有機分子・バイオエレクトロニクス分科会

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分科会について

幹事長挨拶


幹事長 間中 孝彰
東京科学大学 工学院 電気電子系

有機分子・バイオエレクトロニクス分科会(M&BE)は、物理や化学といった応用物理学の中核に加え、エレクトロニクス、バイオ、医療、材料科学など、さまざまな分野をつなぐ“ハブ”のような存在として発展してきました。この歩みは、多くの研究者の熱意と創造力の積み重ねによるものであり、この場を借りて、関係されたすべての方々に心より感謝申し上げます。M&BEでは、分野横断的なテーマを積極的に受け入れ、異なるバックグラウンドを持つ研究者が自然と集い、互いに刺激を与え合いながら成長していく――そんな雰囲気が、分科会の大きな魅力の一つです。

現在、私たちの社会は、気候変動、医療の高度化、持続可能なエネルギー、食と健康など、複雑で多面的な課題に直面しています。こうした課題に対しては、もはや一つの専門分野だけでは対応が難しく、「融合」や「連携」がこれまで以上に求められています。M&BEは、まさにこうした学際融合の実験場であり、新たなチャレンジの場として大きな可能性を持っていると考えています。近年では、AIやロボティクスといった急速に進展する技術との接点も増えています。有機分子やバイオの分野においても、データ駆動型の研究や自動化・最適化といったアプローチが求められるようになってきました。これらの新しい波を柔軟に受け止め、M&BEらしいかたちで取り込み、活用していく姿勢が、今後の分科会の発展にとってますます重要になってくるでしょう。そして、何よりも大切にしたいのが「人」の力です。とりわけ若手研究者が、自由に発想し、試行錯誤を重ねながらのびのびと研究に取り組める環境づくりが重要です。M&BEが、若手が主役となって活躍できる場であり続けることが、今後の発展のカギになると考えています。

世代を超えて、互いにリスペクトし合い、学び合いながら進んでいける分科会でありたいと願っています。本分科会がこれからどのような価値を生み出していけるのか。皆さまと共に考え、行動し、新たな一歩を踏み出していければと思います。引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

分科会の概要

目的

有機分子・バイオエレクトロニクス分科会は分子エレクトロニクス・バイオエレクトロニクス領域および関連分野における研究者の融合・交流の場を提供し、その科学・技術の向上発展に寄与することを目的としている。

本分科会では、有機分子系物質を基盤材料として、その構造制御・機能発現・界面特性制御・ デバイス化を目指し、電気・電子工学、化学、物理、バイオ、材料科学分野の幅広い研究活動が活発に展開している。今後5年、10年、応用物理学学会におけるエレクトロニクス・IT・環境エネルギー分野で重要な地位を占めることが期待されており、より新しい機能性材料の創出、新機能デバイスの開発によって、人間社会を豊かにする科学技術分野に成長することを目標としている。

事業

本分科会設立の趣旨および目的を達成するために次の事業を行ないます。

  1. Molecular Electronics and Bioelectronics(M&BE)分科会誌を発行する
  2. 研究会、講習会、シンポジウム講演会などを企画・開催する
  3. 図書その他の刊行物を企画・編集する
  4. その他本分科会の目的達成に必要な事業を行なう

統計

設 立 1990年4月
会員数 650名(2025年3月現在)内、準会員(分科会のみ):45名/B会員(本会・分科会):605名

学術講演会講演件数の推移

1993年(春) 青学大青山 262
1993年(秋) 北大 225
1994年(春) 明大理工 260
1994年(秋) 名城大 223
1995年(春) 東海大湘南 296
1995年(秋) 金沢工大 224
1996年(春) 東洋大朝霞 286
1996年(秋) 九州産大 240
1997年(春) 日大船橋 305
1997年(秋) 秋田大 244
1998年(春) 東京工科大 293
1998年(秋) 広島大 251
1999年(春) 理科大野田 294
1999年(秋) 甲南大 227
2000年(春) 青山学院大 292
2000年(秋) 北海道工業大 249
2001年(春) 明治大 307
2001年(秋) 愛知工業大 287
2002年(春) 東海大湘南 403
2002年(秋) 新潟大 365
2003年(春) 神奈川大 394
2003年(秋) 福岡大 361
2004年(春) 東京工科大 526
2004年(秋) 東北学院大 401
2005年(春) 埼玉大 505
2005年(秋) 徳島大 417
2006年(春) 武蔵工大 527
2006年(秋) 立命館大 423
2007年(春) 青山学院大 493
2007年(秋) 北海道工業大 501
2008年(春) 日大船橋 482
2008年(秋) 中部大 431
2009年(春) 筑波大 462
2009年(秋) 富山大 414
2010年(春) 東海大 495
2010年(秋) 長崎大 435
2011年(春) 神奈川工科大 545
2011年(秋) 山形大 485
2012年(春) 早稲田大 550
2012年(秋) 愛媛大・松山大 470
2013年(春) 神奈川工科大 493
2013年(秋) 同志社大 439
2014年(春) 青山学院大 475
2015年(春) 東海大 524
2015年(秋) 名古屋国際会議場 432
2016年(春) 東工大 583
2016年(秋) 朱鷺メッセ 460
2017年(春) パシフィコ横浜 540
2017年(秋) 福岡国際会議場 553
2018年(春) 早稲田大 578
2018年(秋) 名古屋国際会議場 470
2019年(春) 東工大 474
2019年(秋) 北海道大 553
2020年(春) 上智大 中止
2020年(秋) オンライン 273
2021年(春) オンライン 337
2021年(秋) オンライン 334
2022年(春) 青山学院大&オンライン 384
2022年(秋) 東北大&オンライン 473
2023年(春) 上智大&オンライン 444
2023年(秋) 熊本城ホールほか3会場&オンライン 467
2024年(春) 東京都市大&オンライン 433
2024年(秋) 朱鷺メッセほか2会場&オンライン 504
2025年(春) 東京理科大&オンライン 450

中分類(2025年春季講演会より)

12.1. 作製・構造制御
12.2. 評価・基礎物性
12.3. 機能材料・萌芽的デバイス
12.4. 有機EL・トランジスタ
12.5. 有機・ハイブリッド太陽電池
12.6. ナノバイオテクノロジー
12.7. 医用工学・バイオチップ
12.8. 特定テーマ︓有機無機ハイブリッドペロブスカイトの光電物性・デバイス作製・構造制御