バイオミメティクスの歴史は古く生体構造・機能から着想を得て様々な製品が生み出され科学技術を発展させてきました。現在においても人工知能や人工筋肉、嗅覚・触覚センサなど生体を模倣した技術の発展は目覚ましいものがあります。
実際の生体システムでは検出-情報処理-応答という異なる機能がシームレスに統合し、超低消費電力で動作しています。その根底にはゆらぎ活用(確率共鳴)と多様な階層構造のインターフェイスレスな異機能調和があります。異機能間をどのように情報伝達をしているのか?小さく見るとイオンの移動とパルス信号の伝達が基礎になっています。しかし、生体の小さな動作原理を追うだけでは生体の柔軟で複雑な機能は解明できません。では、大きく見るとどうでしょう?様々な実験がなされていますが、生体というブラックボックスに入力を入れ、その出力を観察するといった現象を追い仮定の中から学術研究がなされています。
トータルバイオミメティクスは、個々の生体機能を総合的に俯瞰し、シームレスな情報受け渡し、ゆらぎの中のリズム、異機能間・同種機能間での再帰循環をキーワードに現象論では留まらない生体システムの具現化を目指します。そのような中、閉領域での自己書き換えオートポイエーシス的な考えを材料・デバイス・システムに取り入れる時が来ているのではないでしょうか。
爆発的に膨大する情報と消費エネルギーの根本解決を目指し、真に自然や人・生物にやさしい技術・社会を生体に学びながら創っていく。この概念を学理として構築し、社会で活用するためにはトータルバイオミメティックスという新たな研究基軸が不可欠でしょう。
このような考えのもと、大学・研究機関・企業と様々な分野にご賛同いただいた31名で本グループは2020年1月発足しました。
2022年12月現在、メンバーが100名を越え、人工知能に関わらず生体と材料・科学技術との融合に興味を持っている方が多いことを実感しています。
バイオミメティクスの歴史は古く、生体構造・機能から着想を得て様々な機能製品が生み出され科学技術が発展してきました。現在においても人工知能や人工筋肉、嗅覚・触覚センサなど生体を模倣した技術の発展は目覚ましいものがあります。
より良い異機能の調和、人親和性に優れた機能をさらに追及するためには、これまで個々の生体模倣の機能化から総合的に生体機能を俯瞰し、”ゆらぎの許容”、”シームレスな異機能調和”、”再帰循環”をキーワードに機能間をシームレスにつなぐトータルバイオミメティックスという新たな基軸が不可欠ではないでしょうか?
本研グループは、この考えに興味を持った大学・研究機関・企業の様々な分野の方々 31名で発足しました。
生体システムに興味があるけど曖昧で複雑で手が出せない。小を見ればイオンが動き・電気パルスが信号を伝えている。大きく見れば、ブラックボックスになった生体の現象しか観察できない、、、と考えている方は多いのではないでしょうか?
生体に学び、材料・デバイス・システム展開に興味のある方は、本研究グループで、様々な研究会・シンポジウムでの議論を通して、一緒に紐解きながら、真の自然調和・人親和性のある技術、社会を目指しませんか?
少しでも興味がありましたらご加入、お待ちしております。
2020年1月 大阪大学 神吉 輝夫