張/縮小現象のメカニズム解明のため、積層欠陥の拡張/縮小現象に温度、電流密度が及ぼす効果を調べた。その結果、通電電 流密度を変えることで、積層欠陥は、縮小−停止−拡張の3種類の挙動を示し、高温ほど縮小から拡張に転じる電流密度が増加する傾向が見られた。 |
P-48 | 大電流パルス通電によるpnダイオード内の積層欠陥の拡張 Extension of stacking faults in 4H-SiC pn diodes under a high current pulse stress |
岩橋洋平1,2、宮里真樹1,3、宮島將昭1,3、米澤喜幸1、加藤智久1、藤原広和2、濱田公守2、大月章弘3、奥村元1 (1産業技術総合研究所、2トヨタ自動車(株)、3富士電機(株)) | |
大電流パルス通電による積層欠陥の拡張をその場観察により詳細に調べたところ、起点の異なる2種類の三角形の欠陥と帯状の欠陥の拡張が 観察された。それぞれの欠陥の拡張速度と活性化エネルギーを算出し、報告されているDC通電の場合と比較を行った。また、欠陥が電気特性に与える影響も調 べた。 |
P-49 | 異なる転位密度の基板上に形成されたMOSFET寄生ダイオードの順方向電圧の劣化 Degradation of parasitic PN diode Vf with different dislocation density substrate |
海老原康裕、上東秀幸 (株式会社デンソー) | |
MOSFETの内蔵ダイオードに通電すると、積層欠陥が拡張し順方向電圧(Vf)劣化を引き起こすことが知られている。今回、異なる転 位密度の基板を用いてMOSFETを作成し、Vfの劣化状況を比較した。その結果、転位密度の低い基板を用いたものは帯状に拡張する積層欠陥が少なく、劣 化も起きにくいことが分かった。 |
P-50 | アルミニウムと窒素をコドープしたp型4H-SiCの電気的特性評価 Characterization of Electrical Properties of Al-N Co-Doped p-Type 4H-SiC |
今村辰哉1、竹下明伸1、高野晃大1、奥田和也1、松浦秀治1、紀世陽2、江藤数馬2、児島一聡2、加藤智久2、吉田貞史2、奥村元2 (1大阪電気通信大学、2産総研) | |
SiCを用いたオン抵抗の低いIGBTの実用化のためには、基板での損失を低減するためにp型4H-SiCの低抵抗率化が必要不可欠で ある。その低抵抗化研究の一つとして、高濃度Alドープ4H-SiCに窒素をコドーピングしたp型4H-SiCの電気特性評価に関して報告する。 |
P-51 | p型4H-SiCにおけるHall散乱因子・正孔密度・正孔移動度の理論的検討 Theoretical Investigation of Hall Scattering Factor, Hole Density and Hole Mobility in p-type 4H-SiC |
▲田中 一、浅田 聡志、木本 恒暢、須田 淳 (京都大学工学研究科) | |
Hall効果測定で得られるキャリア密度・移動度は、Hall散乱因子の分だけ実際の値と異なっているため、その理解には散乱因子を考 慮した解析が重要である。本研究では価電子帯の異方性を考慮したp型4H-SiCにおける散乱因子・正孔密度・移動度の理論的解析を、幅広いアクセプタ密 度および温度範囲に対し行った。 |
P-52 | Hall測定による高濃度Alドープ4H-SiCの電気特性評価 Characterization of Electric Properties of Heavily Al-Doped 4H-SiC by Hall-Effect Measurements |
高野晃大1、竹下明伸1、今村辰哉1、奥田和也1、松浦秀治1、紀世陽2、江藤数馬2、児島一聡2、加藤智久2、吉田貞史2、奥村元2 (1大阪電気通信大学、2産総研、先進パワーエレクトロニクス研究センター) | |
高濃度Alドープ4H-SiCにおける伝導機構がAlドープ量や温度によってどのように変化するかは詳細には明らかになっていない。本研究では交流磁場を用いたAC磁場Hall効果測定を行い、室温以下での結果を中心に報告する。 |
P-53 | 高濃度Alドープ4H-SiCの伝導機構〜抵抗率のドープ量・温度依存性評価〜 Conduction Mechanisms in Heavily Al-Doped 4H-SiC Studied by the Measurements of Doping-Level and Temperature Dependencies of Resistivity |
▲竹下明伸1、今村辰哉1、高野晃大1、奥田和也1、松浦秀治1、紀世陽2、江藤数馬2、児島一聡2、加藤智久2、吉田貞史2、奥村元2 (1大阪電気通信大学、2産総研 先進パワーエレクトロニクス研究センター) | |
p型4H-SiCのさらなる低抵抗率化には、その伝導機構の詳細な理解が重要である。そのため高濃度Alドープ4H-SiCの抵抗率の温度やドープ量との関係性を評価することによって、その伝導機構の詳細を明らかにすることを目指した。 |
P-54 | 様々な処理を施した4H-SiCの表面再結合速度の温度依存性解析 Analysis of temperature dependence of surface recombination velocities for 4H-SiC treated by various processes |
小濱 公洋、加藤 正史、市村 正也 (名古屋工業大学) | |
SiCバイポーラデバイスにおいてキャリアライフタイムはデバイス特性を左右するパラメータであり、表面再結合速度Sはその制限因子で ある。従って高温環境における表面再結合速度の正確な評価が必要である。本研究では様々な表面処理を施した4H-SiCのSの温度依存性の解析を行った。 |
P-55 | 酸性水溶液による4H-SiC表面パッシベーション効果 Surface passivation for 4H-SiC by acidic aqueous solution |
▲市川義人1、市村正也1、木本恒暢2、加藤正史1 (1名古屋工業大学、2京都大学) | |
キャリアライフタイムはバイポーラデバイスの性能を左右する因子である。また表面再結合はキャリアライフタイムを制限する因子の一つで あるが、表面再結合に関する報告は少ない。本研究では水溶液との接触で表面状態を変化させた 4H-SiC に対してキャリアライフタイム測定を行った。 |
P-56 | Investigation of B-related Deep Levels in Intentionally B-doped 4H-SiC Epilayers |
楊 安麗1、宮澤哲哉1、俵 武志2,3、土田秀一1, (1電中研、〒240-0196 神奈川県横須賀市長坂2-6-1、2産総研、〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1、3富士電機、〒191-8502 東京都日野市富士町1番地) | |
ボロンドープした4H-SiCエピ膜を使用し、DLTS, MCTS, PLを用いて、ボロン密度と深い準位密度の関係を調べた結果を報告する。 |
P-57 | プロトンビームライティングによるSiC中へのシリコン空孔の形成 Creation of Silicon Vacancy in SiC by Proton Bean Writing |
▲本多 智也1,2、Kraus Hannes2,3、加田 渉4、小野田 忍2、春山 盛善2,4、佐藤 隆博2、江夏 昌志2、神谷 富裕2、川端 駿介4、三浦 健太4、花泉 修4、土方 泰斗1、大島 武2 (1埼玉大学、2量子科学技術研究開発機構、3Wurzburg大学、4群馬大学) | |
プロトンビームライティングにより4H-SiC基板中に、単一光子源として知られるシリコン空孔(VSi)を形成した。VSiからの発 光を観察したところ、VSiがビーム飛跡に沿って形成され、形成深さは計算値と良い一致を示すことがわかった。この結果は、SiC中のVSiを利用したデ バイスへの応用の道を見出した。 |
P-58 | キャリア寿命分布を決める構造要因の分析 Analysis of Cause of Carrier Lifetime Distribution in SiC |
森田直威、小坂賢一、鮫島純一郎、中川善嗣、吉川正信 ((株)東レリサーチセンター) | |
SiCエピタキシャル基板上に約50 nmの厚さの酸化膜を形成し、その形成条件による界面状況の違いを、μ-PCD法、PL法、水銀プローブC-V法を用いて評価した。キャリア寿命と、構造 欠陥、界面準位の一部に相関が見られることが確認されたため、各種定量的な比較を試みた。 |
P-59 | SiC標準試料を用いたLE-ECCI法の確立とSiC表面積層情報の定量評価 Quantitative characterization of stacking orientation under SiC surfaces using LE-ECCI |
▲芦田晃嗣、小出和典、堂島大地、 久津間保徳、 北畠真、 金子忠昭 (関西学院大学 理工学部) | |
低加速走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた新規SiC表面評価技術である低エネルギー電子線チャネリングコントラスト(LE- ECCI)法により、熱プロセス(熱エッチング・成長)条件や歪み分布(加工歪みや転位)に依存して4H-SiC表面に発現するステップ不安定性を評価し た。 |
P-60 | AFMを利用したSiC単結晶の極微小除去加工 Minimal small removal processing of the SiC single crystal by using AFM |
河田研治1、平野真也1、着本享1、芦田極2、加藤智久1 (1産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター、2産業技術総合研究所 製造技術研究部門) | |
P-61 | OPTIMによるパワーデバイスの詳細熱解析 Detailed thermal analysis of power devices with OPTIM |
遠藤幸一2、松本 徹1、中村共則1、越川一成1、則松研二2、瀬戸屋 孝2、中前幸治3 (1浜松ホトニクス株式会社、2株式会社東芝 ストレージ&デバイスソリューション社、3大阪大学 大学院情報科学研究科) | |
パワーデバイスの故障発生時は、溶融破壊してしまうことが多く原因を特定することが難しい。そのため、破壊前に異常動作、破壊起因を調 査する観測手法が求められている。今回、光学プローブで熱反射率マッピングを行うOPTIMをIGBTに適用し、高い空間分解能での温度変化を観測できた 事を報告する。 |
P-62 | 遊離砥粒加工でのSiCインゴットの高速切断にむけた基礎的研究 A basic study on high speed slicing of SiC ingots in the free abrasive machining |
植村奈保樹1,2、森田昌宏2、加藤智久1 (1 国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2株式会社 タカトリ) | |
SiCパワーデバイスを実現するための研究開発が進められている。現在もちいられている遊離砥粒方式のワイヤーソーでは、切断時間の長 さがコスト増の因子となっている。遊離砥粒方式での高速切断の可能性を検討するため、高速走行が可能なワイヤーソーを用いて評価した。その切断条件や使用 するワイヤーの違いで検討した。 |
P-63 | プラズマ発生領域制限マスクを用いたPCVM (Plasma Chemical Vaporization Machining) による2インチSiC基板のダイシング Dicing of SiC wafer by PCVM with a shadow mask |
▲井上 裕貴、田尻 光毅、佐野 泰久、松山 智至、山内 和人 (大阪大学大学院工学研究科精密科学・応用物理学専攻) | |
SiCパワーデバイス製造工程のひとつであるダイシング工程においてプラズマエッチング加工を用いることを検討している。ウエハの一括 処理を行う為に、より長い領域にプラズマを発生させることを目的とした。減圧することでプラズマを安定に生成可能になり、2インチウエハ直径に亘って加工 を行うことに成功した。 |
P-64 | 高品質薄板化4H-SiCエピウェハ作製に向けたSi蒸気圧エッチング法によるウェハ機械的強度及び表面均一性の改善 Improving mechanical strength and surface uniformity to prepare high quality thinned 4H-SiC epitaxial wafer using the Si-vapor etching method |
鳥見聡1、芦田晃嗣2、矢吹紀人1、篠原正人1、坂口卓也1、寺元陽次1、野上暁1、北畠真1、金子忠昭2 (1東洋炭素株式会社 東洋炭素生産技術センター、2関西学院大学) | |
加工ダメージフリーな4H-SiCウェハの表面平坦化と薄板化加工を両立させる新たな技術として熱化学エッチングであるSi蒸気圧エッ チングを採用した。本手法により加工ダメージを完全に除去した表面の押込み硬さは従来加工法よりも強度が高く、表面分子ステップ構造はH2エッチング後も 平滑に維持することを確認した。 |
P-65 | 窒素・アルミニウムコドーピング4H-SiCのビッカース圧子による機械的特性と機械加工 Mechanical property measured by Vickers indentation and mechanical property of nitrogen and aluminum co-doped 4H-SiC |
伊勢立彦1,2、平野真也1,3、周防裕政1,4、江藤数馬1、加藤智久1、奥村元1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2旭ダイヤモンド工業株式会社、3株式会社フジミインコーポレーテッド、4昭和電工株式会社) | |
P-66 | コドープn型4H-SiC基板のCMP加工特性 CMP characteristics of N-Al co-doped n-type 4H-SiC substrates |
平野真也1,2、周防裕政1,3、伊勢立彦1,4、着本享1,5、江藤数馬1、河田研治1、加藤智久1、奥村元1 (1国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2株式会社フジミインコーポレーテッド、3昭和電工株式会社、4旭ダイヤモンド工業株式会社、 5JFEテクノリサーチ株式会社) | |
結晶の低抵抗化に向け高濃度結晶のウェハ化開発を進めている。従来このような結晶の加工特性は未知であるうえ、特にCMPは化学作用と 機械作用のバランスが重要であるため、@面質悪化や能率低下、A中間加工のダメージの深化等が懸念となる。本稿では高濃度SiCウェハと市販SiCウェハ とのCMP加工特性を評価した。 |
P-67 | ニッケルを利用した触媒表面基準エッチング法 -触媒パッド表面の電気化学的制御- Catalyst referred etching with Ni catalyst – the electrochemical control of the catalyst pad surface – |
▲藤大雪、礒橋藍、 稲田辰昭、 中平雄太、 松山智、 佐野泰久、 山内和人 (大阪大学大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻) | |
触媒表面基準エッチング法では半導体基板表面の原子レベル平滑化が可能である.今までにNiが優れた触媒機能を有することが明らかにさ れてきたがNiは短時間で酸化され触媒機能が低下する問題があった.本研究では研磨パッドに電極金属を成膜し電気化学的制御によって活性なNiを電極上に 維持し,高能率加工を実現した. |
P-68 | SiC・GaN基板の高品質化を実現する革新的平坦化技術CARE法 An innovative planarization CARE technology for processing a high quality of the SiC and GaN substrate surfaces |
鈴木大介、鈴木英資、鈴木辰俊 (東邦エンジニアリング株式会社) | |
CMP法は研究開発がめざましく,高品質な平坦面を実現出来ている. しかし砥粒を用いるため,その凝集により基板内部に潜傷が発生する可能性がある. 国立大学法人大阪大学によって開発されたCARE法は砥粒を用いずに触媒面を基準として加工が可能で,潜傷を含めて無傷且つサブナノレベルの超平坦化が実現出来る. |
P-69 | 光電気化学反酸化を援用した触媒表面基準エッチング法によるGaN基板の高能率平坦化 High-efficiency planarization of GaN by catalyst-referred etching with photo-electrochemical oxidation |
▲稻田辰昭、礒橋藍、木田英香、藤大雪、中平雄太、松山智至、佐野泰久、山内和人 (大阪大学大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻) | |
P-70 | ClF3ガスによるSiCウエハのエッチング速度分布解析 Analysis of SiC wafer etching rate distribution using ClF3 gas |
倉島圭祐1、奥山将吾1、羽深等1、高橋至直2、加藤智久3 (1横国大院工、2関東電化、3産総研) | |
P-71 | 表面吸着活性種の輸送を用いたドライ平坦化法の開発 −炭化ケイ素基板の加工― Development of dry planarization method using a transport of active species – Processing of the silicon carbide substrate - |
▲宮 俊亘、 両粂 玲志、 佐野 泰久、 松山 智至、 山内 和人 (大阪大学大学院工学研究科精密科学・応用物理学専攻) | |
ダイヤモンドの高能率な加工法としてプラズマCVMが知られているが,この加工法では平坦化の作用はない.そこで我々は,プラズマを用 いて基準面に反応種を過配位させ,反応性のある基準面を試料表面まで輸送することで試料表面を平坦化する新しい加工法を提案しており,この加工法により SiC基板の平坦化を行った. |
P-72 | ClF3ガスによるSiCウエハのエッチング速度挙動 SiC wafer etchinng rate behavior using ClF3 gas |
奥山 将吾1、倉島圭祐1、中込健1、羽深等1、高橋至直2、加藤智久3 (1横国大院工、2関東電化、3産総研) | |
P-73 | 炭化珪素薄膜形成装置の三フッ化塩素ガスによるクリーニング方法開発-熱分解炭素被膜の三フッ化塩素ガス耐腐食性調査- Development of SiC Epitaxial Reactor Cleaning Process Using Chlorine Trifluoride Gas-Evaluation of Pyrolytic Carbon as Susceptor Coating Material- |
塩田耕平1、羽深等1、伊藤英樹2、三谷慎一2、高橋至直3 (1横国大院工、2ニューフレアテクノロジー、3関東電化工業) | |
P-74 | SiCトレンチにおける側面粗さ改善に対するSi雰囲気アニールの効果 The effect of Si vapor ambient anneal for SiC on improving the roughness of trench sidewall |
矢吹紀人1、鳥見聡1、野上暁1、北畠真1、金子忠昭2 (1東洋炭素株式会社 東洋炭素生産技術センター、2関西学院大学) | |
プレーナ型と比較して低オン抵抗化が可能なトレンチ型デバイスの開発が進められている。しかし、トレンチ側面荒れによる電子移動度低 下、トレンチ端部の鋭角部における電界集中による耐圧低下が問題となっている。本報告ではトレンチ側面荒れ改善と端部の形状改善に対するSi雰囲気アニー ル法の効果について報告する。 |
P-75 | ハライドCVDを用いたエピ層中へのSiC on Nothing(SON)構造の形成 Formation of SiC on Nothing structure in epitaxial layer using chloride based CVD |
河田泰之1,2、紀世陽1、纐纈英典1,3、小杉亮治1、武井学1,2、米澤喜幸1、奥村元1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2富士電機株式会社、3三菱電機株式会社) | |
SiCに深いトレンチを形成し、ハライドエピで埋め戻す検討の過程で、トレンチの幅、間隔、形成方向やエピ成長の条件により、エピ層中に平板状の空洞(SiC on Nothing構造)が形成出来ることを見出した。SONが形成される条件や形状について報告する。 |
P-76 | 誘導結合プラズマエッチングを用いた4H-SiC深掘トレンチの形成 Formation of 4H-SiC deep trench using inductively coupled plasma-RIE |
纐纈 英典1,2、河田 泰之1,3、藤澤 広幸1,3、望月 和浩1,4、紀 世陽1、小杉亮治1 (1産業技術総合研究所、(出向元:、2三菱電機(株)、3富士電機(株)、4(株)日立製作所)) | |
酸化膜をマスクにSF6/O2系のICP-RIEを用いてのSiCのトレンチを形成し肩選択比・エッチング速度・トレンチ間口幅のトレードオフ関係を調べた。 |
P-77 | 定電流条件下でのp型4H-SiCの電気化学エッチングのメカニズム Mechanism of Electrochemical Etching of p-type 4H-SiC under Constant Current Condition |
▲榎薗 太郎、木本 恒暢、須田 淳 (京都大学) | |
電気化学エッチングは、SiCが正孔により酸化され、酸化物が電解液に溶解することで進行する。定電流条件下では、酸化物の生成速度が その除去速度に比べ大きい場合、酸化物が表面に残留(被覆)し定電流源の出力電圧が上昇する。エッチング中に電流を遮断・再開し、出力電圧の変化からエッ チング過程の考察を行った。 |
P-78 | 大気圧熱プラズマジェットの磁場制御とSiCデバイス作製プロセスに向けた大面積熱処理への応用 Control of Thermal-Plasma-Jet Ejection Direction by Magnetic Field and Its Application to SiC Annealing |
寺本憲司1、花房宏明1、東清一郎1 (広島大学大学院先端物質科学研究科 量子半導体工学研究室) | |
本研究では、SiCの熱処理技術の開発に向け、簡単な構造により10000ºC以上の高温熱流が得られる熱処理技術 である大気圧熱プラズマジェット(TPJ)を用いた大面積熱処理技術の開発を目的に、磁場によるTPJの偏向制御性の調査及び回転ステージを用いた基板全 面加熱に取り組んだ。 |
P-79 | カーボン面成長SiCエピタキシャル膜のC注入ライフタイムエンハンスメント Carrier lifetime enhancement using carbon implantation in SiC epitaxial layer on C-face |
櫛部光弘1,2、西尾譲司1,2、四戸孝1,2、宮坂晶2、浅水啓州2,3、児島一聡2、原田信介2 (1株式会社東芝 研究開発センター、2国立研究開発法人産業技術研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター、3ローム株式会社) | |
高純度のカーボン面成長SiCエピタキシャル成長膜にカーボン注入によるキャリアライフタイムエンハンスメントを行った。注入後のアニール温度の適正化等により、室温でライフタイム10μs以上を得た。 |
P-80 | Alイオン注入したSiCデバイスの電気的特性 The electrical characteristics of Al ion implanted SiC device |
川野輪 仁、福島 康守、 吉田 謙一 (株式会社イオンテクノセンター) | |
我々はこれまでSiC半導体に対してAlイオン注入と高温アニール処理による活性化を行い、注入ドーズに対する適切な活性化温度等を評価してきた[1, 2]。これまでの研究成果に基づき、室温イオン注入と高温イオン注入を用いたデバイスを作製し、検証を行った。 |
P-81 | 自立基板上のn--GaN へのMgイオン注入によるp型層の形成 Formation of p-GaN layer by Mg Ion Implantation to n--GaN Epitaxial Layers on Free-Standing GaN Substrates |
▲HE Shang、曽根和詩、田中敦之、宇佐美茂佳、永松謙太郎、出来真斗、本田善央、天野浩 (名古屋大学工学研究科) | |
GaN系パワーデバイスにおいて、イオン注入によるp-GaN作製技術の構築が急務である。近年、転位密度が低いn型GaN基板上の n-GaN膜にMgイオン注入を行ってpn特性を観測したとの報告がある。本研究では、同様の方法で試料を作製し、光学的特性評価、電気的特性評価及びエ ミッション観察を行った。 |
P-82 | イオン注入ダメージを付加したSiC N+注入層の電気的特性評価 Hall effect measurement of SiC N+ implanted layer with the damage by another ion implantation |
吉田 謙一、川野輪 仁 (株式会社イオンテクノセンター) | |
P-83 | 熱イオン注入3C-SiCへのNb/Niシリサイドによるオーミックコンタクトの研究 Study of Nb/Ni silicide ohmic contacts on hot-implanted 3C-SiC |
永野耕平1、目黒達也1、Milantha De Silva1、牧野高紘2、大島武2、田中保宣3、黒木伸一郎1 (1広島大学 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所、2量子科学技術研究開発機構、 量子ビーム科学研究部門、 高崎量子応用研究所、3産業技術総合研究所、 先進パワーエレクトロニクス研究センター) | |
P-84 | Si層挿入によるn型4H-SiCにおけるオーミックコンタクト形成要因の調査 Surveys of The Factor of Formation of Ohmic Contact by Si Insertion Layer on the n-type 4H-SiC. |
谷口 太一1、花房 宏明1、東 清一郎1 (1広島大学大学院 先端物質科学研究科、739-8530 広島県東広島市鏡山 1-3-1.) | |
これまで、n型SiC基板上にPをドープしたアモルファスSi(a-Si)層を堆積し、結晶化熱処理後、Alを堆積したAl/n-Si /n-SiC構造でオーミック特性が得られる事を報告してきた。また、Si層を除去して作製したAl/n-SiC構造においてもオーミック特性が得られる ことがわかった。 |
P-85 | 4H-SiC p型領域へのNb/Ni及びNb/Tiシリサイド・オーミックコンタクトの研究 Study of Nb/Ni and Nb/Ti silicide ohmic contact electrodes on p-type of 4H-SiC |
▲梶原純1、瀬崎洋1,2、石川誠治1,2、前田知徳1,2、牧野高紘3、大島武3、黒木伸一郎1 (1広島大学 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所、2フェニテックセミコンダクター株式会社、3量子科学技術研究開発機構、 量子ビーム科学研究部門、 高崎量子応用研究所) | |
4H-SiCのn型領域へのオーミックコンタクト電極としてNiに加えて、炭素侵入型のNbを導入することにより低抵抗化がなされるこ とが報告されている。そこで、本研究ではNb/Ni積層構造、NbNi混合構造およびNb/Ti積層構造による4H-SiCのp型領域への電極を形成・評 価を行ったので報告する。 |
P-86 | 助触媒の利用による水分解用3C-SiC光電極の性能向上 Performance improvement of 3C-SiC photoelectorodes for water splitting by using cocatalysts |
市川 尚澄、加藤 正史、市村 正也 (名古屋工業大学) | |
SiCはパワーデバイスの材料としての応用が期待される。一方で、3C-SiCは化学的に安定、可視光吸収可能と光電極への応用も期待 される。しかし、現状3C-SiC光電極では光電流値の実験値と理論値に差があることが課題である。今回我々は3C-SiC光電極上に助触媒としてPt、 Pdを担持し性能向上を試みた。 |
P-87 | SiC酸化反応における構造変化の第一原理的考察 First-Principles Calculation Study of Structural Changes Induced by Thermal Oxidation |
▲長川健太1、洗平昌晃1,2、白石賢二1,2 (1名大院工、2名大未来研) | |
P-88 | 第一原理計算による4H-SiC(0001)/SiO2界面の電子状態とキャリア散乱の解析 First-principles study on electronic structure and carrier-scattering property of 4H-SiC(0001)/SiO2 |
小野倫也、岩瀬滋 (筑波大学) | |
P-89 | SiC C面上に乾燥酸素および水蒸気雰囲気で形成した熱酸化SiO2膜密度 Density of Thermally Grown SiO2 Films on (000-1) oriented SiC in dry O2 or H2O ambient |
▲飯塚 望、小澤 航大、蓮沼 隆、山部 紀久夫 (筑波大学 数理物質科学研究科) | |
我々はこれまでに、酸化膜の質量を電子天秤で測定することでSiC上の熱酸化膜密度を評価してきた。熱酸化の進行に伴う膜密度の変化 は、酸化雰囲気での熱処理による酸化膜の改質の履歴と捉えることができる。今回は、WetおよびDry雰囲気でSiC C面上に形成した酸化膜密度を評価し、酸化膜の改質過程を調査した。 |
P-90 | 第一原理計算によるSiC初期酸化過程の解明: (0001), (000-1)面の比較 Possible initial thermal oxidation mechanisms of SiC on (0001) and (000-1) face from ab-initio calculations |
松下 雄一郎、押山 淳 (東大院工) | |
SiC熱酸化過程において、(0001)面・(000-1)面の酸化過程、さらには炭素原子のSiC基板からの消失メカニズムは、依然未解明の問題である。本研究では、第一原理分子動力学計算に基づいて初期酸化過程を追うことにより、それら機構の解明を行った。 |
P-91 | SiC熱酸化による界面遷移層の調査と酸化機構の考察 Investigation of Interfacial Transitional Layer at Thermally Grown SiO2/SiC Interface and Consideration of Thermal Oxidation Mechanism on SiC |
▲永井 龍、蓮沼 隆、山部 紀久夫 (筑波大学) | |
熱酸化SiO2/SiC界面の界面遷移層におけるエッチング特性の評価から、熱酸化機構を考察した。界面での酸化進行が新たな遷移層を 形成しつつ、もともと存在した遷移層を改質することが分かった。酸化を進行させるための高い酸素濃度、あるいは酸化に伴うSi放出が遷移層の改質に関与し ている可能性がある。 |
P-92 | ウェット酸化雰囲気に共存する酸素の効果の理解に基づく4H-SiC各結晶面のウェット酸化プロセスの設計 Design of wet-oxidation process of various crystal faces of 4H-SiC based on the understanding of effects of oxygen accompanied in wet-oxidation ambient |
平井悠久、梶房裕之、喜多浩之 (東大院工) | |
4H-SiCにおいてウェット酸化によるMOS界面高品質化が報告されているが、酸化に寄与するO2とH2Oの共存効果に関して系統的 な調査は行われていない。本研究ではウェット雰囲気中のO2が酸化反応および界面品質に与える影響を評価し、O2+H2O共存酸化を用いたウェット酸化プ ロセス設計指針を考察した。 |
P-93 | 4H-SiC C面(000-1)のドライ及びウェット酸化条件によるMOS界面特性への影響の理解 Understanding of the Effect of Dry and Wet Thermal Oxidation Conditions on 4H-SiC C-face (000-1) MOS Interface Properties |
▲梶房裕之、喜多浩之 (東大院工) | |
4H-SiC C面に対するウェット酸化では、ドライ酸化と比較して界面欠陥が低減されるが、MOSFETの閾値電圧が不安定となる。MOS界面特性への熱酸化条件の影 響は体系的に理解されておらず、本研究ではドライ酸化とウェット酸化の双方において酸化条件の違いが界面特性に与える影響を検討した。 |
P-94 | C面ドライ酸化4H-SiC MOSFETの電流検出型電子スピン共鳴分光評価 Electrically-detected-magnetic-resonance study on dry-oxide (000-1)4H-SiC MOSFETs |
鹿児山陽平1、岡本光央2、吉岡裕典2、原田信介2、山崎隆浩3、大野隆央3、梅田享英1 (1筑波大学、2産業技術総合研究所、3物質・材料研究機構) | |
電流検出型電子スピン共鳴分光を用いてドライ酸化C面4H-SiC MOS型電界効果トランジスタの界面欠陥を検出した。信号の解析より欠陥は炭素原子上に電子スピンをもち、1013 cm-2半ばの高密度で2次元分布していると分かった。このような特徴を持つ界面欠陥の起源について第一原理計算と絡めて議論する。 |
P-95 | チャージポンピング法による4H-SiC MOSFETの界面近傍酸化膜欠陥の解析 Analysis of near interface traps for 4H-SiC MOSFET by the charge-pumping method |
▲王 緒昆1、岡本 大1、原田 信介2、岩室 憲幸1、矢野 裕司1 (1筑波大、2産総研) | |
本研究ではチャージポンピング(Charge Pumping: CP)法に着目し、異なる窒化条件で作製した4H-SiC MOSFETの界面特性評価を試みた。CP特性の周波数依存性から、界面近傍酸化膜トラップ(Near Interface Trap: NIT)の分布を求めた。 |
P-96 | ホール効果測定による窒化SiO2/SiC界面の伝導帯近傍における界面準位の評価 Characterization of Traps at Nitrided SiO2/SiC Interfaces near the Conduction Band Edge by using Hall Effect Measurements |
畠山哲夫1、木内祐治1、染谷満1、岡本大2、原田信介1、矢野裕司2、米澤喜幸1、奥村 元1 (1国立研究開発法人 産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクスセンター、2国立大学法人 筑波大学 数理物質系科学研究科) | |
伝導帯近傍における界面準位密度を、Split-C-V及びホール効果測定で評価する手法を考案した。本手法を窒化条件の異なるSi面 SiO2/SiC界面の評価に応用した。その結果、窒化が進むにつれ伝導帯近傍の界面準位密度は減少するが、最良の窒化条件でも大量の伝導帯近傍の界面準 位が残存することを示した。 |
P-97 | Quantitative Estimation of Near-Interface Traps with Distributed Circuit Model for 4H-SiC MOS Capacitors |
▲Xufang Zhang1、Dai Okamoto1、Tetsuo Hatakeyama2、Mitsuru Sometani2、Shinsuke Harada2、Ryoji Kosugi2、Noriyuki Iwamuro1、and Hiroshi Yano1 (1University of Tsukuba、2Advanced Power Electronics Research Center、 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology) | |
III-V MOS構造モデルによりSiO2/4H-SiC界面におけるNITの影響を検討した。これに基づき、直列抵抗の影響を加えて新たなモデルが築かれた。SiとC原子によるNIT密度が酸化膜深さにより指数関数的に減数すると考えられ、定量的に評価した。窒化時間によりNIT密度も減少すると考えられる。 |
P-98 | 超高温酸化と水冷プロセスによるSiC-MOS界面の特性改善 Impact of Water-cooling Process in Ultra-high-temperature Oxidation of 4H-SiC(0001) |
染谷満1,2、永井大介1、勝義仁1、細井卓治1、志村考功1、武井学3、米澤喜幸2、渡部平司1 (1大阪大学大学院工学研究科、2産業技術総合研究所、3富士電機株式会社) | |
我々は超高温酸化によるSiC-MOSのゲート酸化膜の界面準位密度改善を報告してきたが、従来の手法では酸化後、降温時の追酸化抑制 のために超高温下で非酸化性雰囲気に置換しており、その際の酸化膜劣化が懸念された。今回、急速水冷することにより雰囲気置換をせずに極短時間で降温する 手法を検討したので報告する。 |
P-99 | 超高温・低酸素分圧ゲート酸化で作製したSiC-MOSFETの電気特性評価 Electrical Characteristics of SiC MOSFET Fabricated by Ultra-high-temperature Oxidation under Low Oxygen Partial Pressure |
▲勝 義仁1、辻 英徳1,2、細井 卓治1、志村 考功1、渡部 平司1 (1大阪大学大学院工学研究科、2富士電機株式会社) | |
超高温・低酸素分圧酸化によるSiC MOSキャパシタの特性改善を検討した結果、一般的な条件でのゲート酸化に比べてC-Vヒステリシスやフラットバンド電圧シフトの低減に成功すると共に、試作したMOSFETでも移動度向上や優れた閾値電圧安定性を実現した。 |
P-100 | AlOxと4H-SiCの界面におけるプラズマ処理の効果 Effects of plasma treatment at the interface of AlOx and 4H-SiC |
吉岡裕典、山崎将嗣、原田信介 (産業技術総合研究所) | |
SiC MOSFETのチャネル特性の向上を目的として、ゲート絶縁膜にAlOxを用いて、AlOx /SiC界面へのプラズマ処理を検討した。Hプラズマ処理は界面特性の向上に効果的であった。一方でOプラズマ処理は界面特性を劣化させた。 |
P-101 | AlGaN/GaN MOS-HFETにおけるAl系ゲート絶縁膜の界面反応制御 Interface engineering of Al based gate insulators in AlGaN/GaN MOS-HFETs |
▲渡邉 健太1、野崎 幹人1、山田 高寛1、中澤 敏志2、按田 義治2、石田 昌宏2、上田 哲三2、吉越 章隆3、細井 卓治1、志村 考功1、渡部 平司1 (1、阪大院工、2、パナソニック、3、日本原子力開発機構) | |
Al2O3及びAlONを異なる温度でGaN基板上に成膜し、界面特性の成膜温度依存性を検証した。Al2O3を300℃で成膜した場 合、成膜中に表面の酸化が見られ、界面特性が劣化することがわかった。それに対しAlONは成膜温度に関わらず良好な熱的安定性を示し、また界面特性にも 優れることがわかった。 |
P-102 | 4H-SiC m面ウェット酸化によるMOS界面の電気特性と界面近傍SiO2微視的構造の特徴の相関 Electrical Properties of MOS Interface and Near-Interface Microscopic Structures of SiO2 Formed by Wet-Oxidation on 4H-SiC m-face |
黒山滉平1、平井悠久1、山本建策2、林真理子2、喜多浩之1 (1東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻、2(株)デンソー) | |
P-103 | 窒化したp型SiC MOSキャパシタにおける反転層の形成 Formation of inversion layer on p-type SiC MOS capacitors with NO-POA |
▲唐本祐樹1、 岡本大1、 原田信介2、 染谷満2、 畠山哲夫2、 小杉亮治2、 岩室憲幸1、 矢野裕司1 (1、筑波大学、2、産総研) | |
NO-POAを行ったp型4H-SiC MOSキャパシタの高周波C-V特性から、反転層形成による容量の増加が見られた。SIMSによる界面窒素濃度測定やp+ガードリング構造を有するMOS キャパシタのC-V特性から、窒化処理によりSiC表面へ窒素原子が導入され、ドナーとして振る舞うためと考えられる。 |
P-104 | SiO2/SiC界面窒化処理を施したSiC-MOSデバイスにおける正孔捕獲挙動に関する考察 Hole trapping characteristics in SiC-MOS devices with nitrided SiO2/SiC interface |
細井 卓治、勝 義仁、Atthawut Chanthaphan、志村 考功、渡部 平司 (大阪大学) | |
熱酸化SiO2/SiC界面欠陥低減のために施される窒化処理は、負ゲート電圧下での正孔捕獲を顕著に促進する ことが報告されている。本研究では、ゲート仕事関数の異なるMOSキャパシタを評価することで、正孔捕獲はゲートからの電子トンネル電流とは関係なく、ス トレス電界強度に依存して加速されることがわかった。 |
P-105 | 窒化酸化膜を用いた表面パッシベーションにより生じる4H-SiC pnダイオードの順方向リーク電流の起源 Origin of forward leakage current in 4H-SiC pn diodes passivated with nitrided SiO2 |
▲浅田聡志、 木本恒暢、 須田淳 (京都大学) | |
SiC pnダイオードの表面パッシベーション酸化膜に窒化処理を施すと、順方向特性の低電圧領域において、拡散・再結合電流の他にリーク電流が流れることが知ら れている。本研究では、この電流の起源を、デバイス表面におけるバンドベンディングの影響に着目し、実験とシミュレーションにより明らかにした。 |
P-106 | 4H-SiC熱酸化膜のリーク伝導機構に対する窒化処理の効果 Effects of NO POA on leakage current conduction mechanism of thermally grown SiO2 on 4H-SiC |
木内 祐治1,2、染谷 満1、岡本 大3、畠山 哲夫1、原田 信介1、矢野 裕司3、米澤 喜幸1、奥村 元1 (1国立研究開発法人 産業技術総合研究所、3国立大学法人 筑波大学 (出向元:2新日本無線株式会社)) | |
4H-SiC熱酸化膜界面の改善方法の窒化処理は、MOSFETの移動度、界面準位を改善するが、副作用としてリーク電流は増加する [1]。本研究では、窒化によるリーク電流増大に膜中欠陥が寄与すると考え、窒化処理時間を変えたSi面の熱酸化膜に対して、XPSとゲートリーク電流の 温度依存性を評価した。 |
P-107 | 高速CV法により検証したNBTIへのSiC-MOS界面窒化効果 Evaluation of Nitridation Effect on NBTI of SiC-MOS Device by High-Speed CV Method |
▲林真理子1,2、染谷満1、畠山哲夫1、山本敏雅2、矢野裕司3、原田信介1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2株式会社デンソー、3筑波大学) | |
DLTS測定器を用いて、界面窒化SiC-MOS素子のゲート負電圧ストレスに対するVFBシフトを高速に評価した(高速CV法)。これにより、従来報告が少なかった短時間のゲート負電圧ストレスに対する電圧シフトを、緩和の影響を抑えて観測した。 |
P-108 | 4H-SiC MOSFETの高温ドレインバイアス試験における寿命推定方法 Lifetime estimation method of 4H-SiC MOSFETs under high temperature reverse bias test |
内田 光亮、日吉透、西口太郎、山本裕史、古米正樹、築野孝、御神村泰樹 (住友電気工業株式会社) | |
P-109 | 高圧水蒸気処理によるSiO2/GaN MOS界面制御および絶縁膜の改質 Control of the interface and the film quality of SiO2 / GaN MOS by high pressure water vapor annealing |
▲冨永雄太1、上野勝典2、上沼睦典1、藤本裕太1、石河泰明1、浦岡行治1 (1奈良先端科学技術大学院大学、2富士電機株式会社技術開発本部 先端技術研究所) | |
SiO2/n-GaN MOSキャパシタの特性改善のため,絶縁膜堆積後熱処理として高圧水蒸気処理を導入した.高圧水蒸気処理は低密度,低イオン積など,特異的物性を有する水 熱処理である.MOSキャパシタの容量電圧特性を評価した結果,未処理と比較して,1桁の界面凖位密度の低減を実現した. |
P-110 | SiC MOSFETにおける高エネルギー重イオン誘起電荷過剰収集 Anomalous Collections of Heavy Ion Induced Charge in a SiC MOSFET |
牧野 高紘1、高野 修平1,2、原田 信介3、児島 一聡3、土方 泰斗2、大島 武1 (1量研機構、2埼玉大学、3産総研) | |
P-111 | 窒化ホウ素を用いたGaN-MISキャパシタの作製と電気特性評価 Fabrication and Electric Characteristics Evaluation of GaN-MIS Capacitor with BN |
▲松下 淳矢1、永松 謙太郎2、Xu Yang1、田中 敦之2、久志本 真希1、出来 真斗2、新田 州吾2、本田 善央2、天野 浩2,3,4 (1名古屋大学 工学研究科、2名古屋大学 未来材料・システム研究所、3赤赴L念研究センター、4VBL) | |
GaN-MISトランジスタ実現には、ゲート絶縁膜の信頼性向上が必要不可欠である。しかしながら、GaNデバイスにおける絶縁膜は何 れも堆積膜であり、絶縁膜/GaN界面における界面準位の低減が要求されている。そこで本研究では、窒化ホウ素を絶縁膜に用いたGaN-MISキャパシタ の電気的特性を測定した。 |
P-112 | 重イオン照射によるSiC-MOSFET中の誘起電荷のイオンエネルギー・電圧依存性 Dependence of Ion Energy and Voltage of the Induced Charge in SiC-MOSFETs by Heavy Ion Irradiation |
高野 修平1,2、牧野 高紘2、原田 信介3、児島 一聡3、土方 泰斗1、大島 武2 (1埼大理工、2量研機構、3産総研) | |
放射線効果の1つであるシングルイベント効果(SEE)のメカニズムには未だ不明な点が多く、その解明が急務となっている。本研究で は、SiC-MOSFETを対象とし様々な重イオンを照射することで、イオン種やエネルギー、MOSFETへの印加電圧が半導体デバイス内部に誘起される 電荷収集に及ぼす影響を調べた。 |
P-113 | ゲートバイアス印加条件がSiC MOSFETのガンマ線照射効果に及ぼす影響 Effect of Gate Bias Condition during Gamma-ray Irradiation on Characteristics of SiC MOSFETs |
▲村田 航一1,2、三友 啓1,2、松田 拓磨1,2、牧野 高紘2、武山 昭憲2、小野田 忍2、大久保 秀一3、田中 雄季3、神取 幹郎3、吉江 徹3、大島 武2、土方 泰斗1 (1.埼玉大学、2.量子科学技術研究開発機構、3.サンケン電気) | |
SiC MOSFETに様々なゲートバイアスを印加した状態でガンマ線照射を行った。しきい値電圧は照射によって負電圧方向にシフトし、特に正バイアス印加サンプ ルで非常に大きなシフトがみられ、負バイアス印加の場合にもシフトた。照射による電気特性の劣化が、正負いずれのバイアス印加によっても促進された。 |
P-114 | ガンマ線耐性向上に向けたSiC-MOSFETの構造最適化の検討 Optimization of Device Structure for Gamma-ray Radiation Resistant SiC-MOSFET |
三友啓1,2、松田拓磨1,2、村田航一1,2、横関貴史1,2、牧野高紘2、武山昭憲2、小野田忍2、大島武2、大久保秀一3、田中雄季3、神取幹郎3、吉江徹3、土方泰斗1 (1埼玉大院理工研、2量子科学技術研究開発機構、3サンケン電気) | |
ゲート酸化膜厚、形成時の窒化処理条件をパラメータとし4H-SiC MOSFETのガンマ線照射効果を調べた。全ての条件において、しきい値電圧は照射により負電圧側へのシフトが見られたが、酸化膜が薄く、酸化窒素濃度が 低い場合にシフトは少なく、酸化膜中の固定電荷や界面準位の発生量も抑制されることが分かった。 |
P-115 | 複合環境下でのガンマ線照射によるSiC MOSFETの電気特性変化 Effect of High Temperature and Humidity on the Radiation Response of SiC MOSFETs |
武山 昭憲1、松田 拓磨1,2、三友 啓1,2、村田 航一1,2、牧野 高紘1、小野田 忍1、大久保 秀一3、田中 雄季3、神取 幹郎3、吉江 徹3、土方 泰斗2、大島 武1 (1量研機構、群馬県高崎市綿貫町1233、2埼玉大院理工研、埼玉県さいたま市桜区下大久保255、3サンケン電気、埼玉県新座市北野三丁目6番3号) | |
SiC MOSFETに室温,高温(150℃),高温・高湿(150℃,湿度100%)の複合環境下でガンマ線を照射し電気特性の劣化挙動を調べた.その結果,高 温照射ではMOSFET中に生成した電荷が熱によってアニールされ,さらに高温・高湿照射では水分によるアニールによって劣化が抑制されることがわかっ た. |
P-116 | 高温下ガンマ線照射したSiC MOSFETの照射後経時変化について Temporal Change in Characteristics of SiC MOSFETs after Gamma-ray Irradiation at Elevated Temperature |
松田 拓磨1,2、横関 貴史1,2、三友 啓1,2、村田 航一1,2、牧野 高紘2、武山 昭憲2、小野田 忍2、大久保 秀一3、田中 雄季3、神取 幹郎3、吉江 徹3、大島 武2、土方 泰斗1 (1埼玉大院理工研、2量研機構、3サンケン電気) | |
150℃でガンマ線照射を行ったSiC MOSFETの電気特性の経時変化を室温にて観察した.結果,閾値電圧の負電圧側シフトが確認された.これは,照射直後は高温照射により発生した電子が酸 化膜中の正に帯電した固定電荷を補償しているが,室温保持すると徐々に消滅し正に帯電する固定電荷が増加した為と考えられる. |
P-117 | SiC MOSFETに対する宇宙線起因中性子によるシングルイベントゲートラプチャ耐性評価 Evaluation of Terrestrial Neutron-Induced Single-Event Gate Rupture in SiC MOSFETs |
浅井弘彰、 梨山勇、 緑川正彦、 海老原司、 飯出芳弥、 石丸泰央、 坂出保雄、 大園勝博 (HIREC株式会社) | |
宇宙線が大気と衝突することにより生じる中性子(宇宙線起因中性子)がパワーデバイスに入射するとシングルイベント現象(永久故障)が 発生するため、特に高信頼性が要求される機器の信頼性が問題となる。本研究では、SiC MOSFETに白色中性子を照射し、シングルイベントゲートラプチャ耐性を評価した。 |
P-118 | 4H-SiC MOSFETにおける単一発光欠陥の酸化膜界面依存性の共焦点顕微鏡評価 Confocal-microscope study on single-photon-sources in 4H-SiC MOSFETs with various oxidation processes |
阿部裕太1、梅田享英1、岡本光央2、小杉亮治2、原田信介2、波多野睦子3、岩崎孝之3、小野田忍4、大島武4、春山盛善5、加田渉5、花泉修5 (1筑波大数物、2産総研先進パワエレ、3東工大理工、4量研機構、5群大理工) | |
共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡を使った単一光子源(単一の発光欠陥)の研究がダイヤモンドを中心に盛んに進められているが、近年、 SiCにおいても単一光子源の存在が相次いで報告されている。私達もMOSFETのチャネル領域においても単一光子源が発生していることを発見し、その発 生のプロセス依存性を調べた。 |
P-119 | 高電圧・高速パルス発生を目指したSiC-pinダイオードの逆回復特性解析 Analysis on Reverse Recovery Characteristics of SiC-pin Diode for High-speed and High-voltage Pulse Generator |
▲白井 琢毬1、岩室 憲幸1、福田 憲司2 (1筑波大学、2産業技術総合研究所) | |
本研究は、加速器のコンパクト化に向けた新規高電圧・高速パルス電源への適用を目指す、SiCを用いたpinダイオードの開発である。 今回の発表では、そのSiC-pinダイオードの逆回復現象による高電圧・高速パルス電圧をシミュレーションによって再現し、ドリフト層の設計による生成 パルスの違いについて検証する。 |
P-120 | 通信サーバー向けSiC-SBD熱抵抗の測定温度およびデバイス断面積依存性検討 Discussion on the dependence of the measurement temperature and cross section area of the SiC SBD on the thermal resistance |
許 恒宇1、何 在田1、万 彩萍1、張 国斌1、趙 妙1、金 智1、劉 新宇1、劉 鵬飛2、羅 洋2、庄 建治2 (1中国科学院微電子研究所、2華為技術有限公司中央硬件工程院) | |
Thermal resistance of Si device was the negative temperature coefficient.Thermal resistance of SiC device was the positive temperature coefficient. |
P-121 | ホモエピタキシャル成長n型GaNショットキーバリアダイオードの実効Richardson定数 Effective Richardson’s constant in homoepitaxial n-GaN Schottky barrier diode |
▲前田 拓也1、岡田 政也2、上野 昌紀2、山本 喜之2、堀田 昌宏1、須田 淳1 (1京都大学大学院、 京都市西京区京都大学桂A1-303、2住友電気工業株式会社、 兵庫県伊丹市昆陽北1-1-1) | |
273〜573 Kにおいてホモエピタキシャル成長Ni/n-GaN縦型ショットキーバリアダイオードの順方向電流-電圧測定を行った.測定した全温度範囲で, n値は1.02となり,飽和電流密度の温度依存性から障壁高さ,実効Richardson定数を求めると,1.04 eV, 25 A/cm2K2となった. |
P-122 | 0.97mΩcm2 / 820V 4H-SiC スーパージャンクションV溝トレンチMOSFET 0.97mΩcm2 / 820V 4H-SiC Super Junction |
増田健良1、小杉亮治1、日吉透2 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2住友電気工業株式会社) | |
我々はSiCにおいて初めてスーパージャンクションMOSFETを作製し、オン抵抗0.97mΩcm2 耐圧820Vを得た。これは同じドリフト濃度の単一なドリフト層を持つ4H-SiCユニポーラデバイスの理論耐圧710Vを超えており、SJ構造の効果を 示すものである。 |
P-123 | チャージインバランスを考慮したSiC Superjunction MOSFETのオン抵抗-素子耐圧向上の検討 Investigation of SiC Superjunction MOSFETs RonA-Vbr characteristics taking the charge imbalance of p and n layers into account |
▲田邉三紀子、岩室憲幸 (筑波大学大学院) | |
Superjunction(SJ)構造は高耐圧でありながら低オン抵抗化が可能な素子構造である。しかし、Charge Imbalance(CIB)によって大幅な耐圧低下する欠点がある。本研究では、4H-SiCを用いて低オン抵抗を示しつつもCIBによる耐圧低下を抑 制するSJ構造の検討を行った。 |
P-124 | 埋込みp型接地構造を有するV溝型SiCトランジスタのスイッチング特性 Switching performance of V-groove trench gate SiC MOSFETs with grounded buried p+ regions |
斎藤 雄1、増田 健良1、玉祖 秀人1、野津 浩史1、道越 久人1、平塚 健二1、原田 信介1、御神村 泰樹2 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2住友電気工業株式会社) | |
我々はスイッチング高速化を目的に、埋込みp型接地構造を有するV溝型SiC MOSFETを開発した。寄生容量の低減構造を検討した結果、従来の埋込みp型フローティング構造をソース領域に接地することが帰還容量低減に有利である ことを見出し、試作品への適用で帰還容量低減とスイッチング高速化を実現した。 |
P-125 | 3 kV 4H-SiC逆阻止MOSFETの作製と特性評価 Fabrication and Characterization of 3 kV 4H-SiC Reverse Blocking MOSFET |
▲森 誠悟1、明田 正俊1、坂口 拓生1、柳 達也1、浅原 浩和1、中村 孝1、木本 恒暢2 (1ローム株式会社、2京都大学大学院 工学研究科) | |
世界で始めて4H-SiC逆阻止MOSFETを作製し特性評価を行った。順・逆方向耐圧は共に3kV以上であり、1.5kVでのスイッ チング動作を確認した。SiC逆阻止MOSFETを双方向スイッチに用いることで、従来型のSiC MOSFETを用いた場合と比較して通電損失を35%低減できることが示された。 |
P-126 | SiC-MOSFETの出力容量から生じるスイッチング損失解析 Switching loss analysis by the output capacity of SiC-MOSFET |
佐藤伸二1、谷澤秀和1,2、孝井健一1,3、高橋弘樹1,4、加藤史樹1、渡辺衣世1、村上義則1,5、佐藤弘1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2サンケン電気、3カルソニックカンセイ、4富士電機、5日産自動車) | |
SiC-MOSFETの出力容量(D-S間寄生キャパシタ)はSi-IGBTよりも大きい。ターンオン時にはこのキャパシタが急速に放 電することになり、パワーデバイスに対して大きなストレスになる。本報告では、キャパシタが起因となる損失を実験的に評価し、ソフトスイッチングで低減で きることを示す。 |
P-127 | 二次元正孔ガスを用いたコレクタトップ縦型GaN-HBTの作製 Fabrication of Collector-top Vertical Gallium Nitride Heterojunction Bipolar Transistor with 2DHG |
▲安藤 悠人1、小倉 昌也1、松下 淳矢1、宇佐美 茂佳1、田中 敦之2、永松 謙太郎2、久志本 真希1、出来 真斗2、新田 州吾2、本田 善央2、天野 浩2,3,4 (1名古屋大学 工学研究科、愛知県名古屋市不老町、2名古屋大学 未来材料・システム研究所、愛知県名古屋市不老町、3赤赴L念研究センター、愛知県名古屋市不老町、4名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリ、愛知県名古屋市不老町) | |
窒化ガリウム(GaN)は次世代パワーデバイスとしての応用が期待されている。GaN を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)は大電力動作が可能であり、サファイア基板上に作製された報告がある。本研究では GaN 自立基板上にコレクタトップ縦型 HBT を作製し、電気特性の評価を行った。 |
P-128 | パワーモジュールの熱抵抗解析のためのSiC-MOSFETのボディダイオードを利用した過渡熱測定 Thermal transient measurement using body diode of SiC-MOSFET for thermal resistance analysis of power module package |
加藤史樹1、山口浩1、仲川博1、佐藤伸二1、青木亨1,2、村上善則1,3、佐藤弘1 (1国立研究開発法人産業技術総合研究所、2カルソニックカンセイ、3日産自動車) | |
SiCパワーモジュールのパワー密度向上のため、従来に増して正確な熱設計技術が必要となる。本研究では、実装状態のSiC- MOSFETのボディダイオードを利用した過渡熱試験法適用について、モジュール放熱経路の詳細な熱構造を評価するための課題抽出、及び熱構造関数の導出 評価を行ったので報告する。 |
P-129 | SiC-MOSFETを用いたZソースインバータのボディダイオード無通電運転に関する検討 Investigation of Elimination of Body-diode Conduction in Z-source Inverter Using SiC-MOSFET |
▲飯嶋 竜司、磯部 高範、只野 博 (筑波大学) | |
これまでSiC-MOSFETをインバータに導入する際,デッドタイムによるボディダイオードへの通電は回路動作上,避けることが出来 なかった。本研究ではSiC-MOSFETのボディダイオードへの通電を生じさせないインバータ回路方式と制御方法について提案し,実験によりその効果を 確認したので報告する。 |
P-130 | SiCインバータモジュールのスイッチング速度高速化に向けた 低インダクタンス構造の設計 A design of A Low Inductive Structure for A SiC Power Module to Increase Switching Speed |
鈴木 達広1、山下 真理1、森 哲也1、荒木 祥和1、谷本 智1、飯塚 祥太2、赤津 観2 (1日産アーク、2芝浦工業大学) | |
我々は高速なスイッチングを可能にする低インダクタンスSiCモジュールを提案している。モジュール構造を単純化して、シミュレーショ ンにより構造とインダクタンス値の関係を調べた。検討した低インダクタンス構造を取り入れたモジュールを作製したところ、P-N端子間の実測で4.4nH のインダクタンス値を得た。 |
P-131 | 大電流・高耐熱 SiC パワーモジュール用実装材料開発 Material Evaluation and Development for High Current and Heat Resistant SiC Power Module |
井口 知洋1,2、高橋 昭雄1、羽深 等1 (1横浜国立大学大学院、2株式会社 東芝) | |
SiC 半導体は低損失で耐熱性に優れるため、インバータシステムなどの小 型化を実現できる。高温動作が可能な SiC 半導体の能力を活用するためには、高温に耐える実装技術が必須である。本報告では、SiCパワーモジュール用実装材料開発・評価支援プロジェクトである KAMOME −PJ の活動を紹介する。 |
P-132 | SiC-MOSFET(TO-247)の冷熱サイクル劣化解析 Destructive Degradation Analysis for TO-247 Package SiC-MOSFETs Subjected to Thermal Cycle Test |
荒木 祥和1、鈴木 達広1、山下 真理1、大野 俊明2、薬丸 尚志3、澤田 浩紀4、谷本 智1 (1.日産アーク、2.ノードソン・アドバンスト・テクノロジー、3.日立パワーソリューションズ、4.岩通計測) | |
SiCやGaNなど次世代パワーデバイスには高Tj動作が求められるが、市販デバイスの保証温度は未だSiデバイス並み (Tj〜175℃)である。冷熱サイクル試験(TCT)を進めながら、TO-247パッケージSiC-MOSFETが劣化していく過程を非破壊および破壊 的手法を用いて解析した。 |
P-133 | SiC半導体ダイアタッチの冷熱サイクル試験劣化解析 Degradation Analysis for Power Semiconductor SiC Die Attachments subjected to Thermal Cycle Test |
山下 真理1、 鈴木 達広1、 荒木 祥和1、 森 哲也1、谷本 智2、荻原 尚志2、田中 秀和2、薬丸 尚志3 (1株式会社日産アーク、2ケースレーインスツルメンツ社、3株式会社日立パワーソリューションズ) | |
大きな温度サイクルに晒されるSiCやGaN等の次世代パワー半導体ではダイアタッチの耐熱劣化防止が重要課題である。 本研究の主たる目的は、冷熱サイクルで起こるダイアタッチの機械的特性の変化と、空隙の伸展と、放熱性及びデバイス電気特性の変化と、の相互関係性を実験的に究明することである。 |
P-134 | Cu/Snペーストを用いたSiCチップ/銅めっき実装基板の接合技術 Die Attachment of SiC Chips to Package Substrate with Electroless Cu-Plated Finish Using Cu/Sn Paste |
郎 豊群1、加藤 史樹1、高橋 弘樹1,2、仲川 博1、山口 浩1、佐藤 弘1、木村 竜司3、岡田 圭二3、進藤 広明3、大井 達也3、玉木 玲衣3、関根 重信3 (1国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2(株)富士電機、3(有)ナプラ) | |
250 ℃で動作するSiCパワーデバイスの実装に向けて、低コストのCuめっき実装基板に3mm□のSiCチップをナノコンポジットCu/Snペーストにより接 合し、シェア強度は、80MPa以上でAuめっき基板に比べ高く、高価な貴金属めっきなしで良好なシェア強度を達成できることが明らかとなった。 |
P-135 | 500°C環境で起こるダイヤモンド・パワー半導体の故障モードは何か Degradation Analysis for Diamond Semiconductor Devices subjected to 500°C Storage Test |
谷本 智1、鈴木 達広1、荒木 祥和1、牧野 俊晴2、加藤 宙光2、小倉 政彦2、山崎 聡2 (1日産アーク・PEAL-DAD、2産総研・ADPERC、3芝浦工大・RCGI) | |
ダイヤモンド半導体の超高温環境下での長期信頼性に関する報告は殆どない。本稿では単結晶ダイヤモンド・パワー素子『ショットキーpn ダイオード(以下Dia-SPND)』を500℃で放置したときの試験の結果を報告する。故障モードが顕在化され、故障解析の結果が報告される。 |
先進パワー半導体分科会第3回講演会実行委員会 adps_3rd_meeting@opt.ees.saitama-u.ac.jp