幹事長挨拶

小西 邦昭 KONISHI Kuniaki
東京大学

このたび、2025年4月より応用物理学会フォトニクス分科会の幹事長を務めさせていただくこととなりました。歴代の幹事の先生方が築き上げてこられた実績を受け継ぎつつ、フォトニクス分野のさらなる発展を目指して尽力してまいります。

フォトニクスとは、光、フォトンを利用した科学と技術の総称であり、光の生成、制御、伝送、検出、操作を含む広範な研究領域と技術分野を包含しています。 その応用範囲は極めて広く、新規光源の開発、高速インターネット通信を可能にする光ファイバー技術、バイオイメージングやレーザー治療といったバイオ・医療分野での革新、精密なレーザー加工や光計測、さらには量子通信や量子コンピュータといった量子技術まで、多岐にわたります。また、フォトニクス技術は学術的探究にとどまらず、産業界における技術革新や新しい応用の開拓にも大きく貢献しています。レーザーの登場以来急激な進歩を遂げたフォトニクスは、現代社会を支える基盤技術として不可欠なものとなっています。

フォトニクス分科会は、光に関わるあらゆる技術分野を横断的に結びつけ、新たな価値を創出する「横糸」の役割を担っています。学会でのシンポジウムやセミナーの開催、フォトニクスニュースやPhotonics Reviewなどの会誌の発行、ホームページ等を通じて、日本のフォトニクス研究の成果を国内外へ広く発信していきます。 また、海外の光科学関連学会との連携を強化することで国際的なつながりを深め、日本のフォトニクス分野のプレゼンスを向上させることを目指します。

さらに、若手研究者の育成を重要な柱と位置づけ、フォトニクスワークショップ等を通じて、次代を担う人材が自由に議論し挑戦できる環境の提供に努めます。 また、展示会でのセミナー開催や賛助会員へのサポートを通じて、学術界と産業界をつなぐ架け橋としての役割を果たすことを目指します。

これらの活動を通じて、我が国の応用物理学研究において重要な役割を占めるフォトニクス分野のさらなる活性化と将来の発展につなげていく所存です。

フォトニクス分科会会員の皆様とともに、この分科会をより一層魅力的で有意義なものにしていきたいと願っております。今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

応用物理学会フォトニクス分科会 幹事長
小西 邦昭