1999年7月23日(金) 9:15-17:00

第11回 研究集会

 今まで半導体集積回路の高集積化を牽引してきた微細加工技術、特に光リソグラフィ技術は、今まで何度かその解像限界に直面し、その限界が叫ばれ、次世代をどう乗り切るかという危機に瀕して来た。しかし、その度に新しい技術の導入や、短波長化によって、その課題を乗り越え、現在に至っている。ところが、半導体集積回路の微細化の速度は,光リソグラフィの短波長化の速度より速く、最近では露光に用いる光の波長より短い寸法の加工が要求されるまでになっている。この結果、光リソグラフィにおける本当の解像限界が目前に迫ってきたというのが今日の状況であろう。更なる短波長化の試みもなされているが、技術開発に残された時間は短く、開発コストも巨額になると言われている。同時に光以外の様々な次世代のリソグラフィ技術を導入しようという議論もかまびすしくなってきている。しかし、工業の現場では、今まで慣れ親しんできた光リソグラフィ技術を、今後も使っていきたいという要求も強い。現状では、次世代の130nmレベルの加工に光を用いて行おうというコンセンサスは出来上がっていると言って良いだろう。しかし、その先はわからない。また130nmにどの光リソグラフィ技術を用いて行うかについてはまだ明快な解答はない。
 そこで今回のテーマを"光リソグラフィ技術の限界とその突破"と題して、最近の光リソグラフィ技術の状況を中心に議論したい。130nmをどうするのか?100nmは次世代の技術に道を譲るのか?このテーマを議論するには、いわゆる解像度向上技術と呼ばれる技術や、そのためのCAD技術、短波長化のための装置技術、レジスト材料技術、さらに高精度化、高機能化のためのマスク技術等、多岐にわたった技術の正しい現状認識と、今後の見通しが必要である。今回は、現状のKrFエキシマレーザリソグラフィ技術がどこまで使えるか、その技術課題と限界を中心に、高解像力化への可能性や設計側の工夫等を、ArF等の短波長化による高解像力化と対比して議論することを企画した。

開催場所

武蔵工業大学(定員100名) 312教室

https://annex.jsap.or.jp/silicon/shousai/map11.htm
テーマ 光リソグラフィ技術の限界とその突破
オーガナイザー 岡崎 信次(超先端電子技術開発機構)

プログラム

9:15~9:30
開会の挨拶(コーディネートにあたって)
超先端電子技術開発機構
岡崎信次

9:30~10:00
光リソグラフィーの短波長化
(株)ニコン
龜山雅臣

10:00~10:30
IDEAL露光技術の実用化
キャノン(株)
斉藤謙治、長谷川雅宣、吉井 実、鈴木章義

10:30~11:00
レジストシュリンクによる微細パターン形成技術- RELACS -
三菱電機(株)、菱電セミコンダクタシステムエンジニアリング(株)*
石橋健夫、豊島利之、片山圭一*、田中幹広*、保田直紀、杉野幹二、勝谷隆之*、有本一郎

11:00~11:30
レベンソンマスク対応リソグラフィCAD技術
富士通(株)
浅井了

11:30~12:00
階層処理を用いた高速並列処理OPCシステム
(株)日立製作所
辻本英二、渡辺和宗

13:00~13:30
マスク技術による解像力の向上
凸版印刷(株)
大瀧雅央

13:30~14:00
高精度化に対するマスク技術の現状と課題
大日本印刷(株)
宮下裕之

14:00~14:30
露光装置の収差測定法
(株)東芝セミコンダクター
野村博、佐藤和也

14:30~15:00
KrFによる0.13μm超解像リソグラフィ
(株)日立製作所
長谷川昇雄、早野勝也、今井 彰、浅井尚子、寺澤恒男、岡崎信次

15:15~15:45
ArFレジストの高解像度化
日本電気(株)
井谷俊郎、吉野 宏、瀧本道也、田辺容由

15:45~16:15
短波長露光用レジスト材料技術
東京応化工業(株)
大森克実、湯川博人、岩井武、羽田英夫、駒野博司、中山寿昌

16:15~17:00
総合討議

懇親会:(17:10~) 124教室

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