超伝導分科会について

幹事長からの挨拶

2021/4/1〜2023/3/31 幹事長 筑本 知子(中部大学)

 2021年4月より超伝導分科会幹事長を拝命致しました。超伝導分科会は、その前身である高温超伝導研究会が高温超伝導フィーバーの最中に設立され、約2年半後の1990年に応用物理学会の一分科会として認められたとのことで、今年で31年目となります。この30年の間にMgB2、鉄系超伝導体、超高圧下での水素化物での超伝導の発現など材料系での様々なトピックスがありました。一方、応用面でもケーブル、電動機、発電機、超伝導磁石、NMR/MRI、加速器、核融合などのパワー応用から高感度磁気センサー(SQUID)、デジタル集積回路、量子コンピューター、THzやマイクロ波応用、光子受検出器等のデバイス応用が実用化のフェーズとなってきています。

 このように超伝導材料は物質面、応用面で他の材料系と比較して非常に広がりのある分野であり、新しい材料でもあるため様々な物理的・材料学的課題が多く、様々な分野の研究者・技術者を横につなぎ情報交換やディスカッションの場を提供し、知識を共有する、学会・分科会の役割が重要となっています。

 そのような情報交換・ディスカッションの場として、これまで分科会では、研究会やスクールの開催、超伝導ニュースの発行、春秋の学会におけるシンポジウムやチュートリアルセッションの開催などを行ってきました。特に研究会では、その時々のホットな話題や、研究の広がりのきっかけになりそうな話題等幅広いテーマを取り上げてきており、会員の情報交換のみならず、交流の場にもなってきました。昨年の年明けから始まったコロナ禍により一同に会しての会合の開催は困難になりましたが、その代わりオンラインの利点を生かして海外の方を講師に迎えて講演いただくなど、工夫を凝らして活動の活性化を図っているところです。その他の活動としては、超伝導分科会のスクールテキストの出版があります。これまで「高温超伝導体(上)-物質と物理-」、「高温超伝導(下)-材料と応用-」、「高温超伝導データブック」を発刊してきており、「高温超伝導体(上)-物質と物理-」については2013年に第二版を発行、今年3月により安価な電子版も発行し、よりお求めやすい形となりました。また「高温超伝導(下)-材料と応用-」については、新たに『超伝導技術の最前線(応用編)』として、2021年末頃に電子書籍として発刊予定です。また、応用物理学会企画の特別webコラム「GX:グリーントランスフォーメーションに挑む応用物理」(2021年11月1日公開)ではGXに資する様々な超伝導技術を紹介させていただくことになりました。

 超伝導分科会の活動が皆様にとってより魅力のある内容になるように、皆様のアイディアをいただきながら尽力する所存ですので、会員の皆様には引き続きご指導・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。ご意見等ありましたらお近くの分科会幹事か筑本まで御連絡頂けると幸甚です。