幹事長挨拶
第41-42期幹事長 山部 紀久夫
平成24年4月から、山崎前幹事長から幹事長を引き継ぎました。薄膜・表面物理が、応用物理学分野でもますます重要性が増していこうとしています。東日本大震災、原発事故を経て、省エネ、省資源の方向性は加速される中、当分科会の役割もより大きくなっています。
原子論的分子論的なレベルにおけるナノサイエンス・ナノテクノロジーがますます進むにつれ、多面的な理解が求められてきて、研究者間の議論・情報交換の重要度が上がっています。同時に、それだけ学会の教育における立ち位置も、重要になってきています。薄膜・表面分科会として、基礎講座、セミナー、シンポジウムを主催し、さらに国際会議、特別研究会などの主催、共催、協賛を開催しています。分科会の使命は、多くのレベルの高い研究者を会員とする分科会ならではの特徴を活かし、担当幹事の方々をはじめ、会員の皆様の協力を得て、有効なものとすることと認識しています。
私自身の携わる絶縁膜技術においても、電気的特性を統計的な結果だけでも議論できた段階から、よりナノサイエンス的な取り扱いが入り込んできて、実験と理論との距離が近づき、議論することでより本質的な提案ができるようになってきています。実験家にとっても、現状のシミュレーションでどの程度まで使えるのか、どの部分の理解を進める必要があるのかなどを知ることは極めて重要性が増していることは確かで、時として、自身でシミュレーションすることも必要となっています。
技術レベルの深耕とともに、学会の役割も変化してきており、専門的知識を融合して、高いレベルでの議論ができるような下地を作り上げていくことが分科会としても重要な役割だと考えております。これは、会員皆様の協力があってこそ、成り立つことであり、今後とも積極的にご参加いただくようお願いいたします。