2016年春季 特別シンポジウム

 産学協働シンポジウム -未来創生に向けて-
 

趣旨

応用物理学会の技術を基盤とする産業界が、近年様々なパラダイムシフトに直面しています。その一つが、産業が技術主導ではなくコンセプトやアイデア主導となったことです。この変化は、企業が学会に参加しない一因ともなっています。であればこそ、コンセプトやアイディアと技術を結び付ける作業を新しい一つの技術と捉え直し、応物学会として産業の将来ビジョンを示し、コンセプトやアイデアと技術をつなぐ取り組みを行うことが必要ではないでしょうか。また、このような変化に伴い、産学官ともに様々な変革が必要になってきています。 本シンポジウムでは、未来創生へ向けて各界を代表するご講演者から、様々な視点からの変革の提案と、将来ビジョンについて、ご講演いただきます。

 

 

パネルディスカッション「未来創生の環境づくり」の内容について

1.大学:多様性を活かせる環境とは
昨今の大学は女性や外国人を積極的に増加させ多様性が増しています。 しかし、日本人男性の多様性を活かす工夫がなければ、女性や外国人の多様性も活かされないのではないでしょうか。
産学協働研究会が開催した昨年秋のイベント「産学協働の広場」では、基礎研究を望む企業の声に対し、短期的成果を望む大学という逆転現象が 見られました(「産学協働の広場」報告書)。 基礎研究にやりがいを見出す研究者が大学には必ず存在するはずです。 研究テーマの多様性だけでなく、研究の方向性(物性の基礎、新規材料、新技術、量産技術、新産業育成)、教育、産業界でのリーダシップなど、 様々な多様性を持った大学人がその個性を発揮するためにはどうしたら良いのか議論します。
 
2. 企業:新しいことを生みだす環境とは
いま企業では、リソースの削減やコストダウン要求ばかりが大きく、研究や開発を楽しむことができなくなっています。 しかし、楽しまなければ、夢を見なければ、わくわくしなければ、新しいことは生まれないのではないでしょうか。 電機メーカ復活のためには、研究/開発現場の、夢を見る力が必要です。そのためにはどうしたらよいか議論します。