2020年春季 シンポジウム(non-technical)

就活生必見!車は半導体でできている!
 ~車載半導体の未来と最先端研究者の「やりがい」~
 

日時: 3月13日(金)午前10時~12時10分
場所: 上智大学四谷キャンパス 6号館3階A307会場(第67回応物春季講演会内)
主催: 応用物理学会・SEAJ 日本半導体製造装置協会
企画: 界面ナノ電子化学研究会・インダストリアルチャプター


応用物理学会の技術を基盤とする半導体産業が進化を続けています。自動車の分野では、電子部品は車の原価の4割を占めるとも言われ、車載半導体が車の性能を決めると言っても過言ではありません。昨年、欧州の安全規格で車載半導体に要求される寿命が従来技術の2倍に近い18年と発表されました。高性能と高信頼性を両立する半導体を最も得意とする日本の半導体産業・製造装置産業は、これを千載一遇の好機ととらえています。
SEAJなどの主催者は、この業界の魅力について就活生の皆さんに語る場を設けてきました。3回目となる今回は車載半導体に着目し、まず業界を代表する技術者から車載半導体の未来について基調講演を、続いて様々な企業の研究者・技術者から、自身の研究生活、特に「やりがい」について講演いただきます。就活生の皆さんに、研究者・技術者としての多様な将来像を実感し、夢と希望と野心を持って産業界に向かう一助としていただきたく、皆さんのご参加をお待ちしております。  
 
★終了後に2号館職員食堂にてランチ懇親会開催!無料です!誰でも参加OK!
   講演者の話を直接聞けます。
 

プログラム&講演者紹介

■10:00~ 開催の挨拶 平野 嘉仁(応用物理学会副会長、三菱電機)
 
■10:05~ 基調講演「車載半導体の歴史と今後の展開」磯部 良彦 (デンソー)
 
株式会社デンソー 技術企画部 半導体新会社準備室 技術戦略課長
半導体メーカにて化合物半導体の研究に4年間従事したのち、1988年に㈱日本電装(現デンソー)に入社。IC事業部にて、CMOS微細プロセス、圧力、磁気、慣性センサなど様々なデバイス、プロセスの開発、製品化に貢献する。2013年より技術企画に参画し、ASIC、センサ、パワーデバイスの技術戦略を立案。2015年より基礎研究所(現先端技術研究所)にて次世代研究テーマの探索に携わり、2019年より、現職。トヨタ自動車とデンソーが次世代車載半導体の研究開発のために設立する、合弁の新会社「ミライズ テクノロジーズ」の、本年4月の始動を目指し、現場を率いる。

■10:45~ 基調講演「車の電動化・知能化に向けた車載半導体の責任に応える」高橋将友 (東京精密)
 
株式会社東京精密 半導体社 営業部門 戦略企画部 戦略企画室長
1986年に東京精密入社、ウェーハプローバの設計に携わる。1997年より米国駐在。ダラスおよびサンノゼにて、技術営業の立場から新規顧客を開拓しマーケット拡大に寄与。2001年より開発に復帰し、様々な半導体デバイスに対してウェーハプローバを用いたアプリケーションを提案し、半導体産業の発展に貢献する。2011年より現職。半導体装置メーカとしての戦略を企画立案している。2010年より(一社)日本半導体製造装置協会の検査専門委員会委員。2018年より委員長を務める。

■11:05~ 技術者講演

 ●11:05~ 「巨人の肩の上から見える世界」
  植月 一雅 (ウシオ電機 技術統括本部 開発部、2013年入社)
 
学生時代から現職まで、光に携わる開発・研究を続けてきました。学生時代は、近接場光学顕微鏡を徹底的に使い込み、光学系やステージ制御ソフトの開発、スペクトル分析を勉強する日々を過ごしておりました。現在は半導体露光装置等の光学設計を担当しており、様々な光学原理を駆使した装置開発を行っております。10年以上光学と付き合ってきましたが、本当に難しく面白い分野です。半導体露光装置開発のやりがい、厳しさなど、当日お話しします。
(大阪大学 工学研究科 応用物理学コース 博士課程修了)
 
 ●11:15~ 「多様な半導体デバイスと露光装置」
  大川 直人 (キヤノン株式会社半導体機器124設計室、2004年入社)
 
入社以来、半導体露光装置のソフトウェア開発業務に携わっており、ユーザインタフェースと制御ソフトウェアの開発を中心に行っています。半導体露光装置は非常に高い精度が求められ、高度な技術力が必要です。さらに、多種多様な半導体デバイス製造を実現するために、広範な知識と新たな工夫が必要となってきています。新規装置の立ち上げや新機能の開発、生産性向上への取り組みを通し、私自身が日々感じている「半導体露光装置の魅力」を伝えたいと考えています。
(愛知県立大学大学院 情報科学研究科 )
 
 ●11:25~ 「車載イメージセンサと私のチャレンジ」
  飯田 聡子 (ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第1研究部門1部3課)
 
大学院時代のSi青色発光素子の研究を経て、CMOSイメージセンサの開発・設計に十数年従事しています。一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、スキャナ、天体航空・監視カメラのCMOSイメージセンサ開発において画素デバイス、光学、回路の設計や評価解析に幅広く携わり製品化に貢献しました。開発に携わった長い期間、CMOSイメージセンサの進化が新しい価値観やセンシング分野での社会変革をもたらしました。現在はソニー(株)にて車載用イメージセンサ開発に従事し、自動運転社会の新しい未来を創ろうとしています。しかし車載用イメージセンサ開発というのは全てがチャレンジです。私がどのように取り組んでいるか、当日お話ししたいと思います。

 
 ●11:35~ 「半導体プロセス量産技術開発に向けた取組」
  釜地 義人 ((株)日立ハイテク ナノテクノロジーソリューション事業統括本部 笠戸地区設計・生産本部
        プロセス研究開発部、2010年入社)
 
大学修士課程では兵庫県立大学高度産業技術研究所にて極端紫外線リソグラフィ(EUV)マスクブランクスにおける欠陥検査技術を研究。2010年に当社に入社し、次世代半導体プロセス向けマイクロ波プラズマエッチング装置の開発に従事。主に、プロセス再現性向上に向けた量産技術開発を担当。2015年から1年間、米国シンシナティ大学へ客員研究員として赴任し、Industrial Internet of Things (IIoT)に向けた予兆保全技術を研究。帰国後、量産性にかかわる多様な技術開発を海外顧客と共に推進中。 決して楽とは言えない顧客共同技術開発ですが、成し遂げたときの見返りは大きく、日々やりがいを感じながら業務を進めています。
(兵庫県立大学・工学部・工学研究科  )
 
 ●11:45~ 「大学から企業へ 私の経験談」
  森山 匠 (HORIBAグループ 株式会社堀場テクノサービス 分析技術センター、2007年入社)
 
現在は受託分析、アプリケーション開発、お客様への装置の説明といった業務を行っており、お客様からお預かりしたサンプルを測定することが主な仕事となっています。大学在籍時には学生、ポスドクと自分で半導体薄膜を作製、評価していた経験より、お客様がどのようなことを知りたいかということを考えながら分析業務を行っています。当日はHORIBAグループおよび私の仕事内容や経験について紹介させていただきます。
(京都大学大学院 工学研究科 電子工学専攻 博士後期課程修了 )
 
 ●11:55~ 「海外素粒子実験ポスドクが半導体産業に転身した経験」
  長谷川 慧
  (キオクシア株式会社 メモリ技術研究所、2018年入社)
 
大学では素粒子実験を専攻し、卒業後は米国フェルミ国立加速器研究所FNALの研究員として、欧州合同原子核研究所CERNでの国際素粒子実験CMSにて新型粒子検出器のR&D・製造・インストール・校正・連続運転を牽引してきました。そこから一転、2018年末にキオクシア(当時の東芝メモリ)に入社し、新規メモリ開発に携わり始めました。異なる分野での経験をもとにして半導体産業で仕事をしてきた一年間を紹介します。
(名古屋大学 理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 )
 
■12:05~ 閉会の挨拶 渡部 潔(SEAJ専務理事)

★終了後に2号館職員食堂にてランチ懇親会開催!無料です!誰でも参加OK!
   講演者の話を直接聞けます。


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