超伝導分科会について

幹事長からの挨拶

2019/4/1〜2021/3/31 幹事長 淡路 智(東北大学)

 寺井弘高前幹事長の後を引き継いで2019年4月より超伝導分科会幹事長を拝命致しました。超伝導分科会の幹事を2017年に退いてしばらくの間に応物学会や分科会の様子も様変わりしていて少々戸惑っていますが、2年間応用物理学会および超伝導分科会の発展のために尽力する所存ですので、会員の皆様には引き続きご指導・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 1911年の超伝導発見からもうすぐ110年となろうとする現在、超伝導物質は超伝導材料となり、 20 Tを超える超伝導磁石・核磁気共鳴(NMR)・磁気共鳴イメージング(MRI)・加速器・核融合・脳磁・心磁計測・量子コンピュータなど多くの機器に応用されています。2027年には超伝導磁石を利用した磁気浮上型高速鉄道リニア中央新幹線も商用運転予定です。現在普及しているこれらの多くは1950年代までに発見された金属系超伝導材料が用いられていますが、近年の高温超伝導材料の開発によりその様子が大きく様変わりしようとしています。すなわち、これまで考えられなかった20Kを超える高温運転MRIやSQUID、20 Tを超える強磁場超伝導磁石やそれを用いたコンパクト核融合及び次世代加速器、液体窒素冷却送電ケーブルなどです。また、金属系超伝導材料の一つであるNb3Sn線材も、あらためてその特性を大きく上げつつあります。超伝導転移温度も高圧下ではありますが、H3Sで203K、LaH10で260Kが報告されています。このように、高温超伝導材料によって超伝導技術は新たな展開を迎えようとしているところです。一方で、これらの研究開発においては、新たな物理的・材料学的課題が多く、物理学的視点を持って材料・応用機器を見る必要があり、まさに応用物理学会の役割が重要となっています。応用物理学会超伝導は、11.1基礎物性、11.2薄膜、厚膜、テープ作製プロセスおよび結晶成長、11.3臨界電流、パワー応用、11.4アナログ応用および関連技術、11.5接合、回路作製プロセスおよびデジタル応用の5つの中分類からなり、まさに異なる背景の研究者が共に集い議論できる場です。この利点を大いに活用できる仕組み作りをシンポジウムやチュートリアル等で提供し、分科会員の交流により超伝導技術の発展に繋げたいと考えております。ご意見等ありましたらお近くの分科会幹事か淡路まで御連絡頂けると幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。