活動報告書
平成14年度事業報告
事業報告(平成14年4月~平成15年3月)
シリコンテクノロジー分科会は、2月28日現在で 785名の個人会員と24の特別会員を擁し、8つの研究委員会で構成している。2002年度は、以下に報告する11回の研究集会に加えて、本分科会主催の接合技術に関する第3回国際ワークショップ IWJT2002(東京ダイヤモンドホテル、12月2日・3日、講演34件、参加者220名)を開催し、半導体素子微細化の鍵を握る極浅接合技術について活発な討論を行った。また、ECS (The Electrochemical Society) と共催で、第2回 International Semiconductor Technology Conference (ISTC2002) (東京ダイヤモンドホテル、9月12-14日、講演94件、ポスター発表24件、参加者166名)を開催し、High-K 材料を含むデバイス技術、微細加工技術や浅い接合形成技術を含むプロセス技術、Low-K, Cu ダマシンなどの多層配線技術、Chip Size Packageや3D Package などのパッケージ技術、3D-LSI技術などについて活発な討論を行なった。また、薄膜・表面物理分科会との共催の「極薄シリコン酸化膜の形成・評価・信頼性」に関する第8回研究会(熱川ハイツ、1月24日・25日、講演23件、ポスター発表31件、141名)、ADMETA委員会との共催のAdvanced Metallization Conference 2002: Asian Session(東大山上会館、10月28-30日、講演25件、ポスター発表17件、201名)を開催した。
第39回研究集会(グランキューブ大阪、6月18日、講演8件、42名 )が「極浅接合形成技術: ITRS2001ロードマップを踏まえて」のテーマで開催され、現在のイオン注入とRTAを基本としたドーピング技術がいつまで使用可能か、代替技術は何か、ロードマップの目標値は適切かなどの観点からパネルディスカッションが行なわれた。
第40回研究集会(広島大、6月20日・21日、22件、90名) が「100nm技術ノードにおける絶縁膜、小特集:絶縁膜評価技術」のテーマで、電子情報通信学会シリコン材料・デバイス研究会 (SDM)「ゲート絶縁膜、容量膜、機能膜およびメモリ技術」と合同開催された。リーク電流,容量,膜厚,移動度,ゲート空乏化などの観点から極薄ゲート絶縁膜やHigh-Kゲート絶縁膜の特性評価に関する重要課題が活発に論じられた。
第41回研究集会(東大、7月15日・16日、22件) が「次世代リソグラフィ(NGL)ワークショップ2002」のテーマで、日本学術振興会「荷電粒子ビームの工業への応用」第132委員会、応用物理学会次世代リソグラフィ技術研究会との共催で開催された。F2リソグラフィ、X線リソグラフィ、EUVリソグラフィ、EBリソグラフィ、フォトマスク技術、ナノインプリント技術に関する最新の話題の紹介があり、活発な討論が行われた。
第42回研究集会(学習院大、7月26日、12件、40名)が「シリコン結晶特集 – 大口径、高品質シリコン基板とその評価技術の動向」のテーマで開催 され、300mmφ基板の本格量産適用へ向けたSi結晶育成技術における課題として、Si融液中の酸素、ドーパント挙動解明と制御、COP、酸素析出の計算予測と制御、大重量化に伴う結晶強度の維持などについて活発な討論が行なわれた。また、Si基板の高品質化技術という観点から、デバイス領域の完全性とゲッタリング付与、大口径ウェーハの強度維持などの要求についても議論された。
第43回研究集会(東洋大、8月21日、10件、81名)が6月のVLSIテクノロジー・シンポジウムにおいて発表された講演を中心として「最先端CMOS技術」のテーマで開催され、単なるロードマップ上の数値の議論だけではなく、将来の素子微細化技術の方向性をも見据えた活発な討論が行われた。
第44回研究集会(機械振興会館、9月30日・10月1日、19件、35名) が「プロセス・デバイス・回路シミュレーションおよび一般」のテーマで、電子情報通信学会VLSI設計研究集会 (VLD)、電子情報通信学会シリコン材料・デバイス研究会 (SDM)との共催で開催された。半導体の製造工程、製造装置、半導体素子、半導体回路に関するモデリング、およびシミュレーションを用いた解析、統計処理に関する興味深い研究報告がなされ、活発な質疑応答が行われた。
第45回研究集会(機械振興会館、11月15日、9、52)が「デバイス特性バラつきの物理とモデリング」のテーマで、TCAD産学協議会との共催で開催され、現実的な問題として認識されつつあるデバイス特性バラつきやノイズに対して、回路設計の立場からの要求や限界を踏まえてその物理的要因を掘り下げるための活発な議論が行われた。
第46回研究集会(東京農工大、11月22日、15件、52名)が「量子サイズシリコン系素子-新機能と応用-」のテーマで、シリコン新機能デバイス・シリコンナノテクノロジー研究委員会と合同で開催された。量子サイズシリコン系素子の機能と応用に重点をおき,新規材料・プロセス,発光や新機能,素子化技術などについての興味深い結果が紹介され、研究の意義や今後の課題なども含めて活発な議論が行われた。
第47回研究集会(産総研、1月17日、7件、54名)が「次世代LSI開発アプローチのための評価技術」のテーマで開催され、次世代LSI開発に向けての新しいプロセスのための評価技術や新しい材料に対する評価技術という観点から、シリコンテクノロジーに利用できる新しい評価技術、新しいゲ ート絶縁膜用High-K材料の性質を知るための評価技術に関して活発な討論が行われた。
第48回研究集会(東大、2月6日、12件、45名)が12月のIEDMにおいて発表された講演を中心として「最先端CMOS技術」 のテーマで開催され、シリコンデバイスに関する最新の話題について活発な質疑応答がなされた。
第49回研究集会(機械振興会館、2月7日、17件、32名)が「多層配線: 低誘電率層間膜、配線材料」のテーマで、電子情報通信学会シリコン材料・デバイス研究会(SDM)との共催で開催された。現在精力的に研究開発が進められているCu/Low-K による多層配線技術に関して、最新の話題が活発に論じられた。