設立趣旨材料開発においてこれまで種々の非平衡励起プロセスが提案されているが、それらの多くは、まず物質の電子系が励起され、その後原子の凝集形態が変化していく。 つまり電子励起非平衡状態の物質ダイナミクスが多様な物質形態創製の鍵となっている。しかし、現在のところその物理機構の多くは明らかでない。 特にナノテクノロジーが対象とするナノスケールの世界は、孤立原子・分子系(力学的アプローチ)とマクロ系(熱統計力学的アプローチ)の境界に位置し、 なかでも局所高密度励起系は基礎物理的にも未踏の研究領域である。 本領域グループでは、各励起プロセス(レーザー光、軟X線、放射線、電子ビーム、STMプローブ電流、多価イオン、…)の専門研究者ならびに物質科学基礎研究者の研究交流の場を設け、構成要素間のエネルギー転換・散逸、構造変化・相転移の現象を多角的に検討し、共通に内在する物理機構を探る。得られた知見をもとに基礎に裏付けられた励起ナノプロセスによる物質構造改変・加工の指導原理を確立するための道を提案する。 活動方針
(a) これまでの成果やノウハウを他の分野(励起方法)の研究者に伝える。 (b) 一見異なる現象間に内在する物理機構の普遍性を探求する。 (c) 完成された研究の披露ではなく、様々な観点から気楽に議論をする場を設けていく。 (d) 若手研究者を育てる。 を目標にする。
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