有機分子・バイオエレクトロニクス分科会

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M&BE 市民講座

趣旨

2024年度開催報告

1. 実施内容
場所:兵庫県立長田高等学校
日時:2024 年 10 月 24 日(木) 6・7時間目(14:05~14:55, 15:05~15:55)
対象:1年生 39 名 (教諭 2 名)男子,女子 6:4 程度 ※文系を希望している学生もいるとのこと
講師:神戸大学 北村 雅季(編集・企画幹事 市民講座担当)

2.講義内容
「応用物理学における有機エレクトロニクス研究:ディスプレイ応用を中心に 」

6時間目
自己紹介をした後,応用物理学会,有機分子・バイオエレクトロニクス分科会について紹介.続いて,ディスプレイ応用として,液晶ディスプレイの仕組みについて説明.先ず,光の性質について紹介.また,光学フィルタに有機化合物が使われていることを説明し,実際の顔料を見せつつ,分子構造を紹介.分子構造の少しの違いで発色が変わることを説明.その後,有機 EL 素子の構造を説明.また,有機 EL素子に使用されている色素について,その溶液が紫外線照射下で蛍光を発する様子を実演.

7時間目
「次年度の探究活動につながる内容を盛り込んで欲しい」との要望があったため,「研究課題を設定するために」として①何について調べるか,②情報収集源,③研究方法,④研究結果のまとめ方について紹介した.

3.アンケート結果
[1] 有機エレクトロニクスについて
 A. 非常に興味が持てた 11
 B. 興味が持てた 17
 C. 少しは興味が持てた 9
 D. あまり興味が持てなかった 2
 E. まったく興味が持てなかった 0

[2] 今後の進路決定に役立つか
 A. 非常に役に立つ 9
 B. 役に立つ 18
 C. 少しは役にたつ 9
 D. あまり役にたたない 2
 E. まったく役にたたない 1

[3] 授業を受けた感想の要約
・応用物理学には難しいイメージがあったが,ガラスが電気を通す仕組みや新幹線の塗料に使われていると知り,身近で興味深く感じた.
・鉛筆や窓ガラスなど身近なものにも多くの研究の種があり、身近な対象を深く追求すると未知の世界に繋がっていることを実感した.
・全く知らなかった応用物理学についての知識を深めることができた.
・全く知らず興味もなかった分野でしたが,講義を通じて世界が広がり,工学系に興味がもてた.また,理系に進む自信も得られ,色が変わる液体には特に驚いた.
・物理が苦手で避けてきたが,講義で物理が化学や情報,生物と関わる分野もあると知った.生物が好きなので,バイオエレクトロニクスについて調べてみようと思う.
・工学系の話は難しかったものの,ディスプレイ機器が光の波の性質を利用してナノ単位で波の向きを変えて映像を表示する仕組みが興味深かった.
・電気電子工学科と物理工学科で悩んでいましたが,さまざまな情報を得られて良かった.特に液晶ディスプレイの話が面白く,もっと調べてみようと思う.
・前半は難しくてついていけなかったものの,とても面白く楽しんで聞けた.有機化学や応用物理学に進むかは分かりませんが,テーマ設定などで今日の講義の内容を大切にしたいと思う.
・前半の応用物理学の授業は難しかったが,あまり知らなかった分野を学ぶことができ,勉強になった.
・生物学と電子工学が融合したバイオエレクトロニクスという分野があること自体初めて知ったので新たな発見が沢山あった.
・色が分子によって決まることや光が波と粒の性質を持つこと,液晶の仕組みなど,以前からの疑問がほとんど解決できる良い機会となった.難しい化学式も理解し,さらに知識を深めて世界を広げたい.
・正直,これまで物理学や有機化学に興味がなく,知識もあまりありなかった.しかし,今日の授業を通じて液晶テレビなどが身近な学問だと分かり,もっと知りたいと思った.
・有機エレクトロニクスは難しいと感じたが,テレビや電卓に利用されていると聞いて身近に感じた.細かい部分はまだ理解しきれていないので,さらに調べて自分の知識にしたい.

4.まとめ
・高校を探すにあたり,神戸大学内で高校とのつながりのある先生に高校を紹介していただいたことで,比較的,スムーズに受け入れていただける高校を見つけることができた.
・長田高校は SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校であり,探究活動の一つとして講師を呼んでの授業があり,それもあり,引き受けていただけたとのこと.
・探究活動を行う生徒が集まっているせいか,講義はかなり熱心に聞いてもらえた.
・実際の有機材料や導電性フィルムなどを見せたのは興味を持ってもらうのに有効であったと思われる.
・アンケート結果から,応用物理,工学,有機エレクトロニクスについて知ってもらう良い機会になったと思われる.

以上

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