Monthly Archives: 3月 2021

第6回 「薄膜・表面物理分科会論文賞」および「薄膜・表面物理分科会奨励賞」公募のお知らせ

 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会では2016年より,当該分野における優れた業績に対して「薄膜・表面物理分科会論文賞」および「薄膜・表面物理分科会奨励賞」をお贈りしております.つきましては,以下の通り候補者を公募いたします.自薦,他薦を問わず,多数の方々からのご応募をお待ちしております.

詳細PDF: 第6回 論文賞・奨励賞募集案内

薄膜・表面物理分科会論文賞

  • 表彰の対象は,薄膜・表面物理関連分野の進歩向上に寄与する優秀な原著論文で,2021年7月末日までの2年間に学術刊行物に掲載されたものの著者とする
  • すでに公に顕著な賞を受けた論文は候補対象とされない場合がある
  • 受賞者は著者全員とし,必ず,薄膜・表面物理分科会会員を含むものとする

薄膜・表面物理分科会奨励賞

  • 表彰の対象は,薄膜・表面物理関連分野の進歩向上に貢献すると期待される優れた若手研究者で,2021年7月末日までの1年間に発行された学術刊行物に掲載された原著論文の筆頭著者とする
  • 応募時に薄膜・表面物理分科会会員であり,表彰時の3月末時点で満39歳以下の者とする
  • すでに公に顕著な賞を受けた論文は候補対象とされない場合がある
  • 論文賞と重複しての応募を可能とする(論文賞を受賞すれば奨励賞への応募は取り消し)

提出書類:

  1. 推薦状(様式自由)のPDFファイル
    (1) 対象論文の題目,学術雑誌名,巻,発行年月
    (2) 候補者全員の氏名・所属・身分・連絡先(住所,電話番号,電子メールアドレス),および筆頭著者の生年月日(薄膜・表面物理分科会奨励賞の場合)
    (3) 推薦人氏名・所属・連絡先(他薦の場合)
    (4) 推薦文(400字程度で候補業績の優れた点を簡潔に記述する)
    (5) 候補業績に関わる,応用物理学会および当分科会の主催・共催する学術講演会・研究会等での発表状況
  2. 該当する論文のPDFファイル

書類提出期限:

>2021年9月30 日(木)必着(延長されました)

書類提出方法:

  • メールタイトルを「薄膜・表面物理分科会論文賞応募」もしくは「薄膜・表面物理分科会奨励賞応募」として添付ファイルと共に電子メールで提出して下さい. 提出の完了を同委員会事務局からの返信メールにて確認してください.

メール送付先:薄膜・表面物理分科会 表彰選考委員会 hakuhyou@jsap.or.jp

  • 諸事情により電子メールでの送付が困難な場合には,その旨を電子メールにて連絡の上,提出する電子ファイルをUSBメモリ等のメディアに収め,以下へ郵送(書留)にて提出してください.

〒113-0031 東京都文京区根津1-21-5 公益社団法人応用物理学会 薄膜・表面物理分科会 表彰選考委員会宛

贈呈式:

2022年応用物理学会春季学術講演会期間中に行います.

備 考:

各賞の規程については,下記URLをご参照ください.
https://annex.jsap.or.jp/tfspd/award/

更新:2021/3/23

セミナー:量子コンピュータの現状とハードウェア研究最前線

第49回 薄膜・表面物理セミナー (2021)

詳細PDF:第49回薄膜表面物理セミナーポスター

参加登録サイトはこちら

海外メーカが超伝導量子アニーリングマシンの商用ハードウェアを発売して以来、量子コンピュータへの期待が高まっており、国内でも社会実装に向けた取り組みも活発化しています。一方、克服すべき課題も多く、現在の汎用コンピュータのように利用できるようになるまでには、時間がかかると言われています。現在主流の量子コンピュータは、超伝導量子ビットを用いておりますが、他にも様々な原理や材料を用いた量子計算手法が提案されており、実用化に向けた研究開発が進められています。すなわち、量子コンピュータのハードウェア研究は、当分科会で扱う材料物理との関連が深い分野です。本セミナーでは、超伝導量子コンピュータの基礎・現状・研究動向について解説するとともに、トポロジカル絶縁体を用いたマヨラナ量子ビット、シリコン量子ドットを用いたスピン量子ビット、光量子コンピュータの最新研究動向を紹介します。

日時:2021年7月15日(木) 10:00-16:25

場所:ウェブ開催(お申込みいただいた方にご案内致します。録音・録画等禁止です。)

プログラム

日時 講演テーマ 講師
(敬称略)

7

15

(木)

10:00-10:05 開会
10:05-10:55 量子アニーリングによる量子 コンピュータ研究開発の現状 西森 秀稔
(東工大)
10:55-11:40 材料・プロセス技術者のための量子コンピュータ入門: 基礎から最先端まで 川畑 史郎
(産総研)
11:40-13:00 休憩
13:00-13:45 超伝導量子集積回路のプロセス開発とその課題 牧瀬 圭正
(天文台)
13:45-14:30 トポロジカル量子コンピューティング ーマヨラナ粒子の探索と量子ビットへの応用ー 石橋 幸治
(理研)
14:30-14:50 休憩
14:50-15:35 シリコン量子コンピュータに向けた基盤技術と物理に関する研究 小寺 哲夫
(東工大)
15:35-16:20 光量子コンピュータの現状と展望 武田 俊太郎
(東大)
16:20-16:25 閉会

 

参加費,テキスト代,消費税を含む.

薄膜・表面物理
分科会会員*
応用物理学会会員**
協賛学協会会員
学生 その他
10,000円 15,000円 3,000円 25,000円

* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.

** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.

現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.

http://www.jsap.or.jp/join/index.html

より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)

参加申込期間:

2021年3月18日(木)~7月9日(金)

参加申込方法:

本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.

参加費振込期間:

2021年7月9日(金)まで

参加費振込先:

三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ

企画に関する問合せ先:

産業技術総合研究所 宮田典幸
E-Mail: nori.miyata@aist.go.jp
東京工業大学 神谷利夫
E-Mail: tkamiya@msl.titech.ac.jp

参加登録問合せ先:

応用物理学会 事務局 分科会担当 福井 正幸
TEL: 03-3828-7723  FAX: 03-3823-1810
e-mail: fukui@jsap.or.jp

更新:2021/3/16

第5回 「薄膜・表面物理分科会 論文賞」及び「奨励賞」 受賞論文決定のお知らせ

審査の結果,以下の通り第5回「論文賞」および「奨励賞」の受賞論文が決定致しましたのでお知らせ致します.数多くの優れた論文のご推薦をありがとうございました.
受賞を記念して2021年春季講演会において受賞記念講演が実施されます.

1.「薄膜・表面物理分科会 論文賞」受賞論文

茂木 裕幸(筑波大学),汪 子涵(筑波大学),番場 隆文(筑波大学),髙口 裕平(東京都立大学),遠藤 尚彦(東京都立大学),吉田 昭二 (筑波大学),谷中 淳(筑波大学),大井川 治宏(筑波大学),宮田 耕充(東京都立大学),武内 修(筑波大学),重川 秀実(筑波大学)

受賞論文:“Development of laser-combined scanning multiprobe spectroscopy and application to analysis of WSe2/MoSe2 in-plane heterostructure”, Applied Physics Express 12, 045002 (2019).

受賞理由:マルチプローブ技術と光技術を組み合わせ,単原子層面内ヘテロ構造において,バンド配置を見積もった上で ps ~ nsスケールの幅広い光キャリアダイナミクスを明らかにしたものである.複数の探針を直接接触させて局所的な伝導特性を得る多探針法は強力な物性評価手法となっているが,本論文では,それをさらに発展させ,AFMカンチレバーを用いた単原子層材料への非破壊接触や,除震技術を含めた多探針測定系とフェムト秒パルスレーザー光学系の開発により,多探針による光変調計測や光ポンププローブ計測を実現した.これにより,単原子層材料においても電子物性評価,そして静的過程から超高速領域までの幅広い光応答評価手法として有用であることを示した.グラフェンに代表される単原子層材料が世界的に注目を集める中, 局所光応答計測へ向けた強力なツールとして寄与することが期待される技術を提案した本論文は,薄膜・表面物理分科会論文賞に値する.

受賞記念講演:
「光励起多探針技術の開発と低次元半導体評価への応用」
16p-Z15-6
3月16日15:00~15:30
中分類6.6 プローブ顕微鏡
セッション:Z15

2.「薄膜・表面物理分科会 論文賞」受賞論文

賈 軍軍(青山学院大学),数金 拓已(青山学院大学),中村 新一(青山学院大学),重里 有三(青山学院大学)

受賞論文:“p-type conduction mechanism in continuously varied non-stoichimetric SnOx thin films deposited by reactive sputtering with the impedance control”, J. Appl. Phys. 127, 185703 (2020).

受賞理由:機能性化合物成膜法として反応性スパッタリングに放電インピーダンスの 超高速でのin-situフィードバックシステムを構築し,p型 SnOの再現性の高い安定した成膜方法を確立した.さらに,成膜プロセスに工夫を重ねることで,p型SnOとn型SnO2両方の高性能な酸化錫薄膜を連続的に成膜することに成功した.また,これらの薄膜の中にp型とn型の両方が共存するときに,界面接合がキャリアホールの伝導機構へどのような影響をあたえるかに関してモデル化した.本成果は,同じ成膜プロセスで酸化物のp-n接合界面の作成が可能で,ハイスループットでの大面積生産も可能になることから,電子デバイスの量産プロセスとしての実用化が期待できるものであり,薄膜・表面物理分科会論文賞にふさわしいものと考える.

受賞記念講演:
「反応性スパッタによるSnOx薄膜のキャリアの発生源と伝導機構」
16a-Z33-1
3月16日9:00~9:30
中分類6.3 酸化物エレクトロニクス
セッション:Z33

3.「薄膜・表面物理分科会 奨励賞」受賞論文

山口 淳一(富士通研究所)
受賞論文:“Small bandgap in atomically precise 17-atom-wide armchair-edged graphene nanoribbons”, Communications Materials. 1, 36 (2020).

受賞理由:グラフェンナノリボン(GNR)は,その幅によってバンドギャップエネルギーを変えられる半導体であるが,これまで得られていたのは,幅が数原子と細くバンドギャップが2~4eVと大きなGNRばかりであった.本論文では,前駆体を用いたボトムアップ合成により,1 eV以下のバンドギャップを有する,リボン幅が17炭素原子のアームチェアエッジ型GNR(17-AGNR)の合成を実現している.表面・エッジの重要性を示しながら新規の薄膜材料を実現した極めて優れた業績であり,薄膜・表面物理分科会論文賞奨励賞に値する.

受賞記念講演:
「N = 17 アームチェアエッジグラフェンナノリボンの電子状態評価」
16a-Z31-7
3月16日10:45~11:00
中分類17.2 グラフェン
セッション:Z31


薄膜・表面物理分科会 表彰委員会
審査委員
住友 弘二(兵庫県立大,審査委員長)
市川 昌和(東京大)
一宮 彪彦(名古屋大)
越川 孝範(大阪電通大)
高桑 雄二(東北大)
繁野 雅次(日立ハイテクサイエンス)
本間 芳和(東京理科大)
武田 さくら(奈良先端大)
中塚 理 (名古屋大)

更新:2021/3/15