幹事長挨拶

第51-52期幹事長 住友 弘二

sumitomo

この度,51‐52期の幹事長を拝命いたしました.50周年の節目を超えてさらに発展を続けていく時期でありながら,コロナ禍も未だ収まらぬなかでの重責に身の引き締まる思いです.
学生時代にシリコン表面の構造(Ag/Si系)に関して低速イオン散乱を用いた研究を始めた時に応用物理学会に参加させていただいて以来,現在に至るまで長きにわたって薄膜・表面物理分野でお世話になってきております.Ge/Si系,CNTやグラフェンに加えて,人工細胞膜(脂質二分子膜)のようなバイオ応用にも研究対象を拡げながらも,表面の重要性は変わらず原子・分子レベルでの理解を目指して研究を続けております.長くお世話になっている薄膜・表面物理分科会の発展に少しでもお役に立てたらと思っています.
昨年の応用物理学会秋季講演会では,分科会50周年を記念してシンポジウムが実施されました.分科会で主催する各研究会や国際会議をリードする先生方,関連分野で活発な活動を続ける先生方から招待講演をいただき,薄膜・表面物理研究の今後の展望について活発な議論が行われ,本分科会のポテンシャルの高さを再確認しました.パネルディスカッションでは,SDGsやカーボンニュートラル等,変動の社会の中の課題に本分科会がいかに貢献していくかの議論も行われました.分科会の会員数減少を食い止め,社会全体として指摘されている科学技術力の低下の問題にも応えていく必要があります.分科会活動を通じて,薄膜・表面物理に関連する研究全般の活性化につなげていければと思っております.
本分科会の主要活動である,研究会,国際会議,セミナー,基礎講座,シンポジウム・チュートリアル,分科会会誌,論文賞表彰等をさらに充実させていくよう,常任幹事,幹事の先生方と力を合わせて取り組んでいく所存です.会員の皆様のご参加,ご協力をよろしくお願いいたします.

住友 弘二 (兵庫県立大学)