活動方針

界面ナノ電子化学研究会とは? 設立趣旨

半導体デバイス製造プロセスをはじめとする様々な分野で用いられるウエット処理技術は,固体/液体界面の現象をナノレベルで電気化学的見地などから理解し,デバイス材料などに及ぼす影響を先取りした研究開発が必要となっています.界面ナノ電子化学研究会は,ナノ電子化学の観点から,先端半導体デバイス,バイオデバイス,MEMSなどの製造プロセスにおける,液体(薬液,超臨界流体など)を用いた新たな処理・加工技術を創出することを目的として設立されました.

基本方針(ミッション)

ウエット処理技術に関係するエンジニアや研究者が集まる場を作り,固体/液体界面の現象をナノレベルで電気化学的見地などから議論できる体系を確立することを目指します.評価手法の共通化や標準化について方向性を固め,ウエット処理を学問として構築し,次世代へと教育できる環境を整えます.

LSIのウェットプロセスに向けて

半導体を中心とする電子デバイスのプロセス技術において,材料表面を清浄化,改質する技術は,デバイス界面の信頼性に対して極めて重要です.LSIは2xnmから1xnm,さらには数nm世代に向けて新構造,新材料の採用が進展し,ウェットプロセス・洗浄処理技術においては,微細パターンのダメージレスと高清浄化を両立しなければならい状況となっています.界面ナノ電子化学は,このような課題に対し解決策を創出することを目指します.

界面ナノ電子化学の応用

界面ナノ電子化学は,先端半導体デバイス,MEMS分野に限らず,パワーデバイス,環境,センサ,燃料電池など,固体/液体界面に関係するプロセスへの応用を目指します.

活動内容

•シンポジウム開催(秋季講演会):産業界からの積極的な発表を促し,本研究分野の進展や課題を広めます.
•定期研究会開催:特定テーマについて産学双方から講演を集め,基礎研究と応用の両面から検討を行います.
•若手エンジニア討論会開催:若手のエンジニアを集め討論し,本研究分野を先導する新しい世代を育成します.
•セミナー開催:本研究分野を学術として構築し,その中身をエンジニア等へと教育します.
•ワーキングループ活動:未知の課題に対し,問題提起から解決,情報共有を行います.

講演会(シンポジウム)

講演会へは本研究会の会員でない方も自由にご参加いただけます.なお,応用物理学会学術講演会のシンポジウムとして開催される場合は,学術講演会の参加申込が必要となります.

交流会カサロス

~これまでに無かった交流をオフサイトミーティングから~
半導体デバイスの微細化が進行し,超清浄な表面への要求は留まるところを知らない状況であり,ウェットプロセス・洗浄関係者にとって,そのハードルは益々高くなってきています.汚染除去,付着防止といったある種曖昧な目標の中で苦労されている方も多いでしょう.このような状況においても結果を求められており,またその要求に応えなければなりません.「ウェットプロセス・洗浄技術の向上を図るために企業や大学の枠を超えた新しい取組みはできないか」という話の中で,この交流会が始まりました.ウエットプロセス・洗浄に関係する方が集まり,お互いの情報交換,共有などコミュニケーションを図り「暗黙知の共鳴場」を形成し,ひいてはウェットプロセス・洗浄技術の向上につなげたいと考えています.皆様のご参加を心待ちにしています.

ポスター発表展

本研究会は界面ナノ現象を明らかにすることでウェットプロセスに関する学問を構築し,次世代へと教育できる環境を整えています.同時に本研究会成果物の実行者である若手の主体性が極めて重要です.そこで若手に発表の機会を与え,発表形式をポスターとすることによりベテラン技術者とのFace to faceの議論を通じ,若手の主体性強化を目的とし発表展を企画します.

ワーキンググループ

界面ナノ電子化学研究会では特定テーマの目的達成に向けたワーキンググループ(WG)を設置し,活動を進めています.現在「水のチャージアップWG」,「乾燥WG」,「吸着WG」が設置されています.WG活動についての質問,新たなWG設置の提案などございましたらお問い合わせよりご連絡下さい.

水のチャージアップWG

純水洗浄時にウエハ表面が帯電する現象(チャージアップ現象)に関する情報収集およびディスカッションを推進し,得られた知見を取りまとめ,界面ナノ電子化学研究会会員への情報提供を行うことを目的とし活動を行います.本WGは2013.1より第2期として活動を開始しました.

乾燥WG

半導体基板洗浄においては,洗浄後に必ず行う「乾燥」は気液固界面が複雑に存在する最も難しいプロセスです.「乾燥」を理解する目的でWG活動を行っています.

吸着WG

液中に存在する不純物がどのように界面に吸着するのかメカニズムを解明する目的で,ワークショップを通じてディスカッションを進めています.

当研究会名称の由来

当研究会発足当時,初代委員長の故 青木先生はNano Interface Control Electrochemical Technology,略してNICEに愛着をお持ちで,英名についてはすんなり決まりした.次にこれを日本語でどう表現するか? 界面・最表面など色々出ましたがしっくりこない.トポロジー(3次元)も重要だが,どちらかというと最表層での議論をしたい,ミクロスケールではなくナノスケール.現象・反応を一分子一分子で解明したい.化学的に! そこでは当然、電子が重要な働きをする.といった議論を経て,NICEのゴロ順とは外れていましたが「界面ナノ電子化学研究会」に落ち着きました.

その後,2012.8に当研究会の英名はInterfacial Nano Electrochemistry,略してINEへ変更しています.