第261回 シリコンテクノロジー分科会Siナノテクノロジー研究委員会主催研究集会
量子コンピュータは、長年「夢の技術」として語られ、わずか十年程前ですら、その実現への挑戦はまだ萌芽的な段階にありました。今日もなお多くの困難を抱えていますが、世界的な研究参入と投資の加速により、その夢を現実のものとする挑戦が本格化しています。とりわけ、超伝導やイオントラップをはじめとするプラットフォームでは、量子ビット数の大規模化や量子誤り訂正の実現に向け、様々な課題を克服するための研究開発が急速に進められています。
一方、量子ドット構造を基盤としたシリコン量子ビットの研究は、半導体の発展で培われたCMOS技術を活かした超大規模集積化の可能性を背景に、次世代量子コンピュータの新たな地平を切り拓こうとしています。世界の主要企業や大学がこの分野に参入し、日本からも国際的に先導的な成果が続々と生まれています。さらに、シリコン量子ビットの制御を担う低温CMOS技術も、重要な研究課題として国内外で着実に進展しています。
本研究集会には、シリコン量子ビットと低温CMOS技術の最前線で活躍される研究者の皆様をお迎えし、実験・理論の両面から最新成果と将来展望を共有していただきます。シリコン量子ビットが今後どのように他のプラットフォームと対峙し、前進していくのか——その道筋を探るとともに、新たな挑戦の一歩を踏み出すきっかけとなり、日本のシリコン量子研究のさらなる飛躍へとつながることを心より期待しております。
開催場所
■対面:金沢工業大学虎ノ門キャンパス(先着100名)
東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル13F 1301教室
https://www.kanazawa-it.ac.jp/tokyo/map.htm
■オンライン:Zoom Webinar
※学生の皆様は、現地参加も含めて無料といたします。
ただし、会場収容人数の制約もあり現地参加のみ先着順といたします。
テーマ | シリコン量子コンピュータの最前線 ~量子ドットから低温CMOSまで~ |
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参加費 | ・シリコン継続会員,シリコンテクノロジー特別会員・賛助会員 無料 ・シリテク分科会会員 2,000円 ・その他 4,000円 ・学生 無料(但し、現地参加希望者は先着順で、人数制限あり) |
主催 | シリコンテクノロジー分科会 Siナノテクノロジー研究委員会 |
プログラム
(1) 13:05~13:50
[招待講演] Si量子ビット技術―基本操作とコヒーレンス特性
米田 淳(東京大学)
(2) 13:50~14:35
[招待講演] Si量子ドット理論からの量子コンピュータの展望(仮)
都倉 康弘(筑波大学)
--- 休憩(14:35~14:50)---
(3) 14:50~15:35
[招待講演] 大規模集積シリコン量子コンピュータ技術(仮)
水野 弘之(日立製作所)
(4) 15:35~16:20
[招待講演] 量子ビット制御回路に向けたクライオCMOSデバイス技術
岡 博史(産業技術総合研究所)
--- 休憩(16:20~16:35)---
(5) 16:35~17:20
[招待講演] 低温CMOSデバイス物理:キャリアフリーズアウトを中心として(仮)
内田 建(東京大学)
(6) 17:20~18:05
[招待講演] 誤り耐性量子コンピュータに向けたSi量子ビットの高忠実度化技術(仮)
中島 峻(理化学研究所)
18:05~18:10 クロージング