第3回 「薄膜・表面物理分科会 論文賞」及び「奨励賞」 受賞論文決定のお知らせ

審査の結果,以下の通り第3回「論文賞」および「奨励賞」の受賞論文が決定致しましたのでお知らせ致します。数多くの優れた論文のご推薦をありがとうございました。
尚,2019年3月の応用物理学会春季学術講演会の会場にて,表彰式ならびに受賞記念講演を予定しておりますので,是非ご聴講ください。

1.「薄膜・表面物理分科会 論文賞」受賞論文

受賞者:松本翼(金沢大学)、加藤宙光(産総研)、小山和博(デンソー)、小倉政彦(産総研)、
    竹内大輔(産総研)、猪熊孝夫(金沢大学)、徳田規夫(金沢大学)、山崎聡(産総研)

受賞論文:“Inversion channel diamond metal-oxide-semiconductor field-effect transister with normally off characteristics”, Scientific Reports, No.6, 31585, 2016.8

受賞理由:ダイヤモンド半導体は、高い絶縁耐圧、高い熱伝導率、電子・正孔の両キャリアの高い移動度などの物性値の優位性と、日本のレベルの高いSi技術を継承・発展させることが期待できる物質であり、次世代の半導体デバイス、特に省エネルギー化を実現するパワーデバイスとして期待されている。しかし反転層形成の基礎技術の構築は最重要課題となっていた。本論文はダイヤモンド基板でノーマリーオフ動作を有する反転層チャネルMOSFETを世界で初めて実証したことを報告している。この成果は、候補者らが有する独自のダイヤモンド表面構造及び酸化膜/ダイヤモンド界面構造の原子レベル制御(P ドープダイヤモンドの精緻な構造制御と絶縁膜/ダイヤモンド界面 OH 終端を利用した界面制御技術)と、ダイヤモンド半導体薄膜の高品質成長技術の融合と高度化に基づくものである。本研究は、今後省エネルギーパワーエレクトロニクス創成のトリガーとなり、応用物理学会の当該研究領域の発展、さらには産業や社会への貢献が大いに期待される。
以上のことから、対象論文は薄膜・表面物理関連分野の優秀な原著論文であり、薄膜・表面物理分科会論文賞に値する。

2.「薄膜・表面物理分科会 奨励賞」受賞論文

該当なし

 

薄膜・表面物理分科会 表彰委員会
審査委員
市川 昌和(東京大)
一宮 彪彦(名古屋大)
越川 孝範(大阪電通大)
繁野 雅次 (日立ハイテクサイエンス)
住友 弘二(兵庫県立大)
高桑 雄二 (東北大) 
武田 さくら(奈良先端大)
林 智広 (東京工業大)
本間 芳和(東京理科大)
田畑 仁 (東京大)、審査委員長

更新:2019/2/12