Category Archives: セミナー
セミナー:デバイス製造における固液界面現象の科学と技術
第53回 薄膜・表面物理セミナー (2025)
詳細PDF:第53回薄膜表面物理セミナー
我が国が復活を期す半導体製造において,ウェットプロセスは極めて重要な工程です.シリコン系から二次元材料,有機半導体までの多様な材料表面における高清浄化や三次元化,新機能の創出に対応できる洗浄やエッチング,コーティングや研磨等の研究開発が急務です.またこれには,固液界面に存在する電気二重層や狭所に閉じ込められた液体の挙動を正確に理解・制御することが不可欠です.加えて今日では,これらの課題解決に貢献できる先端的な人材の流動化や争奪戦が,世界レベルで起こっていることも特筆すべき点です.
本セミナーでは,次世代のデバイス製造で鍵となる固液界面現象に関わるサイエンスとテクノロジーの最前線を疾走する産官学の講師の方々に,最新の成果や話題をご紹介いただきます.
日時:2025年7月4日(金) 9:45-16:35
場所:大阪大学 中之島センター10F 佐治敬三メモリアルホール4 (ハイブリッド開催)
1.プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師 (敬称略) |
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7 月 4 日 (金) |
9:45〜9:50 | 開会 | |
9:50〜10:40 |
界面化学から見る半導体洗浄技術の過去・現在・未来 |
田中孝佳 (SCREEN セミコンダクターソリューションズ) |
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10:40〜11:30 |
シリコンバレーの半導体製造装置メーカーにおける先端デバイス開発の取り組み |
北島知彦(Applied Materials) |
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11:30〜12:50 | 昼食 | ||
12:50〜13:40 |
ナノ流体デバイスで明らかにする数nmから数100nmの溶液物性や構造 |
馬渡和真 |
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13:40〜14:30 |
ヘテロダイン検出振動和周波発検出生分光による水/酸化物界面の観測 |
田原太平 |
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14:30〜14:50 |
休憩 |
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14:50〜15:40 |
有機半導体の印刷成膜の現状と課題 |
藤井彰彦 |
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15:40〜16:30 | 溶液処理による遷移金属ダイカルコゲナイドの光学特性変調 | 桐谷乃輔 (東大) |
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16:30〜16:35 | 閉会 |
2.参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 0円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円,準会員:3,000円)にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
https://www.jsap.or.jp/ より入会登録を行い,会費支払及び仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込み下さい.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないで下さい.)
3.参加申込期間:2025年4月23日(水)~6月28日(土)
4.参加申込方法:
下記URLあるいはQRコードからイベントペイのサイトにアクセスし,参加登録してください.
https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=1804158131583761&EventCode=0797159211
コンビニ支払い,ペイジー決済可.
原則として,参加費の払い戻し,請求書の発行はできません.
領収書は申し込みサイトからダウンロード可能です.
5.参加費支払期限:2025年7月1日(火)
6.企画に関する問合せ先:
大阪大学 有馬 健太
E-Mail: arima@prec.eng.osaka-u.ac.jp
大阪大学 須藤 孝一
E-Mail: sudoh@sanken.osaka-u.ac.jp
7.参加登録問合せ先:
応用物理学会事務局分科会担当 岡本 晋一
TEL: 03-3828-7723
E-Mail: divisions@jsap.or.jp
更新:2025/3/8
セミナー:先端集積回路の技術動向と光機能融合技術
第52回 薄膜・表面物理セミナー (2024)
詳細PDF:第52回薄膜表面物理セミナー
集積回路市場は急速に成長しており、世界的な需要増加に対応するための製造能力の拡大が急務となっています。COVD-19の影響でサプライチェーンに大きな混乱が生じましたが、アジア太平洋地域中心に急成長が見込まれ続けており、工場の新設や投資が相次ぎ、技術競争が激化しています。本セミナーでは、重要な社会基盤である集積回路技術の最新の動向を講演いただくとともに、集積回路性能のさらなる向上のアプローチとして期待される光機能融合技術について薄膜・表面技術との関連にも着目しながら講演をいただきます。
日時:2024年7月4日(木) 13:00-16:45
場所:北陸先端科学技術大学院大学 東京サテライト研修室 C, D, E(ハイブリッド開催)
1.プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師 (敬称略) |
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7 月 4 日 (木) |
13:00〜13:05 | 開会 | |
13:05〜13:55 |
最先端ロジックプロセス技術の最新動向 |
山本知成 (東京エレクトロン) |
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13:55〜14:45 |
ナノスケールトランジスタの課題 |
内田 健(東大) |
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14:45〜15:00 | 休憩 | ||
15:00〜15:50 |
フォトニクス応用に向けた IV 族混晶ヘテロ構造の結晶成長技術 |
中塚 理 (名大) |
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15:00〜16:40 |
シリコンフォトニクス最新動向 |
竹中充 (東大) |
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16:40〜16:45 | 閉会 |
2.参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
7,000円 | 10,000円 | 0円 | 17,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円,準会員:3,000円)にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
より入会登録を行い,会費支払及び仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込み下さい.
(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないで下さい.)
3.参加申込期間:2024年4月29日(月)~6月28日(土)
4.参加申込方法:
下記URLあるいはQRコードからイベントペイのサイトにアクセスし,参加登録してください.
https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=1804158131583761&EventCode=0053570503
コンビニ支払い,ペイジー決済可.
原則として,参加費の払い戻し,請求書の発行はできません.
領収書は申し込みサイトからダウンロード可能です.
5.参加費支払期限:2025年7月1日(火)
6.企画に関する問合せ先:
大阪大学 有馬 健太
E-Mail: arima@prec.eng.osaka-u.ac.jp
大阪大学 須藤 孝一
E-Mail: sudoh@sanken.osaka-u.ac.jp
7.参加登録問合せ先:
応用物理学会事務局分科会担当 岡本 晋一
TEL: 03-3828-7723
E-Mail: divisions@jsap.or.jp
更新:2024/2/20
セミナー:ダイヤモンド研究の最前線
第51回 薄膜・表面物理セミナー (2023)
詳細PDF:第51回薄膜表面物理セミナー
ダイヤモンドは,極めて高い熱伝導率,移動度,絶縁破壊電界を有した次々世代パワー半導体やダイヤモンド中の窒素-空孔中心を用いた超高感度量子センサ等の量子技術応用への展開が期待されています.また,高濃度ホウ素ドープダイヤモンド電極は広い電位窓や長時間の電界還元に耐えうる高い安定性を有しているため,CO2を還元し有用な化合物へ変換するカーボンリサイクル技術への応用が注目されています.一方,高価なバルクダイヤモンドに対して,安価な直径数nmのダイヤモンドの製造が爆轟法により確立し,近年はカラーセンターナノダイヤモンドの合成や表面修飾ナノダイヤモンドを用いた生物・医療応用に関する研究開発も進められています.本セミナーでは,ダイヤモンドの研究開発で世界をリードする講師の方々に最新の成果をご紹介いただきます.
日時:2023年8月7日(月) 10:00-16:30
場所:金沢商工会議所 ホール (ハイブリッド開催)
1.プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師 (敬称略) |
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8 月 7 日 (月) |
10:00-10:05 | 開会 | |
10:05-10:55 | ダイヤモンドウェハ作製技術開発の現状と展望 | 山田 英明
(産総研) |
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10:55-11:45 | ダイヤモンドMOSFETの高周波およびパワー半導体への展開 | 川原田 洋
(早大) |
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11:45-13:00 | 休憩 | ||
13:00-13:50 | ダイヤモンド電極を用いたCO2からの有価物生成 | 栄長 泰明
(慶応大) |
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13:50-14:40 | ダイヤモンド量子技術応用へ向けたCVD成長・デバイス化技術の現状と展望 | 加藤 宙光
(産総研) |
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14:40-15:00 | 休憩 | ||
15:00-15:50 | 爆轟法による蛍光ナノダイヤモンドの大規模合成と応用展開 | 牧野 有都
(ダイセル) |
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15:50-16:40 | 生物医療応用に向けたナノダイヤモンド表面の機能化 | 小松 直樹
(京大) |
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16:40-16:45 | 閉会 |
2.参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 0円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円,準会員:3,000円)にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
より入会登録を行い,会費支払及び仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込み下さい.
(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないで下さい.)
3.現地会場定員:90名
(現地参加申込者が90名になり次第締め切りますので、以降はオンライン参加にてお申込みください.)
4.参加申込期間:
2023年5月22日(月)~7月28日(金)
5.参加申込方法:
下記URLあるいはQRコードからイベントペイのサイトにアクセスし、参加登録してください。
https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=1804158131583761&EventCode=7983001574
コンビニ支払い、ペイジー決済可.
原則として、参加費の払い戻し、請求書の発行はできません.
領収書は申し込みサイトからダウンロード可能です.
6.参加費支払期限:
2023年7月28日(金)
7.企画に関する問合せ先:
金沢大学 徳田 規夫
E-Mail: tokuda@se.kanazawa-u.ac.jp
(株)東芝 宮崎 久生
E-Mail: hisao2.miyazaki@toshiba.co.jp
8.参加登録問合せ先:
応用物理学会事務局分科会担当 岡本 晋一
TEL: 03-3828-7723
E-Mail: divisions@jsap.or.jp
更新:2023/4/13
セミナー:二次元磁性体研究の最前線
第50回 薄膜・表面物理セミナー (2022)
詳細PDF:第50回薄膜表面物理セミナーポスター
トポロジカル物質の発見は、新しい物質観をもたらし、物質科学の新たな局面を切り開きつつあります。日々新しい発見が報告されており、20世紀に確立されたように思えた物性物理に、新しいパラダイムが訪れ、我々は21世紀の新しい科学が誕生する瞬間に立ち会っているのかもしれません。本セミナーでは二次元物質のスピンに注目し、難解に見えるトポロジカル物質の電子、スピン物性の基本から、今進行している二次元磁性体における最先端研究、理論から予測される新規物性、将来的な応用展開等を紹介します。
日時:2022年7月22日(金) 10:00-16:30
場所:東京理科大学森戸記念館 第 2 フォーラム (ハイブリッド開催)
プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師 (敬称略) |
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7 月 22 日 (金) |
10:00-10:05 | 開会 | |
10:05-10:55 | 薄膜・表面物理のための磁性・スピントロ二クス入門 | 長谷川修司 (東大) |
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10:55-11:40 | 新しい原子層磁性体の開拓とそのスピン物性 | 新見康洋 (阪大) |
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11:40-13:00 | 休憩 | ||
13:00-13:45 | 二次元磁性体に現れる創発粒子:理論予測と物質設計 | 求幸年 (東大) |
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13:45-14:30 | 次元性や対称性から生まれる巨視的スピン応答 | 戸川欣彦 (阪公大) |
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14:30-14:50 | 休憩 | ||
14:50-15:35 | 次世代スピントロニクスへの応用に向けた二次元物質/磁性体ヘテロ構造の研究 | 境誠司 (QST) |
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15:35-16:20 | 分裂するスピン:キタエフ量子スピン液体におけるマヨラナ粒子 | 松田祐司 (京大) |
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16:20-16:25 | 閉会 住友弘二 幹事長 |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円,準会員:3,000円)にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
より入会登録を行い,会費支払及び仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込み下さい.
(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないで下さい.)
参加申込期間:
2022年5月23日(月)~7月22日(金)
参加申込方法:
下記URLあるいはQRコードからイベントペイのサイトにアクセスし、参加登録してください。
https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=1804158131583761&EventCode=3426287762
コンビニ支払い、ペイジー決済可.
原則として、参加費の払い戻し、請求書の発行はできません.
領収書は申し込みサイトからダウンロード可能です.
参加費振込期間:
2022年7月22日(金)まで
企画に関する問合せ先:
北海道大学 赤井恵
E-Mail: akai@ist.hokudai.ac.jp
トヤマ(株) 中原 仁
E-Mail: hitoshi.nakahara@toyama-jp.com
参加登録問合せ先:
応用物理学会事務局分科会担当 白石陽子
TEL: 03-3828-7723
E-Mail: divisions@jsap.or.jp
更新:2022/5/11
セミナー:量子コンピュータの現状とハードウェア研究最前線
第49回 薄膜・表面物理セミナー (2021)
詳細PDF:第49回薄膜表面物理セミナーポスター
海外メーカが超伝導量子アニーリングマシンの商用ハードウェアを発売して以来、量子コンピュータへの期待が高まっており、国内でも社会実装に向けた取り組みも活発化しています。一方、克服すべき課題も多く、現在の汎用コンピュータのように利用できるようになるまでには、時間がかかると言われています。現在主流の量子コンピュータは、超伝導量子ビットを用いておりますが、他にも様々な原理や材料を用いた量子計算手法が提案されており、実用化に向けた研究開発が進められています。すなわち、量子コンピュータのハードウェア研究は、当分科会で扱う材料物理との関連が深い分野です。本セミナーでは、超伝導量子コンピュータの基礎・現状・研究動向について解説するとともに、トポロジカル絶縁体を用いたマヨラナ量子ビット、シリコン量子ドットを用いたスピン量子ビット、光量子コンピュータの最新研究動向を紹介します。
日時:2021年7月15日(木) 10:00-16:25
場所:ウェブ開催(お申込みいただいた方にご案内致します。録音・録画等禁止です。)
プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師 (敬称略) |
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7 月 15 日 (木) |
10:00-10:05 | 開会 | |
10:05-10:55 | 量子アニーリングによる量子 コンピュータ研究開発の現状 | 西森 秀稔 (東工大) |
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10:55-11:40 | 材料・プロセス技術者のための量子コンピュータ入門: 基礎から最先端まで | 川畑 史郎 (産総研) |
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11:40-13:00 | 休憩 | ||
13:00-13:45 | 超伝導量子集積回路のプロセス開発とその課題 | 牧瀬 圭正 (天文台) |
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13:45-14:30 | トポロジカル量子コンピューティング ーマヨラナ粒子の探索と量子ビットへの応用ー | 石橋 幸治 (理研) |
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14:30-14:50 | 休憩 | ||
14:50-15:35 | シリコン量子コンピュータに向けた基盤技術と物理に関する研究 | 小寺 哲夫 (東工大) |
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15:35-16:20 | 光量子コンピュータの現状と展望 | 武田 俊太郎 (東大) |
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16:20-16:25 | 閉会 |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
http://www.jsap.or.jp/join/index.html
より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)
参加申込期間:
2021年3月18日(木)~7月9日(金)
参加申込方法:
本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.
参加費振込期間:
2021年7月9日(金)まで
参加費振込先:
三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ
企画に関する問合せ先:
産業技術総合研究所 宮田典幸
E-Mail: nori.miyata@aist.go.jp
東京工業大学 神谷利夫
E-Mail: tkamiya@msl.titech.ac.jp
参加登録問合せ先:
応用物理学会 事務局 分科会担当 福井 正幸
TEL: 03-3828-7723 FAX: 03-3823-1810
e-mail: fukui@jsap.or.jp
更新:2021/3/16
セミナー:ニューロデバイスに向けた最新メモリデバイス・薄膜材料技術
第48回 薄膜・表面物理セミナー (2020)
詳細PDF:第48回薄膜表面物理セミナーポスター
人間の脳の動作を模倣した、学習機能を有するニューロデバイスに関する研究が産官学で活発に進められています。ニューロデバイスの実現には、重み付け素子として高性能な不揮発性メモリを用いることが重要です。最先端のフラッシュメモリでは、微細化と3次元積層技術の進展により1TBのメモリが実用化されるに至っていますが、さらなる高性能化を目的として、新しい動作原理や薄膜技術を用いた多様な新規不揮発性メモリの研究が盛んに行われています。本セミナーでは、ニューロデバイスへの応用を踏まえ、最先端の不揮発性メモリデバイスおよび薄膜材料技術について、第一線でご活躍されている講師の方々に最新の成果をご紹介頂きます。最新の研究動向を知りたい皆様や次世代を担う若手の皆様など多くの方々のご参加をお待ちしております。
日時:2020年12月7日(月) 10:00-16:25
場所:ウェブ開催(お申込みいただいた方にご案内致します。録音・録画等禁止です。)
プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師 (敬称略) |
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12 月 7 日 (月) |
10:00-10:05 | 開会 | |
10:05-10:55 | 不揮発性メモリを用いたAI プロセッサ/ニューロモルフィック回路技術の進展と今後の展望 | 森江 隆 (九工大) |
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10:55-11:40 | 不揮発性メモリを用いたアナログ抵抗変化制御の現状と課題 | 長谷川 剛 (早稲田大) |
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休憩 | |||
13:00-13:45 | 強誘電体メモリトランジスタの基本とメモリ回路への応用 | 酒井 滋樹 (産総研) |
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13:45-14:30 | Voltage-Control Spintronics Memory とそのIn-memory Computing への応用 | 與田 博明 (SOT-I 株式会社) |
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休憩 | |||
14:50-15:35 | 相変化メモリ材料の研究開発動向 | 須藤 祐司 (東北大) |
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15:35-16:20 | 大容量化に向けた三次元フラッシュメモリセル技術 | 三谷 祐一郎 (東京都市大) |
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16:20-16:25 | 閉会 |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
http://www.jsap.or.jp/join/index.html
より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)
参加申込期間:
2020年10月2日(金)~11月30日(月) 延長されました
参加申込方法:
本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.
参加費振込期間:
2020年10月16日(金)~11月30日(月) 延長されました
参加費振込先:
三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ
企画に関する問合せ先:
東レリサーチセンター 山元隆志
E-Mail: Takashi_Yamamoto@trc.toray.co.jp
東京工業大学 大見俊一郎
E-Mail: ohmi@ee.e.titech.ac.jp
参加登録問合せ先:
応用物理学会 事務局 分科会担当 五十嵐 周
TEL: 03-3828-7723 FAX: 03-3823-1810
e-mail: igarashi@jsap.or.jp
更新:2020/9/15
セミナー:ニューロデバイスに向けた最新メモリデバイス・薄膜材料技術
第48回 薄膜・表面物理セミナー (2020)
新型コロナウイルス感染拡大のため、延期させていただきます。(開催時期未定)
詳細PDF:第48回薄膜表面物理セミナーポスター
人間の脳の動作を模倣した、学習機能を有するニューロデバイスに関する研究が産官学で活発に進められています。ニューロデバイスの実現には、重み付け素子として高性能な不揮発性メモリを用いることが重要です。最先端のフラッシュメモリでは、微細化と3次元積層技術の進展により1Tbのメモリが実用化されるに至っていますが、さらなる高性能化を目的として、新しい動作原理や薄膜技術を用いた多様な新規不揮発性メモリの研究が盛んに行われています。本セミナーでは、ニューロデバイスへの応用を踏まえ、最先端の不揮発性メモリデバイスおよび薄膜材料技術について、第一線でご活躍されている講師の方々に最新の成果をご紹介頂きます。最新の研究動向を知りたい皆様や次世代を担う若手の皆様など多くの方々のご参加をお待ちしております。
日時:2020年7月10日(金) 10:00-16:30 (9:30 受付開始)
場所:キャンパス・イノベーションセンター東京
プログラム
日時 | 講演テーマ | 講師(敬称略) |
7 月 10 日 (金) | 10:00-10:05 | 開会 |
10:05-10:55 | 不揮発性メモリを用いたAIプロセッサ/ニューロモルフィック回路技術の進展と今後の展望 | 森江 隆 (九工大) |
10:55-11:40 | Voltage-Control Spintronics MemoryとそのIn-memory Computing への応用 | 與田 博明 (YODA-S株式会社) |
昼休憩 (80 分) | ||
13:00-13:45 | 強誘電体メモリトランジスタの基本とメモリ回路への応用 | 酒井 滋樹 (産総研) |
13:45-14:30 | 不揮発性メモリを用いたアナログ抵抗変化制御の現状と課題 | 長谷川 剛 (早稲田大) |
休憩 (25 分) | ||
14:55-15:40 | 相変化メモリ材料の研究開発動向 | 須藤 祐司 (東北大) |
15:40-16:25 | 大容量化に向けた三次元フラッシュメモリセル技術 | 三谷 祐一郎 (キオクシア) |
16:25-16:30 | 閉会 |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* | 応用物理学会会員** 協賛学協会会員 | 学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)
定員:
100名 (満員になり次第締め切ります.)
参加申込期間:
2020年4月17日(金)~6月18日(木)
参加申込方法:
本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.
領収書は当日会場にてお渡しいたします.
参加費振込期間:
2020年5月15日(金)~6月26日(木)
参加費振込先:
三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ
企画に関する問合せ先:
東レリサーチセンター 山元 隆志
E-Mail: Takashi_Yamamoto@trc.toray.co.jp
東京工業大学 大見 俊一郎
E-Mail: ohmi@ee.e.titech.ac.jp
参加登録問合せ先:
応用物理学会 事務局 分科会担当 五十嵐 周
TEL: 03-3828-7723 FAX: 03-3823-1810
e-mail: igarashi@jsap.or.jp
講演詳細
後日公開
更新:2020/3/28
セミナー:半導体GaNの基礎と応用 ― パワーデバイス開発のための合成・分析・構造設計技術 ―
第47回 薄膜・表面物理セミナー (2019)
詳細PDF:第47回薄膜表面物理セミナーポスター
III-V族半導体の一種であるGaNは、高温動作、飽和電子速度、最大電界強度に関してSiより優れた特性を有し、電圧変換や整流を担うパワーデバイスへの応用研究が産官学で進められています。GaNやSiCといったワイドバンドギャップ半導体は、電力損失の大幅低減や電力変換器の小型化を実現する「省エネルギーの切り札」とも言われています。製品化の観点ではSiCがやや先行しており、第40回薄膜・表面物理セミナーでは「半導体SiCの基礎と応用」というテーマを扱いました。今、GaNは青色発光ダイオードの材料として一躍脚光を浴び、結晶合成技術・評価技術ともに急速な進歩を遂げています。また、GaNはSiCよりも飽和電子速度が大きいことから、GaNデバイスは高周波通信分野へ展開され、5Gネットワークの本格的普及による世界的な市場拡大も見込まれています。本セミナーでは、この魅力的な材料であるGaNについて、第一線でご活躍されている講師の方々に最新の成果をご紹介頂きます。最新の研究動向を知りたい皆様や次世代を担う若手の皆様など多くの方々のご参加をお待ちしております。
日時:2019年7月26日(金) 10:00-17:30 (9:30 受付開始)
場所:東京理科大学 森戸記念館 第一フォーラム
(新宿区神楽坂4-2-2 ℡03-5225-1033)
アクセスマッップhttps://www.tus.ac.jp/tlo/new/pdf/event_20121030_map.pdf
プログラム
日時 | 講演テーマ(仮題) | 講師(敬称略) | |
7 月 26 日 (金) |
10:00-10:10 | オープニング | |
10:10-11:00 | WBGパワーデバイスの現状ならびに事業展開への課題 |
岩室 憲幸 (筑波大) |
|
11:00-11:50 | GaNの薄膜低温結晶成長技術とデバイス応用 | 藤岡 洋 (東大) |
|
昼休憩 (70 分) | |||
13:00-13:50 | GaN-MOSFETにおける絶縁膜/GaN界面特性およびチャネル移動度の面方位依存性 | 出来 真斗 (名古屋大) |
|
13:50-14:40 | GaN結晶の転位検出と評価の現状と課題 | 石川 由加里 (JFCC) |
|
休憩 (20 分) | |||
15:00-15:50 | GaN HEMTの高周波・高出力デバイスへの応用 | 吉田 成輝 (住友電工) |
|
15:50-16:40 | 窒化物半導体の時間空間分解カソードルミネッセンス評価 | 秩父 重英 (東北大) |
|
16:40-17:30 | Naフラックス法とOVPE法によるGaNバルク結晶育成技術の新展開 | 森 勇介 (大阪大) |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生 | その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 | 25,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
http://www.jsap.or.jp/join/index.html
より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)
定員:
100名 (満員になり次第締め切ります.)
参加申込期間:
2019年4月5日(金)~7月4日(木)
参加申込方法:
本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.
領収書は当日会場にてお渡しいたします.
参加費振込期限:
2019年7月18日(木)まで
参加費振込先:
三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ
企画に関する問合せ先:
物質・材料研究機構 永村 直佳
E-Mail: NAGAMURA.Naoka@nims.go.jp
滋賀医科大学 目良 裕
E-Mail: mera@belle.shiga-med.ac.jp
参加登録問合せ先:
応用物理学会 事務局 分科会担当 五十嵐 周
TEL: 03-3828-7723 FAX: 03-3823-1810
e-mail: igarashi@jsap.or.jp
講演詳細
講演題目
WBGパワーデバイスの現状ならびに事業展開への課題
講師
岩室 憲幸(筑波大)
パワーエレクトロニクス(パワエレ)装置の性能向上のひとつに、装置の小型・軽量化が挙げられる。パワエレ装置の内部を見てみると、意外にも、部品がなにもない“空間”、さらには冷却フィンや送風ファンに代表される冷却器が装置体積の多くを占めていることがわかる。つまり現在のパワエレ装置は、パワーデバイスを冷やすために全装置体積のかなりの部分を費やしているのである。パワエレ装置を設計する上で重要なパラメーターが、パワーデバイス接合温度Tj(ジャンクション温度)である。このジャンクション温度Tjが、シリコン(Si)デバイスの場合、一般的に150℃~175℃を超えると半導体素子が熱暴走して破壊してしまう可能性が大きいため、絶対にジャンクション温度Tjが上記温度を超えないように設計する必要がある。このようにパワエレ装置の小型・軽量化を実現するには、“空間”を含めた冷却器の小型化が絶対条件であり、そのために熱発生源であるパワーデバイスの損失を低減しTjの上昇を抑える、なおかつ200℃以上の高いTjでも熱暴走しないことが必要である。そしてこの低損失化、高Tj化を実現する次世代パワーデバイスとして、ワイドバンドギャップ(WBG)半導体材料を用いたパワーデバイスの登場が期待されているのである。WBG半導体にはいくつかの種類があるが、パワーデバイス向けの材料として注目されているのは、4H-SiC(炭化珪素:以下SiCと略す)、GaN(窒化ガリウム)、Ga2O3(酸化ガリウム)、そしてC(ダイアモンド)であろう。これらの材料は、バンドギャップEgと、それに伴う破壊電界強度EcがSiに比べて桁違いに大きいのが特徴である。その中でも、最近SiCならびにGaNデバイスがパワエレ製品に搭載されるなど、その実用化が始まっている。しかしながら現状では、性能、信頼性、さらには価格の面で市場の要求に十分応えられているとは言えない。ある調査会社の調査結果によると、2017年のパワーデバイス市場は99%がSiデバイスで占められており、また2030年においてもSiパワーデバイスの比率は依然として約90%を占める、と予想されている。本稿では特に最近のSiCならびにGaNパワーデバイスについて取り上げ、その最新技術や解決すべき課題について述べる。
講演題目
GaNの薄膜低温結晶成長技術とデバイス応用
講師
藤岡 洋(東大)
GaNパワーデバイスの開発は通常MOCVD法を用いて行われているが、有機金属原料からの炭素汚染など多くの解決すべき問題点が報告されている。最近、有機原料を用いないスパッタリングをベースとするPSD(Pulsed Sputtering Deposition)法が開発され、極めて品質の高いGaN結晶が低温で実現できることがわわかってきた。PSD法を用いて作成した無添加のGaN中の浅いドナーとなる酸素やSiの濃度は5×1015 cm-3以下であり、PSD結晶は極めて高純度であることがわかった。また、2 × 1016 cm−3 までSiのドーピングをおこなった試料は1240 cm2V−1s−1という高い移動度を示した。さらに高濃度までドーピングを行うと5 × 1020 cm−3まで安定に再現性よくSiのドーピングができ、1.6 × 10-4 Ωcmというこれまで報告されたことがない低い抵抗率が実現された。また、p型GaNやn型AlNに関しても高い移動度を持つ高品質材料が実現でき、PSD法が高純度窒化物薄膜の低温成長に適した手法であることがわかった。これまでにダイオードやトランジスタなど各種デバイスを用いてPSDの素子応用へのポテンシャルが確認されている。高い成長速度を維持したまま、高純度の窒化物エピタキシャル膜を安価に低温成長できるというPSDの特徴はパワーデバイス作製プロセスにとって有用であり、今後、素子応用面での開発が期待される。
講演題目
GaN-MOSFETにおける絶縁膜/GaN界面特性およびチャネル移動度の面方位依存性
講師
出来 真斗(名古屋大)
近年,GaN-MOSFETの実現に向けた研究が盛んに行われている。しかし、極性面であるc面が多く研究されている反面、非極性面や半極性面を用いた報告は少ない。4H-SiCではMOS構造の界面準位密度やMOSFETのチャネル移動度に対して面方位依存性が詳細に調査されており、GaNにおいてもこれらを調査することは縦型MOSFETの高性能化に向けて必要不可欠である。我々はm面GaN基板のオフ角によりエピ層の不純物濃度を制御できることを報告しており、本報告ではm面およびc面に作製した横型MISFETのチャネル移動度について報告する。m面(c軸方向−5°オフ)およびc面(a軸方向0.4°オフ)低抵抗GaN基板上にMOVPE法により意図的なドーピングをしないGaNを5µm成長した。Siをイオン注入しソース・ドレイン領域を形成し、ゲート絶縁膜として熱ALD法により基板温度260℃にてTMA、H2O を用いてAl2O3を50nm堆積した。ソース・ドレイン領域にTi/Al、ゲート電極としてNi/Auを堆積し、蓄積型横MISFETを作製した。金属の堆積には全てEB蒸着装置を用いた。
MISFETと同条件にてn-GaN(Si:4×1016 cm−3)上にAl2O3を製膜し、作製したMISキャパシタの界面準位密度分布を評価した結果、コンダクタンス法よりEc-0.4eV付近ではm面で1011eV-1cm-2未満とc面と比較して低く見積もられた。またTerman法よりEc近傍ではどちらも1012 eV-1cm-2程度分布していることが確認された。MISFETの伝達特性よりm面の閾値電圧VTHはc面と比較して1V程度高く、これはMISキャパシタのフラットバンド電圧の差とほぼ一致しており、絶縁膜の正の固定電荷密度がm面において低いと考えられる。ドレインコンダクタンスから求めた実効チャネル移動度μEFFの表面電子密度(Ns)依存性を評価した結果、μFEと同様にμEFFの最大値はm面で高い値であるものの、低Ns(<2×1012 cm−2)領域においてはc面の方が高いことが明らかになった。この領域ではクーロン散乱が支配的であり、散乱中心密度がc面で低いと考えられる。MISキャパシタにおいては、界面準位密度および固定電荷密度がm面で低いのに対して、FETのサブスレッショルドスウィングはc面で低い値を示しており、FETのプロセス中に導入された欠陥密度がm面で高く、散乱に寄与していると考えられる。一方、NSの高い領域ではフォノンあるいは表面ラフネスによる散乱が支配的であり、この領域における移動度はm面で高く、これらの散乱の影響がc面と比較して小さいことが示唆された。
講演題目
GaN結晶の転位検出と評価の現状と課題
講師
石川 由加里(JFCC)
SiC、GaN等のワイドバンドギャップ半導体は、次世代パワーデバイス用半導体として期待されている。しかし、転位がないことが前提のSi結晶とは異なり、SiCやGaN結晶には転位が高密度に内在している。高品質な種結晶の供給や安定した結晶成長が難しいことに加え、結晶本来の物性に由来した欠陥の発生もその原因となる。SiCでは、数多くの結晶形があるが、その生成エネルギー差が小さいために多形が生じ易い、基底面転位が容易に拡張して積層欠陥を生成するといった問題がある。一方、GaNでは、不純物の取り込みにより格子定数が大きく変化するためホモ成長であってもミスフィット転位が生じやすい。このことから、SiCやGaN結晶の転位密度を0にするには長い時間を要することが自明なため、結晶の0転位化を待ってデバイスの市場投入をするのではなく、デバイス性能や寿命に問題を引き起こす転位(キラー転位)を削減して市場投入することが現実解として認められている。キラー転位の削減は、キラー転位の同定および結晶成長条件とキラー転位発生の相関の解析等がなされた上で可能となる。SiC結晶の場合、市販結晶の成長法が昇華法に限られているため品質のばらつきが小さい上に、パワーデバイス用途の開発の歴史が長いため,、キラー欠陥の同定→削減のサイクルは繰り返されており、現在は基底面転位の拡張による積層欠陥の発生の抑制が課題となっている。一方、GaN結晶は成長法が多岐に渡るうえ、異種結晶上に成長することも多く成長中の転位の反応・合成が高確率で起きており、複雑なバーガースベクトルを持った転位の発生や様々な伸展方向の転位の存在などSiC結晶に比べ転位種のバリエーションが遥かに大きい。加えて、成長法毎に結晶に含まれる転位の種類(バーガースベクトル・転位線伸展方向)や種別割合が異なり、その検出と評価は容易ではない。
本講演では、SiCにおける転位の検出と分類法と比較しながら、GaNウエハ全域の転位を検出し分類できるエッチピット法、転位構造の評価法として透過型電子顕微鏡を用いた解析を中心に紹介するとともに、非破壊評価法であるCLや多光子PLとの整合性についても触れる。また、転位の分類の精度に影響を及ぼすパラメータを明らかにし、GaN結晶中の転位分類との評価法の今後の課題について述べる。
講演題目
GaN HEMTの高周波・高出力デバイスへの応用
講師
吉田 成輝(住友電工)
現在、急増し続ける通信トラフィックへ対応するために第五世代移動通信、5Gの開発が進められている。5Gの本格運用に向けて様々な技術の検討が進められているが、中でも基地局向け増幅器は5Gシステムの根幹を担う技術である。5Gではこれまでよりも高い周波数で動作することが求められており、当社では基地局向け増幅器のさらなる高周波・高出力化に取り組んでいる。
基地局向け増幅器には、これまでSi LDMOSやGaAs HEMTが数多く使用されてきたが、GaN HEMTがその材料特性から注目されている。GaNは破壊電界が高く、飽和電子速度が速いことから、SiやGaAsよりも高周波・高出力化に有利である。当社では,他社に先駆けGaN HEMTを商品化し、GaN HEMTの市場を開拓してきた。現在、基地局向け増幅器に占めるGaN HEMTの割合は増加しており、5Gの普及とともに今後も増加していくと予想される。
本講演では、基地局向けGaN HEMTの構造と特徴、課題について紹介する。GaN HEMTの課題の一つに電流コラプスによる出力低下がある。電流コラプスは、GaN HEMTと表面保護膜の界面に電荷が捕獲されることが原因と考えられている。当社では電流コラプス低減のためにGaN HEMTの表面保護膜の開発に取り組んでおり、現在までの結果を報告する。
講演題目
窒化物半導体の時間空間分解カソードルミネッセンス評価
講師
秩父 重英(東北大)
パワーデバイス開発のための合成・分析・構造設計技術の一環として、局所発光ダイナミクス計測の必要性について少数キャリア寿命の観点から説明し、時間空間分解カソードルミネッセンス(STRCL)法および装置について紹介する。そして、GaNやAlGaN、InGaN混晶の計測により得られる物理情報の意味と、そこから考えられる、基板の持つ僅かなモザイクや結晶表面の構造が、成長薄膜に及ぼす影響について議論する。
半導体薄膜や量子ナノ構造における局所的な発光ダイナミクスを把握することは、結晶、薄膜やナノ構造の構成元素や不純物の不均一取り込みに因る、混晶組成の不均一性や膜厚の不均一性、電荷分布の不均一性、またそれらのデバイス特性への影響を明らかにする上で重要である。
近年、GaNパワーデバイス研究開発の進展が著しく、転位や積層欠陥のような構造欠陥だけでなく、電子および光デバイスの特性を究極的に司る、点欠陥起因のShockley-Read-Hall (SRH) 型非輻射再結合中心(NRC)の起源や分布を知る事が重要なテーマとなってきている。
我々は、励起対象半導体のバンドギャップに制限が無いこと、電子線の集束技術には定評があること等から、ワイドバンドギャップ半導体の局所励起には集束電子線が適していると考え、モード同期チタンサファイヤレーザの第3高調波により金属を光励起してパルス電子線を得る「フェムト秒レーザ励起パルス光電子銃」を開発し、それを走査型電子顕微鏡/カソードルミネッセンス複合装置に組み込む事によってSTRCL計測装置を構築し、ワイドバンドギャップ半導体の評価を行ってきた。
本セミナーでは、パワーデバイス用途を重視した、GaNのSTRCL計測例を紹介する。例えば、貫通転位密度を低く抑えたGaNにおいて、クラックや転位ループ近傍において非輻射再結合が顕著な場合の発光イメージングや局所ダイナミクス、積層欠陥(WZ-GaNとZB-GaNの界面)近傍でのエネルギー移送を含む発光ダイナミクスに関するデータを紹介する。また、表面構造に敏感なAlGaN混晶、InGaN混晶の成長時に起きる組成変調やNRC濃度の変化について紹介する。
講演題目
Naフラックス法とOVPE法によるGaNバルク結晶育成技術の新展開
講師
森 勇介(大阪大)
GaNウエハ作製用のバルクGaN単結晶として重要な要件は、歪等が少なく高品質であること、大口径であること、そして低コストであることが挙げられる。現在、実用化されている基板ウエハ用GaN結晶育成法としては、気相成長法であるHVPE法が主流である。HVPE法では成長速度が速いという特徴があるものの、異種基板を用いているため、結晶性の向上には限界があり、現状技術の延長では高品質・大口径・低コスト化の実現は困難とされている。一方,液相法であるアモノサーマル法やNaフラックス法は、気相法よりも成長速度が遅いが、原理的に成長環境が平衡状態に近いことから、何れの方法においても、HVPE法よりも結晶の高品質化が実現されている。そこで大阪大学ではNaフラックス法で作製した高品質GaN結晶を気相成長法の種結晶として用い、OVPE法によりバルクGaN結晶を成長することで、高品質GaNウエハの実用化を実現しようと研究開発を行っている。
大阪大学では、独立した複数のポイントシードからNaフラックス法によりGaN結晶を成長・合体・単一化させ、ポイントシードが形成されているサファイア基板からの剥離で低歪化するという全く新しい技術により、大口径・高品質GaN種結晶育成技術を研究開発している。気相成長法によるバルクGaN結晶成長のためのGaN種結晶開発においては、種結晶となるGaN結晶の格子定数を制御・均一化する必要がある。そのために、ポイントシード法でGaN結晶を成長させる際に横方向成長を促進することで、結晶内で格子定数が均一なGaN結晶の作製に成功している。多波回折を用いた高精度X線トポグラフィによる評価から、転位密度は概ね103~105 cm-2程度であることが明らかになった。また、ダイオードを作製してのI-V特性評価やC-AFMによる評価結果から、横方向成長の促進はリーク電流を低減できることが明らかになってきた。
大阪大学で研究開発されているOVPE法は実用化されているHVPE法と比較して、反応後の副生成物が水であるため装置内で堆積せず、1200℃以上の高温成長が可能になるなどの特長を有する。一方で、成長中に多結晶が生成するという課題があった。最近、CH4添加によりこの多結晶生成が抑制でき、2インチ化に成功している。また、結晶性を維持したまま高い酸素濃度添加(~1021 atoms/cm3)が可能で、その結果、低抵抗化(10-4 Ω・cm台)が実現されている。
更新:2019/3/25
セミナー:ダイヤモンドの形成技術から応用・未来技術 -センシングからグリーン・パワーデバイスまで-
第46回 薄膜・表面物理セミナー (2018)
詳細PDF:第46回薄膜表面物理セミナーポスター
参加登録サイトはこちら (締切を7月19日(木) まで延長しました。)
ダイヤモンドは、今後広範囲の応用が見込めるセンサーや量子デバイス、次世代パワーデバイス材料として非常に大きなポテンシャルを有しています. 近年、ダイヤモンドの研究開発は、応用を見据えた基板開発や材料、センサー、量子通信、電子デバイス開発など、広く、急速に進んでいます. このような中、現在、日本が世界を牽引している状況にあります. そこで本セミナーは、新たな研究者の参入等によるダイヤモンドの研究開発のさらなる推進を目指して、その魅力を広く知っていただくためのセミナーとして企画されました. 本セミナーでは、ダイヤモンドの研究開発で世界をリードする方々に、基礎から応用までの広い範囲についてご説明いただきます. 次世代の産業の核となる研究開発のテーマを模索されている企業の方々、また、次の世代を担う若手の皆様など、多くの方々のご参加をお待ちしております.
日時:2018年7月27日(金) 10:00-17:30 (受付開始 9:30)
場所:産総研 臨海副都心センター 別館11階会議室 11205室
(〒135-0064 東京都江東区青海2-3-26,新交通ゆりかもめ「テレコムセンター」駅下車 徒歩3分)
アクセスマッップhttp://www.aist.go.jp/aist_j/guidemap/tokyo_waterfront/tokyo_waterfront_map_main.html
プログラム(題目をクリックすると要旨がご覧になれます)
日時 | 講演題目 | 講師 | |
7 月 27 日 (金) |
10:00-10:10 | オープニング | |
10:10-11:00 | 究極の半導体「ダイヤモンド」の研究開発の現状 量子デバイスとパワーデバイス |
山崎 聡 (産総研) |
|
11:00-11:50 | NVセンターを用いる量子センシング:原理から応用・展望まで | 磯谷 順一 (筑波大) |
|
昼休憩 (70 分) | |||
13:00-13:50 | ダイヤモンドを用いた量子暗号通信から量子コンピューターまで | 小坂 英男 (横浜国大) |
|
13:50-14:40 | デバイス開発発展に向けたダイヤモンド基板の現状と課題 | 金 聖祐 (アダマンド並木精密宝石) |
|
休憩 (20 分) | |||
15:00-15:50 | 企業から見たダイヤモンドのデバイス応用への期待と課題 -電子源・耐環境・高耐圧素子への取り組みから- | 酒井 忠司 (東芝) |
|
15:50-16:40 | 相補型パワーインバータに向けたダイヤモンド2次元正孔ガス高耐圧電界効果トランジスタ | 川原田 洋 (早稲田大) |
|
16:40-17:30 | ダイヤモンド半導体ウェハの現状とデバイス展開 | 梅沢 仁 (産総研) |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生(分科非会員) 学生(分科会員) |
その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 1,000円 |
20,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
http://www.jsap.or.jp/join/index.html
より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)
定員
100名
参加申込期間
2018年4月6日(金)~7月5日(木) 7月19日(木) 締切を延長しました。
参加申込方法
本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.
領収書は当日会場にてお渡しいたします.
参加費振込期限
2018年7月19日(木)まで
参加費振込先
三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ
セミナー内容問合せ先
日新電機 林 司
e-mail: hayashi_tsukasa@nissin.co.jp
岐阜大学 伊藤 貴司
e-mail: itoh@gifu-u.ac.jp
参加登録問合せ先
応用物理学会 事務局 分科会担当 五十嵐 周
TEL: 03-3828-7723 FAX: 03-3823-1810
e-mail: igarashi@jsap.or.jp
講演詳細
講演題目
究極の半導体「ダイヤモンド」の研究開発の現状
量子デバイスとパワーデバイス
講師
山崎 聡 (産総研)
高品質ダイヤモンド作製が可能となり、ダイヤモンド半導体としての研究開発は加速している。最近では、ダイヤモンド中の窒素‐空孔センタ(NVセンタ)を用いた量子デバイスが世界的に注目を浴びている。また、ダイヤモンドパワーデバイス開発は着実に進捗しており、大きなブレークスルーが期待されている。
応用物理学会・薄膜表面分科会が主催する本セミナーでは、量子センサーやパワーデバイスなどを中心に、ダイヤモンド半導体研究の最前線を多くの皆様に理解いただくことを目的としている。また、最初に行う私の講演部分では、全体説明として、ダイヤモンド半導体デバイス開発の全体像、なぜダイヤモンドか、また、国内外における研究開発状況、重要であるけれども、時間的な問題で本セミナーでは触れることができない応用の概略を紹介したい。
講演題目
NVセンターを用いる量子センシング:原理から応用・展望まで
講師
磯谷 順一 (筑波大)
NVセンターは共焦点顕微鏡を用いて単一欠陥を室温で検出できる。マイクロ波遷移を蛍光強度変化として検出するODMR(光検出磁気共鳴)により単一電子スピンのESR(電子スピン共鳴)スペクトルが得られる。NVセンターのESR/ODMR周波数は磁場、電場、温度、圧力などによって変化するので、これらを検出するセンサとなる。ゼロ磁場でもESR/ODMR周波数をマイクロ波領域にもつ。
NVセンターの特徴は、単一欠陥の単一電子スピンというまさしく“量子系”をセンサに使えることである。しかも、この量子系は光ポンピングによる初期化、蛍光強度のスピン副準位依存性による読み出し、マイクロ波パルスによるコヒーレント操作、長いコヒーレンス時間など、固体スピン量子ビットとしての優れた性質を室温で示す。重ね合わせ状態やその特別な場合であるエンタングルメント状態など量子力学固有の現象を用いることによって、センシングの感度、精度、選択性を大幅に向上できる。
高感度の最大の要因はコヒーレンス時間(重ね合わせ状態を保持する時間)が長いことにある。NVセンターの不対電子の波動関数は局在(~0.7 nm)しており、固体センサとして極めて小さく、ナノスケールの空間分解能をもたらす。核スピンからの弱い磁場を検出できる感度を、試料に近づけることで活かして、単一分子の室温検出・構造決定をめざすナノNMRが進展している。センサとして小さく、光でアクセスできるという特長は、ダイヤモンド表面近くの浅いNVセンターに加えて、ナノピラーを用いるスキャニング型、ナノダイヤモンド、NVセンター薄膜層を用いたワイドフィールド顕微鏡など様々な形での応用をもたらす。室温動作とダイヤモンドが生体親和性をもつことは生物・医学への応用の強みであるが、磁気現象・超伝導など材料への応用では極低温までの広い温度範囲で使える。
孤立したNVセンターの集団(アンサンブル)では、空間分解能を犠牲にするが、感度を稼ぐことができる。コヒーレント分光学である磁気共鳴の手法を用いるために量子センシングに含められている。室温動作の固体デバイスとして既存の磁気センサを代替することが期待される。
本セミナーでは量子センシングの原理から急速に進展している応用・将来展望までを概観する。
講演題目
ダイヤモンドを用いた量子暗号通信から量子コンピューターまで
講師
小坂 英男 (横浜国大)
ダイヤモンドは最も貴重な宝石として知られていますが、実は量子と呼ぶとても壊れやすい状態を長く保持する量子結晶としても貴重です。ダイヤモンドの欠陥に窒素を封じ込めたNV中心は、光の最小単位である光子の量子状態を電気の最小単位である電子へと量子テレポーテーションの原理で転写し、天然の量子メモリーとして機能します。このようなダイヤモンドの特殊な能力は、モノのインターネット(IoT)の情報セキュリティを量子力学と呼ぶ物理法則で絶対的に守るカンタムセキュリティを提供します。
本講演では、量子暗号通信の長距離ネットワーク化に貢献する量子中継から、パスワードや証明書の不要な量子認証に至るまで、ダイヤモンドを利用した夢の技術を数々紹介します。これらの技術では、ダイヤモンドにおける光子、電子、核子の量子もつれを利用し、量子通信に用いる光子を量子メモリーとなるダイヤモンド中に量子テレポーテーションの原理で転写して長時間保存する、量子テレポーテーション転写を応用します。量子テレポーテーション転写とは、核子と量子もつれ状態にある電子に光子を吸収させるだけで、直接作用しない核子に光子の量子状態を転写し、10秒以上もの長時間保存可能なことを示す画期的な実験です。本実験は、量子中継の基本原理である量子テレポーテーションを極めて単純な原理で実現し、光子の量子状態を直接は届かない遥か遠方に高速かつ確実に再生かつ長時間保存できることを示唆するもので、物理法則で絶対的な安全性が保証された量子通信網の飛躍的長距離化・高信頼化に道を開くものと期待されます。
講演題目
デバイス開発発展に向けたダイヤモンド基板の現状と課題
講師
金 聖祐 (アダマンド並木精密宝石)
美しい輝きで古くから人々を魅了し続けてきたダイヤモンドは、自然界で、もっとも輝く宝飾として、また、もっとも硬い物質として知られている。しかし、ダイヤモンドの魅力はそれだけではない。熱伝導性・絶縁特性・耐環境性において、他の物質に比べて圧倒的に優れた特性を有しており、高耐圧・低損失・高速に動作する次世代パワーデバイス材料として有望視されている。
ダイヤモンドをパワーデバイスなど半導体用基板として用いる場合、既存半導体プロセスに適用できる基板サイズが求められる。ダイヤモンドは性質上、同種の下地基板上に成長させる、いわゆるホモエピタキシャル成長法を用いた場合、横方向より縦方向成長が支配的であり、大口径ダイヤモンド基板の作製は難しい。
その一方で、大口径化に適した方法として異種材料を下地基板に用いるヘテロエピタキシャル成長法がある。しかし、ダイヤモンドと下地基板の間の物性値の差に起因する歪の制御に課題があった。当社では、ヘテロエピタキシャル成長法における歪を緩和する「マイクロニードル」法を独自に開発し、現在直径1インチのダイヤモンド基板の作製に成功している。
また、大口径基板研磨技術開発も同時に行なっており、デバイスグレードの基板加工技術も確立している。さらに、ダイヤモンド基板上のMOSFETの開発もスタートしており、予想を上回る成果が得られている。
当日はダイヤモンド基板の現状と課題、当社のマイクロニードル法によるKENZAN DIAMOND(商標登録)の作製技術、デバイスグレードの研磨技術、MOSFETの電気特性について詳細に報告する。
講演題目
企業から見たダイヤモンドのデバイス応用への期待と課題
-電子源・耐環境・高耐圧素子への取り組みから-
講師
酒井 忠司 (東芝)
ダイヤモンドは、“究極の材料”としばしば表現される。硬度、熱伝導率、屈折率など、その極端な物性は、古くから知られ、宝石や工業用材料として、広く使われてきた。デバイス材料としての観点からも、ダイヤモンドは、極めて広いバンドギャップ(5.5eV)、負の電子親和力特性、炭素原子ならではの耐放射線性や耐スパッタリング性、さらに単体元素からなることによる結晶の高品質化可能性など、多様な魅力を有している。一方で、これらのユニークな物性は、ドーピングなどの伝導制御や絶縁膜形成、基板の加工や大面積化などの困難さと裏腹であり、デバイス応用は今も研究途上にある。しかし、ダイヤモンド合成以来の各種デバイスへの精力的な取り組みは、ダイヤモンド材料の物性への理解を深め、構造制御や高品質化などにブレークスルーをもたらし、新たな応用可能性広げるテクノロジードライバーとなってきた。本セミナーでは、これまでの多くのデバイス応用に向けた取り組みの中で、報告者がかかわってきた電子源、耐環境素子、高耐圧素子などの研究事例を中心に、企業からみたダイヤモンドのデバイス応用への期待と課題について考える。
講演題目
相補型パワーインバータに向けたダイヤモンド2次元正孔ガス高耐圧電界効果トランジスタ
講師
川原田 洋 (早稲田大)
講演題目
ダイヤモンド半導体ウェハの現状とデバイス展開
講師
梅沢 仁 (産総研)
ダイヤモンドは優れた材料性能により、究極の半導体材料として古くから期待されてきた。その用途は幅広く、特に高周波増幅回路、低損失パワーデバイス、超高温エレクトロニクス、耐放射線性素子などでの大幅な性能改善が予想されている。1990年代後半からの気相成長(CVD)技術の成熟により、高品質な単結晶エピタキシャル成長や安定した不純物ドーピングが可能となり、ダイオードや電界効果型トランジスタ等のテスト素子で高温動作や過酷環境性能など、Siをはじめとする既存半導体では難しかった特徴が示されている。
弊所ではダイヤモンドエレクトロニクスの産業化を見据えて、ウェハの大型化および各種デバイス性能の実証研究を行ってきた。CVDによる単結晶ダイヤモンド成長技術をベースとしたウェハ開発ではダイヤモンドソーによるスライシングが不要なスマートカット法や、これを応用したモザイク法を用いて2インチまでの大型化が可能となっており、一部の技術はすでに実用化に成功している。また、冷却機構を大幅に簡易化できるパワーエレクトロニクスを目標として、高温かつ長期安定性(400℃、1500時間以上)を有するショットキー電極の開発や、450℃の高温でも動作可能な金属-半導体電界効果型トランジスタを開発している。耐熱性脳を持つ電界効果型トランジスタは10MGyのX線を照射しても大きなドレイン電流劣化が無いことが確認できており、原子炉事故などの過酷環境においても素子が生存できる可能性が示されており、新たな用途が見え始めている。
本講演では、ウェハおよびパワーデバイス、耐環境デバイスの開発状況について述べるとともに、課題や今後の展開について紹介する。
更新:2018/3/20
セミナー:エネルギーハーベスティングのための薄膜・表面技術
第45回 薄膜・表面物理セミナー (2017)
詳細PDF:第45回薄膜表面物理セミナーポスター
参加登録サイト(4月6日より登録可能)はこちら (締切を7月10日(月) まで延長しました。)
新たな社会:Society 5.0の実現に向け,AIやビッグデータ解析の前提となる有効なデータ収集にはIoTが鍵となっております.その要素技術であるTrillionセンサを実現するためには,センサ自らが発電すること,すなわち環境に内在するエネルギーを利用する環境発電技術が喫緊の課題となっております.そこで本セミナーは,熱、振動、電磁波などからエネルギーハーベスティングを実現するため,薄膜・表面物理研究が如何に進められているかを概観するとともに,様々な研究分野の研究者、技術者が交流することを目指す研究会として企画されました.最先端のエネルギーハーベスティング技術について,基礎から応用まで,第一線でご活躍されている講師の方々に最新の研究成果を含めてご講演いただきます.多くの方々のご参加をお待ちしております.
日時:2017年7月21日(金) 10:00-17:30 (受付開始 9:30)
場所:産総研 臨海副都心センター 別館11階会議室 11205室
(〒135-0064 東京都江東区青海2-3-26,新交通ゆりかもめ「テレコムセンター」駅下車 徒歩3分)
アクセスマッップhttp://www.aist.go.jp/aist_j/guidemap/tokyo_waterfront/tokyo_waterfront_map_main.html
プログラム
日時 | 講演題目 | 講師 | |
7 月 21 日 (金) |
10:00-10:10 | オープニング | |
10:10-11:00 | エネルギーハーベスティング -人工光合成技術を中心に- | 井上 晴夫 (首都大学東京) |
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11:00-11:50 | スピンゼーベック機構を利用した熱発電 | 内田 健一 (NIMS) |
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昼休憩 (70 分) | |||
13:00-13:50 | 圧電薄膜を利用した振動発電 | 神野 伊策 (神戸大) |
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13:50-14:40 | 環境電磁波(地デジ放送)からのエネルギーハーベスティング | 川原 圭博 (東京大) |
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休憩 (20 分) | |||
15:00-15:50 | エレクトレットMEMS振動・トライボロジー発電 | 年吉 洋 (東京大) |
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15:50-16:40 | 湿度変化駆動薄膜アクチュエータ | 相田 卓三 (東京大) |
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16:40-17:30 | エネルギーハーベスティング無線技術 | 小宮 邦裕 (ローム) |
参加費,テキスト代,消費税を含む.
薄膜・表面物理 分科会会員* |
応用物理学会会員** 協賛学協会会員 |
学生(分科非会員) 学生(分科会員) |
その他 |
10,000円 | 15,000円 | 3,000円 1,000円 |
20,000円 |
* 薄膜・表面物理分科会賛助会社の方は分科会会員扱いといたします.
** 応用物理学会賛助会社の方は,応用物理学会会員扱いといたします.
現在非会員の方でも,参加登録時に薄膜・表面物理分科会(年会費:正会員:2,200円(学生・院生:500円),準会員:3,000円(学生・院生:500円))にご入会いただければ,本セミナーより会員扱いとさせていただきます.
http://www.jsap.or.jp/join/index.html
より入会登録を行い,仮会員番号を取得後,本セミナーにお申込みください.(年会費をセミナー参加費と同時にお振込なさらないでください.)
定員
100名
参加申込期間
2017年4月6日(木)~6月29日(木) 7月10日(月) 締切を延長しました。
参加申込方法
本ページ上部にある登録フォームから参加登録をお願いします.
参加登録完了後,ご連絡いただいた期日までに,下記銀行口座に参加費をお振込みください.
原則として参加費の払い戻し,請求書の発行はいたしません.
領収書は当日会場にてお渡しいたします.
参加費振込期限
2017年7月13日(木)まで
参加費振込先
三井住友銀行 本店営業部(本店でも可)
普通預金 口座番号:9474715
公益社団法人 応用物理学会 薄膜・表面物理分科会
シャ) オウヨウブツリガッカイ ハクマクヒョウメンブツリブンカカイ
セミナー内容問合せ先
産総研 三宅晃司
e-mail: koji-miyake@aist.go.jp
東京大学 田畑 仁
e-mail: tabata@bioeng.t.u-tokyo.ac.jp
参加登録問合せ先
応用物理学会 事務局 分科会担当 小田 康代
TEL: 03‐5802‐0863
e-mail: oda@jsap.or.jp
更新:2017/2/3