第117回 研究集会
従来、イオン注入法をはじめとする不純物ドーピング技術がトランジスタの電気的特性制御を担ってきた。ところが、トランジスタの微細化に伴い、不純物原子の離散性が顕在化し、ランダムな分布故、不純物の個数・位置がゆらぐ結果、特性ばらつきが深刻な問題となっている。これには、今のところ、不純物原子の個数と位置を完璧に制御するか、あるいは全く使わないトランジスタ構造で対応するしかない。
本研究集会では、不純物ばらつき・制御に焦点を当て、ドーピング技術、アニール技術、ドーパント計測技術の現状と課題を把握し、今後、不純物ドーピングは使えるか、使えるとすればいつまで使えるのか、あるいはもはや使えないのかを議論する。不純物原子の離散性を積極的に利用する試み、不純物に頼らない新構造デバイス開発、ボトムアップによるアプローチを通じて得られる知見を得て、今後の研究開発の方向性を見出すことを目的とする。
開催場所
早稲田大学 早稲田キャンパス 研究開発センター120-5 号館
〒162-0041 東京都新宿区早稲田鶴巻町 513 http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.htmlテーマ | 不純物ドーピングの挑戦と将来展望-不純物ドーピングは使えるか? |
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参加費 | 分科会員 2,000 円 非分科会員 4,000 懇親会費:2,000 円 (参加費・懇親会費は当日お支払い下さい。) |
オーガナイザー | オーガナイザー:水野文二/UJT ラボ (コーディネーター):青山敬幸/Selete、川崎洋司/ルネサス、品田賢宏/早大 |
主催 | 応用物理学会シリコンテクノロジー分科会接合技術研究会 |
共催 | SEMI ジャパン |
お問い合わせ先 | 早稲田大学高等研究所・品田賢宏 E-mail: shinada@aoni.waseda.jp |
プログラム
座長:青山敬幸/Selete、川崎洋司/ルネサス、品田賢宏/早大
13:00-13:10
開会挨拶・趣旨説明(10 分)
品田賢宏/早大
13:10-13:35 ①トランジスタ特性ばらつきの現状と要請(25 分)
不純物ばらつきの現状を把握し、その解決へ向けた問題提起。
平本俊郎/東大
13:35-14:00 ②ドーピング技術の最前線(25 分)
プラズマドーピング、クラスター・分子イオン注入、コイオン注入技術などの紹介。
川崎洋司/ルネサス
14:00-14:25 ③アニール技術の最前線(25 分)
フラッシュ、レーザーアニールなどアクティべーション技術の紹介。
須黒恭一/東芝
14:25-14:50 ④ドーパント計測技術の最前線(25 分)
電子線ホログラフィ、SSRM、STM などの紹介。
西澤正泰/産総研
14:50-15:10 休憩(20 分)
15:10-15:35 ⑤シングルドーパントデバイスの現状と課題(25 分)
不純物の個数・位置を制御する試みの紹介。
田部道晴/静岡大
15:35-16:00 ⑥ノンドープデバイスの現状と課題(25 分)
FD FET, 3D FET など不純物を使わないトランジスタ構造の紹介。
昌原明植/産総研
16:00-16:25 ⑦ボトムアップドーピングの現状と課題(25 分)
ボトムアップ、自己制御的なドーピング技術の紹介。
深田直樹/物材機構
16:25-16:50 討議・まとめ(25 分)
コメンテーター 若林 整/ソニー
16:50-17:00 講評・閉会挨拶(10 分)
水野文二/UJT ラボ
17:30-19:30 懇親会