About
Greeting
Chief secretary
Kenji Ishida
(FACULTY OF ENGINEERING,
KYUSHU UNIVERSITY)
有機分子・バイオエレクトロニクス分科会は設立30周年を迎えました。その間、応用物理学会の異端児として、既成概念にとらわれない新規分野への希望と理念をもって精力的な活動を続け、その結果として2番目に大きな応物分科会に成長するに至りました。その背景には、本分科会が関わる学術分野が広範囲にわたっており、その境界領域の研究や融合による将来性を信じた諸先輩方のご尽力、それに加えて若手の皆さんの自由で挑戦的な活動があったことは間違いありません。30年前に抱いていた夢―有機分子・バイオ・エレクトロニクスの融合と有機・バイオデバイスの実用化―が、今まさに現実のものとなりつつあることを肌で感じている方も多いのではないでしょうか。
現在、応用物理学会としても異分野交流を通じて境界領域・融合領域の探索・拡充を進めようとしていますが、本分科会は言うまでもなくこの方針の先駆者です。応物の真骨頂である物理と化学の融合に加え、エレクトロニクスとバイオの融合など、諸先輩が立ち上げ育ててくださった恩恵で今の私たちがあると言っても過言ではありません。ただし、まだまだ不十分であることは確かですし、ある意味でfusionにはconfusionが付きまとうことも否めません。それらを解決すべく、両者間でdiffusionしていけるように支援することも当分科会の存在意義と言えるのではないでしょうか。その結果として、新たな学術領域そして学問が確立されるはずであり、そのためには経験に基づく洞察力を有するベテラン研究者に加え、何よりも柔軟な頭脳を有する若い力がますます必要不可欠になってくることは確実です。
ただし、若い方々が組織を作ることや維持することに時間をとられるのでは本末転倒です。もちろん、それを経験することで人脈が拡がり刺激を受けて研究の活性化につながることも確かだと思います。でも、やはり若い方々から研究時間を奪うことだけは避けなければなりません。
その点も踏まえて、研究者と様々な界(学術界、産業界など)との境界で能動的に機能できるような組織として、皆様と一緒に分科会そして若手研究者を育てていけるよう知恵を絞っていきます。何卒ご協力をお願いいたします。
Outline
目的
有機分子・バイオエレクトロニクス分科会は分子エレクトロニクス・バイオエレクトロニクス領域および関連分野における研究者の融合・交流の場を提供し、その科学・技術の向上発展に寄与することを目的としている。
本分科会では、有機分子系物質を基盤材料として、その構造制御・機能発現・界面特性制御・ デバイス化を目指し、電気・電子工学、化学、物理、バイオ、材料科学分野の幅広い研究活動が活発に展開している。今後5年、10年、応用物理学学会におけるエレクトロニクス・IT・環境エネルギー分野で重要な地位を占めることが期待されており、より新しい機能性材料の創出、新機能デバイスの開発によって、人間社会を豊かにする科学技術分野に成長することを目標としている。
事業
本分科会設立の趣旨および目的を達成するために次の事業を行ないます。
- Molecular Electronics and Bioelectronics(M&BE)分科会誌を発行する
- 研究会、講習会、シンポジウム講演会などを企画・開催する
- 図書その他の刊行物を企画・編集する
- その他本分科会の目的達成に必要な事業を行なう
統計
設 立 1990年4月
会員数 610名(2023年1月現在)内、準会員(分科会のみ):50名/B会員(本会・分科会):560名
学術講演会講演件数の推移
1993年(春) | 青学大青山 | 262 |
---|---|---|
1993年(秋) | 北大 | 225 |
1994年(春) | 明大理工 | 260 |
1994年(秋) | 名城大 | 223 |
1995年(春) | 東海大湘南 | 296 |
1995年(秋) | 金沢工大 | 224 |
1996年(春) | 東洋大朝霞 | 286 |
1996年(秋) | 九州産大 | 240 |
1997年(春) | 日大船橋 | 305 |
1997年(秋) | 秋田大 | 244 |
1998年(春) | 東京工科大 | 293 |
1998年(秋) | 広島大 | 251 |
1999年(春) | 理科大野田 | 294 |
1999年(秋) | 甲南大 | 227 |
2000年(春) | 青山学院大 | 292 |
2000年(秋) | 北海道工業大 | 249 |
2001年(春) | 明治大 | 307 |
2001年(秋) | 愛知工業大 | 287 |
2002年(春) | 東海大湘南 | 403 |
2002年(秋) | 新潟大 | 365 |
2003年(春) | 神奈川大 | 394 |
2003年(秋) | 福岡大 | 361 |
2004年(春) | 東京工科大 | 526 |
2004年(秋) | 東北学院大 | 401 |
2005年(春) | 埼玉大 | 505 |
2005年(秋) | 徳島大 | 417 |
2006年(春) | 武蔵工大 | 527 |
2006年(秋) | 立命館大 | 423 |
2007年(春) | 青山学院大 | 493 |
2007年(秋) | 北海道工業大 | 501 |
2008年(春) | 日大船橋 | 482 |
2008年(秋) | 中部大 | 431 |
2009年(春) | 筑波大 | 462 |
2009年(秋) | 富山大 | 414 |
2010年(春) | 東海大 | 495 |
---|---|---|
2010年(秋) | 長崎大 | 435 |
2011年(春) | 神奈川工科大 | 545 |
2011年(秋) | 山形大 | 485 |
2012年(春) | 早稲田大 | 550 |
2012年(秋) | 愛媛大・松山大 | 470 |
2013年(春) | 神奈川工科大 | 493 |
2013年(秋) | 同志社大 | 439 |
2014年(春) | 青山学院大 | 475 |
2015年(春) | 東海大 | 524 |
2015年(秋) | 名古屋国際会議場 | 432 |
2016年(春) | 東工大 | 583 |
2016年(秋) | 朱鷺メッセ | 460 |
2017年(春) | パシフィコ横浜 | 540 |
2017年(秋) | 福岡国際会議場 | 553 |
2018年(春) | 早稲田大 | 578 |
2018年(秋) | 名古屋国際会議場 | 470 |
2019年(春) | 東工大 | 474 |
2019年(秋) | 北海道大 | 553 |
2020年(春) | 上智大 | 中止 |
2020年(秋) | オンライン | 273 |
2020年(春) | オンライン | 337 |
2021年(秋) | オンライン | 334 |
2022年(春) | 青山学院大&オンライン | 384 |
2022年(秋) | 東北大&オンライン | 473 |
2023年(春) | 上智大&オンライン | 444 |
2023年(秋) | 熊本城ホールほか3会場&オンライン | 467 |
中分類(2014年春季講演会より)
12.1. 作製・構造制御
12.2. 評価・基礎物性
12.3. 機能材料・萌芽的デバイス
12.4. 有機EL・トランジスタ
12.5. 有機・ハイブリッド太陽電池
12.6. ナノバイオテクノロジー
12.7. 医用工学・バイオチップ